見出し画像

東京藝術大学 大学院美術研究科 令和3年度 博士審査展

東京藝術大学美術館で開催、2021年12月10日〜19日。美大の卒業制作展というのはよく聞きますが、大学院の修了制作(?)展というのもあるのですね。初めて知りました。

お目当ては高橋賢悟さんの鋳金作品でした。

動物の頭蓋骨を花で装飾した “flower funeral” シリーズの発展形ということでしょうか。鹿を神獣とする日本美術の伝統もあり、アルミニウムのやや鈍い光を放って鎮座する鹿の像に神々しさを感じますが、頭蓋骨だけという不完全さが ”flower funeral” シリーズの魅力の一つでもあったので、鹿の全身像としたわけを聞いてみたい気もしました。

鹿の角を木の枝に見立てた場合、枝分かれする位置に花が咲いているのは、たぶん不自然なのだと思います。その違和感が、植物の形態の模倣と言い切れない、珊瑚などの海中生物にも見えるような、不思議な魅力を生み出しているようです。

他の展示では、日本の絵巻物・ヨーロッパの祭壇画・中国のやきものなどの復元制作が興味深かったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?