米国有力ファンド、テック株売却と半導体・銀行株買い増しの動き——市場の方向性を左右する重要な転換点(2024-08-21)
米国の有力ファンドが2024年6月末までに大型テック株を売却し、半導体や銀行株を買い増していたことが明らかになったと報じています。この売買動向は、米国証券取引委員会(SEC)への報告書「フォーム13F」に基づいており、ファンドが株価の乱高下を予見して利益確定を行ったことが示されています。
ポイント:
テック株の売却: 特にアルファベットやアップルなどの大型テック株が売却された。これらの株は高値で利益確定が行われ、その後の調整局面で株価が下落しています。
半導体株の買い増し: エヌビディアなどのAI関連半導体株が買い増されており、生成AI関連のビジネスには収益性の懸念があるものの、半導体需要は依然として旺盛であると見られています。
銀行株の買い増し: 商業銀行の株も買い増されており、利ざやの改善が期待されています。特に、JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴに対する投資が増えています。
中国関連銘柄の売却と逆張り: アリババや百度といった中国関連銘柄の売却が進んでいる一方で、逆張り投資家のマイケル・バーリ氏がこれらの株を買い増している点も注目されています。
今後の株価の動向の考察
テック株: 大型テック株の一部は既に高値から調整局面に入っており、今後も調整が続く可能性があります。生成AI関連の収益性に対する市場の懸念が続く限り、これらの株価の回復には時間がかかるかもしれません。
半導体株: 半導体需要は堅調であるため、短期的な調整を経ても中長期的には上昇トレンドが続く可能性があります。ただし、相場の変動が激しいため、注意が必要です。
銀行株: 米国の利上げが続く限り、銀行株は利ざや改善を背景に上昇する可能性があります。特に、金利の順イールドが戻ると予想される状況では、銀行株のパフォーマンスが期待されます。
中国関連銘柄: 中国政府のテコ入れ策の効果が限定的であるとの見方が広がる中、これらの銘柄のリスクは高いと考えられます。しかし、逆張り投資家の動向に注目しつつ、市場の流れを見守る必要があります。
結論として、ファンドの動きは市場の変動に敏感に反応しており、今後の株価動向においても、テック株と半導体株のパフォーマンスが市場の方向性を左右する重要な指標となるでしょう。
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