銘柄評価:京セラ(6971) 88点
1) 会社の概況と特徴
京セラ株式会社は1959年に設立され、1971年に上場しました。コンデンサーなどの電子部品を主力とし、太陽電池モジュールや通信機器、複写機など多角化経営を展開しています。連結事業では、コアコンポーネントが28%、電子部品が18%、ソリューションが55%を占め、海外売上比率は71%に達します。セラミック部品は車載向け需要が増加しており、半導体関連も回復傾向にあります。新事業としては、水をほぼ使わずに印刷できる生地染め用プリンタを開発し、将来的に売上1000億円を目指しています。さらに、4000万ドル規模のベンチャー投資ファンドを設立し、新規事業の育成を進めています。
2) 株購入における総合評価
京セラは多角化経営を進める中で、特に電子部品やソリューション事業に強みを持ち、安定した収益基盤を構築しています。セラミック部品や半導体関連の回復が見込まれ、将来的な成長性も期待できます。ただし、短期的には市場の変動に影響を受けるリスクがあります。財務状況は健全で、自己資本比率も高く、安定した配当を提供しています。新規事業の展開やベンチャー投資ファンドの設立により、さらなる成長を目指しています。これらを総合的に評価すると、長期的な投資先として有望と考えられます。
3) 売上と利益、成長性
京セラの売上高は2024年3月期に2,004,221百万円、営業利益は92,923百万円、税前利益は136,143百万円、最終利益は101,074百万円を記録しました。2025年3月期の予想売上高は2,050,000百万円、営業利益は110,000百万円、税前利益は150,000百万円、最終利益は112,000百万円です。成長性に関しては、セラミック部品や半導体関連の回復が見込まれ、安定した成長が期待されます。
4) 株価と時価総額、総資産
2024年6月17日時点での時価総額は27,770億円で、電子部品・産業用電子機器業界内での時価総額順位は7位です。総資産は4,465,376百万円、自己資本は3,225,595百万円、自己資本比率は72.2%と非常に健全な財務状況です。
5) キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは2,690億円、投資キャッシュフローは-1,584億円、財務キャッシュフローは-825億円です。現金等は4,247億円を保有しており、健全な資金繰りを維持しています。積極的な設備投資と研究開発が進行中です。
6) 配当性向
2024年3月期の配当金は1株あたり50円であり、安定した配当が行われています。今後も安定した配当が期待され、配当利回りの向上が見込まれます。
7) 採点と解説
業績と財務 (20点中18点): 安定した収益と健全な財務状況を維持していますが、市場の変動リスクがあります。
株価の安定性 (20点中16点): 株価は一定の安定性を持つものの、市場の影響を受けやすいです。
成長性 (20点中18点): セラミック部品や半導体関連の回復が期待され、新規事業の展開も進んでいます。
業界地位と競争力 (20点中19点): 電子部品業界での競争力が高く、多角化経営も強みとなっています。
配当性向と株主還元 (20点中17点): 安定した配当が行われており、将来的な増配も期待できます。
8) 総合評価
総合評価は100点中88点です。長期的な成長と安定した収益性が期待できる企業として評価されます。
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