エルフ式引きタンク戦術

3ミサタンクの立ち回りについて、自分なりの解釈や意識していることをアウトプットしようということで書き殴ります。3ミサタンク自体は登場してから長いものの、前レギュでの自分の立ち回りはどうやらやや特殊なようで、それをベースとしているため一般的な認識とズレる部分があるかもしれません。取捨選択はお任せするということで予防線を張っておきます。

◉3ミサタンクの現状
 残念ながらあまりにも運動性能が悪く、引くも追うも十分ではないというのが正直なところです。あくまで"十分でない"程度であるため、不可能ではないもののミスったら即負け筋という厳しさがあります。つまり、明確に勝ち筋をイメージした上で徹底したプレイをすることで勝てるジャンルと言えます。その精度が高まればより高い勝率が望めると考えています。

◉準備
 3ミサタンクを使う上で最も重要なのは知識と慣れであると考えています。
 最上位クラスへの限界突破のためにはえげつない立体機動、マニュアル射撃、ミサイルの当て勘、読みの鋭さなど技術による伸びしろはあるものの、ランキングボードに載る程度の勝率であれば正直そこまで頑張る必要はありません。事前の準備、つまりこの機体にはこう戦う、あれにはこう戦う・・・と一つ一つ勝ち筋を作っておくことが最も重要です。動画を見たり、実際に戦ったりして明確な勝ちへのプランを作りましょう。更にできるなら、自分の勝ち筋に対して相手が仕掛けてくるリカバリープランも頭に入れておくとなお良いです。
 3ミサタンクを使う上で、我々凡人は「知ってないと無理」なので初めて相対するような機体は基本的に負けます。ですが、必ず負けっぱなしにせずに何をどうすれば勝てるかを考え(場合によっては恥を忍んで直接対戦相手に尋ねてもいいかもしれません)、次の同種対面のときに必ず勝つようにしましょう。
 慣れという点ではタンクの多少特殊な操作に慣れることもそうですが、例えばコラミサや垂直プラミサの回避、凸機への交差など「タイミングよく◯◯する」必要がある場面はたくさんあるため、その練習は不可欠です。とはいえ、行動自体は普通のAQBや蹴り上昇、QBなので慣れればおしまいです。やってみれば案外勇気がいるだけの簡単な動きです。
 機動に慣れたら後退一本でどんどん引いていく動きだけでなく、逆に詰めていく動き、遮蔽物をグルグルしながら戦う動き、遮蔽から遮蔽へ移っていく動き、蹴りでカウンターを狙う動きなど、動きのバリエーションを作ることを考えましょう。機体自体のパワーはそれほど高くない3ミサタンクですからとにかく相手の嫌がる動きを徹底する必要があり、場合によってはガン詰めする場面も出てくるため、色んなパターンで動かせるように慣れておく必要があります。

◉試合開始
相手の武装や脚部が分かるので、相手の勝ち筋を想定し、それを潰す動きを選択します。
例えば、
 ・重ショ
 接近戦が勝ち筋。遮蔽から遮蔽に移動してできるだけ引き回す。
 ・レーザー
 チラ撃ちが最強。遮蔽を使われないように開所で展開を作る。
 ・ミサイラー
 回避力の差で撃ち合い不利なので遮蔽で潰す。
・・・などなど、こういったパターンが多ければ多いほど勝率は上がっていきます。自身の動きのバリエーションがここで活きるわけです。

◉試合展開
 とにかくAP有利が命です。AP有利を取るためには2つのアプローチがあります。
  A 削られずに削る
  B 削られるより多く削る
 一般的にはAでいきますが、軽ニなど射線を簡単に通されるような機体には諦めてBのパターンを使います。一般的なパターンでいうと、いくつか意識すべき点があります。
1.無防備に体を晒さない
 相手の武装は分かっているので、QB一回で遮蔽に入れる場所など、相手の攻撃を絶対に避けれる位置で差し合いをしましょう。この場面では1ダメージも許されません。
 テクニック面では、肩(半身)だけ遮蔽から出して撃つのも有効でしょう。意外と自分から見えているよりも機体は出てるので、壁抜けしてるような錯覚に陥りますが、どうやら肩はちゃんと出ているようです。
 ここで注意したいのが、相手が遮蔽から出てこないからといって絶対にこちらから詰めようとしたりしないこと。どうしても相手の待ちを崩せないのであれば、フェーズ1ならお互いノーダメージドローでも構わないが?くらいに強気に構えてもいいです。相手のやり口を見た上で、フェーズ2でアプローチを変えて仕切り直せばいいのです。
2.極力通常ブーストを使う
 QBはENを消費する上に、緊急回避に使う必要もあるためできるだけ通常ブーストで地形を使うようにしましょう。意外と快適で、微調整も効くので①で挙げたような半身だけ出して撃つなどのテクニックも使いやすくなります。
 足を止めるとブーストが切れるので静止したいときは小刻みに前後に動かしてブーストが切れないようにしましょう。

◉引き方
 そもそも引く意味とはなんぞやと考えると、
①寄ってくるまでにダメージを稼げる
②相手のENを使わせる
といったところが挙がります。それぞれもう少し詳しく掘ってみると、
①ダメージ
 こちらの攻撃が相対的に弾速が向上して当たりやすい他に、一方的に殴れるタイミングがあり、有利な状況を作りやすいです。
・遮蔽の角を曲がってくるときにネビュラ
・遮蔽から頭を出す瞬間にニドミサ
・ショットガンのレンジ外からネビュラ
・・・など。これらの場面は追ってくる相手側からは全く手出しできない状態なので、決めればアドバンテージが大きいです。
 ただし、ここで注意したいのは顔出し際に狙うネビュラやミサイルは基本的に顔を出してからでは強さは半減します。勇気がいりますが、顔を出す直前に撃って出てきた瞬間にヒットするような形にしたいところです。発射タイミングは、これまた慣れです。
②EN
 相手の1ターンを短くすることができます。凸機(特に重二重ショ系)はENがある限りAQBで張り付いてきますが、接敵前にENを使わせておけば、一回のラッシュでの被弾を減らすことができます。また、接敵後のABが短くなればABの衝撃カットが適用される時間も短くなるため、不利な展開を避けることができます。
特に今流行りのP10肩幅系の重ショには重要な意識かと思います。

次に引き展開を作る際に気を付けておきたいことをいくつか挙げます。
①できるだけ遠い位置から引き始める
②引くルートを決めておく(引ける余地を残しておく)
③切り返しのプランを考えておく

①できるだけ遠い位置から引き始める
 当たり前のことですが、遠くから引いたほうがより多く相手のリソースを削り、より多くこちらの攻撃のチャンスもあります。②と相手の武装との相談でちょうどよい位置から引き始めるように序盤戦を作りましょう。
②引くルートを決めておく
 LOCのような半永久的に引けるマップは別として、基本的に引いているとエリア端、障害物など何らかの行き止まりに突き当たります。十分に相手のリソースを削ったあとで乱戦に入るならいいものの、引き始めてすぐに行き止まりに当たって…というような展開は絶対に避けなければなりません。なんとなくの走行ルートと障害物の位置などは把握しておくようにしましょう。後ろを向きながら障害物を避けたりできれば花丸です。
 また、直線的に引ければ一番良いですが、実際には何かしらの攻撃が飛んでくるでしょう。特にミサイルはまっすぐ引いていれば必ず当たるため回避をしたいところですが、基本的にミサイル回避は相手に向かっていく機動になるため、より早く距離を詰められてしまいます。可能であれば、ド開所ガン引きではなく、引きつつ合間に遮蔽を利用してミサイルを消すなどの動きができるようなルートを考えておきたいところです。
③切り返しのプランを考えておく
 基本的に引く動きよりも押す動きのほうが速いため、間違いなく追い付かれて近接戦闘になります。近接戦闘でできるだけ有利な展開を作るために引いているわけですが、そのビジョンは追いつかれたあとの切り返しの場面でも同様です。追いつかれたらどこで戦うのか(どこで追いつかれるか)、EN残量の差を活かすなら引いてる間に何回QBできるか、EN回復するためにはどこが最後のQBか、カウンターキック狙うのか、フェイントするのか…などなど、頭に余裕がある限り考えておきましょう。

◉良くない例
 ありがちな良くない例というのがいくつかあります。些細なミスですが、即負け筋に繋がってしまうので注意が必要です。
①引き始めが近い
 相手との距離が近い状態(ないしはこちらから近付いて)で引きを開始してしまうと簡単に追いつかれる上に、例えば本来であれば1ターン中1射しかできない武器を2射撃たれる、近すぎて蹴りカウンターが間に合わない、ENに余裕があるので蹴りハメされるなど不利な展開に繋がります。
 こういった状況にならないように立ち回るのが前提ですが、こうなってしまった場合には無理に引くよりもむしろ交差などを狙って誤魔化す必要のある展開だと考えられます。
②遮蔽裏で待つ
 遮蔽を使って相手の攻撃を避けようとして隠れているところに相手が寄ってきて遮蔽を挟んで対面するような状況です。遮蔽を使うのは原則ではありますが、この状況は実は悪手であることが多いです。遮蔽を使って賢く戦っているつもりで、客観的に見ると例①の近い距離で引き始めるのと同じ状況に陥っています。さらに悪いことに、基本的にタンクであるこちらよりも相手の方が遮蔽を上手く利用しやすいためさらに状況が悪いと言っても過言ではありません。
 こうならないように遮蔽で隠れる場合は、寄ってきたら次の遮蔽、また寄ってきたら次、というように遮蔽を移動し続け、移動の合間合間に攻撃を差し込むような形で戦っていきます。もちろん相手が焦れてENを贅沢に使って詰めてきたらここぞとばかりにカウンターを仕掛けてスタッガー→再び引き展開へという形に運びます。
 「遮蔽を使う」ということは「待つ」だけでなく、間接的にでもアクションを仕掛け続ける必要があることを意識しましょう。
③引いているつもりで円運動
 ハードロックで戦っていると、自分では引いているつもりなのに相手と一緒にぐるぐる回ってるだけだったという展開があります。軽二などにふわふわ張り付きされているときに多い展開で、相手が側面に回り込んでくるので距離を離そうと相手と反対方向へ後退、その側面に回られて反対方向へ後退……というのが原因です。
 この状況だと自分から見て相手は近距離を横移動するような動きになるためミサイルもネビュラもほとんど当たらず、逆に射撃武器は簡単に当たる状況になり、不利な展開が続きます。なんとなくで引いてるとこういった展開に繋がるので、意識的に動くようにしましょう。
④無闇に攻撃する
 せっかく引いているのでたくさん攻撃したい気持ちはよく分かりますが、相手もアホではないので避けれる攻撃は避けられます。状況によってはほぼ間違いなく攻撃が外れる場面もあります。無闇に武器を使ってしまうと、避けられたうえにせっかくの攻撃のチャンスである接敵時にリロードに入ってて使えない、というような情けない状態になってしまうことがあります。
 武器を大事にして出し渋る必要はありませんが、武器ごとに当たる場面、当たりにくい場面、まず当たらない場面があるので、あらかじめ整理しておき、少なくとも当たらない場面では撃たないというような丁寧さは必要です。
 


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