「エリア訪問の時刻と時間長を考慮した観光行動分析」を読んだ感想

この記事は、岩手県立大学 Advent Calendar 2017の12日目の記事です。

引き続き、アドベントカレンダーで穴が空いているところに最近読んだ論文の感想をなるべく平易な言葉で1000字以内で書いていこうと思います。

この調子だと、平日毎日担当することになって辛そう。穴を埋めてくれる人の登場が待ち望まれます。

さて、今回は、「エリア訪問の時刻と時間長を考慮した観光行動分析」(西村ら, DEIM Forum 2017)です。

[あらまし] (論文より引用)
人々の一日単位の行動から頻出パターンを発見することは重要である.例えば観光客の行動データから頻出の行動パターンを発見することで,人気の観光ルートを知ることが出来る.本研究では一日単位と各エリアへの訪問単位の二階層の隠れ状態を仮定した確率的生成モデルによる頻出行動パターン発見手法を提案する.一日単位の隠れ状態はユーザの立てるスケジュールのパターンを表し,訪問単位の隠れ状態は訪れるエリアや訪問時刻,時間長の潜在的な分布を表す.この手法によって,訪問するエリアだけでなく,訪問時刻や時間長も併せて考慮した頻出行動パターンの発見が可能となった.福岡に訪れた訪日観光客の実際の行動データに対して提案手法を適用し,特定の場所への訪問が行われる時間帯やその前後の頻出行動内容についての分析などが可能であることを示した.

感想

この論文では、多人数の行動履歴のデータを分析することで、いわゆる「定番コース」を時系列で浮かび上がらせることができる手法について説明されていました。

人の力を介さずに定番コースができあがるのはとてもおもしろいと思いました。個人的には、こういうデータからなにかが浮かび上がってくるのが好きなんですよね。

応用として、対象とするログの時期や属性を変えて算出し、その差をみることで、最近ホットなスポットであったり、季節別の定番、旅行者の出身地別の定番みたいなことができるのではないでしょうか。結果をみてみたいです。

一方で、旅行者も闇雲に歩いているわけではなくガイドブックを参考にしていると考えられます。もしこの浮かび上がるものが、著名なガイドブックに掲載されているものと同様であれば、手法は正確である裏付けになるとは思うものの、実用先がなかなか難しいですね。この手法を用いたからこそ得られる体験というところを伺ってみたいものです。旅行者の満足度を考慮できれば、より洗練された観光コースを提案できたりするのかなとも思います。

ところで、この論文のはじめのほうに紹介されている「moves」はもう何年もお世話になっているのですが、最近アップデートがなく、かつiOSのアップデートとともに不安定になってきて寂しい限りです。自分用にロギングアプリ作ろうかなぁと思っている今日この頃ですが、いいアプリあればどなたか教えてください。

(約600文字)

おわりに

(ただの宣伝です。)

普段は旅関係のサービスを開発しています。ゆくゆくは学術的な成果を実装してサービスに組み込みたいという思いがあって論文読んでました。観光系サービス開発をしてみたい!観光系の業務や研究してるんです!という学生さんや社会人の方いらしたらぜひお気軽にお声掛けください。

そういえば岩手県立大学卒業生・学生であれば誰でも参加できる同窓生Slack 「IPU Slack」というのもあるのでこちらもぜひどうぞ。

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