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話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

昨年まで新米小僧さんが行っていた「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」。何度か参加しようと思っていたら、なんと新米小僧さんが企画から引退してしまった。
今年からは個人アニメニュースサイト「aninado」がこの企画の集計を行う。
aninado 応援の意味も込めて今年から参加させていただきたい。

『のりものまん モービルランドのカークン』3話「クールな救急車」

作画監督 伊藤香織
絵コンテ・演出 石浜真史

まさかの石浜真史演出回。1話、2話から順番に見ていくと、この話数のレイアウトの良さがわかる。石浜さん特有の演出は見られないが、徹底して見やすい画面が作られたベテランの技が光る1本。作画も良い。

一人之下 入世篇[第3期]』2話

演出 黄成希・王益
作画监督 黄成希・张绍伟
分镜(絵コンテ) 黄成希・高彬瑜・黄日东

話題になった黄成希演出回。特にAパートのパルクール作画は出色の出来。今年で一番のアクションを拝める。
中国国内でしか放送されておらず、テンセントビデオ 独占配信なのでTVアニメに入れていいのかは謎。

『映像研に手を出すな!』8話「大芝浜祭!」

絵コンテ・演出 長屋誠志郎
副監督 本橋茉里・山代風我
作画監督 木下絵李・河本零王

ついに完成した劇中アニメーション。
達成感はありつつも、後から手を入れたくなる。
セリフ回しがそういう感情を豊かに伝えてくる。
劇中アニメーションのロボアクションも素晴らしい。
文化祭らしいドタバタ劇も楽しい。
ラストの水崎ツバメの「どうしようもない」というセリフを言う時の表情も良い。
様々な感情が詰まった大満足の話数。

『22/7(ナナブンノニジュウニ)」』7話「ハッピー☆ジェット☆コースター」

脚本 大西雄仁
絵コンテ・演出 森大貴

戸田ジュンというキャラクターを描いた話数。
底抜けに明るい彼女のジェットコースターのように忙しい1日を各所に笑いを入れながら描きつつ、一気に暗い過去をも描き出す。
観客の感情もジェットコースターのように大きく動き出す。
光を効果的に使った演出も良い。
演出家 森大貴に今後も注目だ。
彼女が泣くシーンの口の描き方は必見。

『ガル学。~聖ガールズスクエア学院~』8話「生徒会チーム、South²(サウス・サウス)!」

絵コンテ・演出 久保太郎
総作画監督 茂木琢次
作画監督 神谷美也子

『おはスタ』内で放送されるアニメ。
冒頭にいきなり背動カットがある上、ダンスまであるハイカロリーな話数。
憧れのユニット「South²」のダンスが丁寧に描かれる。
このシリーズは4話まで放送されたところでコロナの影響を受け放送中止していた。再び新規話数の放送が始まってから8話で急にハイカロリーな話数を入れてきたのが印象的だった。

『日本沈没2020』1話「オワリノハジマリ」

絵コンテ 和田直也
演出 和田直也・長友孝和
作画監督 和田直也

西ジブリ出身、和田直也の代表作。初のキャラデ・総作監を務める作品の1話で多くの原画を担当、これまで日本アニメにはあまりなかった絵で巧みなレイアウト・作画を見せる。シリーズ全体としてはクオリティは高くなく、監督の湯浅さんは悔しい思いをしているんじゃないかと思う。その中にあって存在感のある話数。
Netflix 配信作品であって「TVアニメ」ではないが入れた。
この辺リスト制作委員会はどういうスタンスなんだろう。

『ハイキュー!! TO THE TOP』24話「バケモンたちの宴」

脚本 岸本卓
絵コンテ 笹木信作
演出 鎌倉由実

観る側も思わず手を握ってしまうほどの疾走感と臨場感。
時間の見せ方、空間の見せ方が抜群だ。
決着が決まるシーンの(多分)向田隆の描く手の描線と眼球に映る動きが非常に印象的だった。

『魔法科高校の劣等生 来訪者編』2話「来訪者編Ⅱ」

絵コンテ・演出・作画監督・原画 高岡じゅんいち

一部で話題になった話数。正直『魔法科高校の劣等生』シリーズはそれほどクオリティが高くない。だから突然レイアウトがあって丁寧な芝居のあるアニメが始まって驚いた。TVアニメはこういうのがあるからすばらしい。
この話数は決して派手な作画があるわけではない。
1カットの中でレイアウトに変化をつけているとか、口パクが丁寧とか、目配せがあってキャラが生き生きしてるとか、キャラクターが立体的に描かれているとか、そういう基礎的な部分の積み重ねで出来ている。
それだけで飽きのこないリッチな画面になっている。
自分は高岡じゅんいちさんの名前をこの話数で初めて覚えた。
ビーボォー出身だそうで、何者かが公園のベンチで意識を失っているショットは湖川アオリを想起させる。
テレビアニメとしての理想的な作りをベテランが技術で見せつける話数。

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『禍つヴァールハイト -ZUERST-』12話「The Hand that Rocks the Cradle」

脚本・絵コンテ 細田直人
副監督 小野竜太
演出 小林公二

昨日放送された話数。
元々、杉薗朗子さんの初キャラデということで観始めた作品だった。
どうも制作状況が良くないようで、途中からグロス回ばかりになり、到底クオリティが高いとは言えなかった。
杉薗さんのTwitterにも不穏な制作状況を伺わせるものが投稿されていた。
そんな状況で迎えた最終回。正直高い期待はしていなかった。
ところが昨日の放送を見ると、普通に高いクオリティになっている。アクションパートの作画も良い。
原画は全て国内だったようだ。そしてなんと作画監督のクレジットがない。
現場の矜持を見れた話数だったと思う。

『呪術廻戦』13話​「また明日」

脚本 瀬古浩司
絵コンテ・演出 田中宏紀

眼球に影、独特なシルエットとディテールの細かい影、そして凹凸のない手。田中宏紀作画が炸裂する。
特に極めのシーンの焦点の合わない目やCG・二号影を使った立体的な描写が呪霊たちの不気味さを際立たせる。
今年の締めにふさわしいクリスマスに放送された1本。


今年も素晴らしい作品が多かった。
映像を観るということは異なる思想に触れ自己を変革することです。
来年も出来る限り多くの作品に触れていこうと思います。

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