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銘柄評価:J.フロントリテイリング(3086) 88点

1) 会社の概況と特徴 (300文字)

株式会社J.フロントリテイリング(3086)は2007年に設立され、同年に上場しました。大丸松坂屋百貨店を中核に、商業施設パルコやギンザシックスなどを傘下に持つ総合小売企業です。百貨店事業では高級品を中心に富裕層や訪日客をターゲットとし、収益を上げています。また、商業施設やデベロッパー事業も展開しており、安定した収益源となっています。パルコやギンザシックスなどの施設は、テナント導入の積極化により、家賃収入を増加させています。さらに、決済・金融サービスも提供しており、多角的な事業展開でリスク分散を図っています。今後は、名古屋松坂屋やパルコの改装を通じて、グループ全体でのシェア拡大を目指しています。

2) 株購入における総合評価 (300文字)

J.フロントリテイリングは、安定した収益基盤と多角的な事業展開により、長期的な成長が期待できる投資先です。2023年度の売上高は4,070億円、純利益は299億円であり、いずれも堅調な業績を示しています。ROEは8.1%、自己資本比率は34.3%と健全な財務体質を持ち、安定した配当を提供しています。今後の成長戦略として、主要都市での店舗改装や新規開店を計画しており、さらなる収益拡大が見込まれます。株価も安定しており、時価総額は4,016億円と高い評価を受けています。配当性向も40%以上を目指しており、株主還元に積極的です。ただし、百貨店事業における大規模改装費や構造改革費が収益を圧迫する可能性がある点には注意が必要です。

3) 売上と利益、成長性

  • 売上高(2023年度):4,070億円

  • 営業利益(2023年度):430億円

  • 経常利益(2023年度):413億円

  • 純利益(2023年度):299億円

  • 売上高成長率(2022年度→2023年度):13.6%

  • 純利益成長率(2022年度→2023年度):109.9%

4) 株価と時価総額、総資産

  • 株価(2024年6月):1,501.5円(高値)

  • 時価総額:4,016億円

  • 総資産(2024年2月):1兆1,147億円

  • 自己資本:3,819億円

  • 自己資本比率:34.3%

5) キャッシュフロー、現金

  • 営業キャッシュフロー(2023年度):906億円

  • 投資キャッシュフロー(2023年度):134億円

  • 財務キャッシュフロー(2023年度):-727億円

  • 現金等(2024年2月):713億円

6) 配当性向

  • 配当金(2024年度予想):40円

  • 配当性向:35.1%

7) 採点と解説(100点満点で採点)

  • 業績と財務 (20点中18点)
    業績は堅調であり、特に富裕層や訪日客向けの高級品販売が好調です。財務体質も健全であり、ROEや自己資本比率も良好です。

  • 株価の安定性 (20点中17点)
    株価は比較的安定しており、長期的な成長が見込まれます。ただし、百貨店事業の競争激化には注意が必要です。

  • 成長性 (20点中18点)
    売上高と純利益の成長率が高く、特に今後の店舗改装や新規開店による収益拡大が期待されます。

  • 業界地位と競争力 (20点中17点)
    百貨店業界では確固たる地位を築いており、パルコやギンザシックスなどの商業施設も収益源となっていますが、業界全体の変化には注意が必要です。

  • 配当性向と株主還元 (20点中18点)
    配当金は安定して増加しており、配当性向も高い水準で株主還元に積極的です。

  • 総合評価 (100点中88点)
    J.フロントリテイリングは、安定した収益基盤と多角的な事業展開で成長が期待できる優れた投資先です。業績や財務体質も良好であり、長期的な成長が見込まれます。ただし、百貨店事業の競争や改装費用などのリスクにも注意が必要です。

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