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みんユルクロニクル#3 『夜と音楽』

※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#2 『ギアを入れたのは、誰だ?』

2020年5月14日 木曜日 19:40

Allegro Vivace (アレグロ・ヴィヴァーチェ)"快活に速く"

 この夜、奇跡は二度起こった。

 最初の奇跡はみたけさんに舞い降りた #みんなでユルネバ  の天才的ネーミング。そしてふたつ目が、この広い宇宙の中で、ちーかまさんと出会えた奇跡。

 みたけさんとのやりとりの中で、早急に音楽の専門家が必要だと考え、募集のツイートをしてもらった。だが、一口に音楽関係者と言ってもその職域は多種多様だ。

 ぼくは職業上、様々な職種の人と仕事をする。基本的に映像のディレクターというものは自分では笑えるほどなにも出来ない。映像作品を構成する要素には、それぞれプロフェッショナルがいて、ぼくの仕事は彼らにイメージを伝え、具現化してもらうことに尽きると言ってもいい。
 カメラマンに撮影をお願いし、美術デザイナーにセットを発注し、スタイリストに衣装を揃えてもらう。編集は自分でやることもあるが基本的にはエディターがいるし、照明技師、特機、操演、ヘアメイク、クッキングスタイリスト、振り付け、CG、カラーリストなど、各領域にそれぞれのプロがいる。彼らの力を借りて、借りて、借り倒して、はじめて映像が出来上がるのだ。

 映像に伴う音楽に関しては、少し複雑だ。まず音楽プロダクションのプロデューサーに発注をする。音楽プロデューサーは作曲家やアレンジャーを手配し、ラフと呼ばれる最初のデモが制作される。それを元に打ち合わせを行って方向性を確認した後、ミュージシャンやシンガーに演奏してもらう。レコーディングエンジニアが録音とミキシングを担当し、ようやく音楽が完成する。さらにこの後、MAと呼ばれる音を仕上げる工程で初めて映像に組み込まれることになる。音楽だけでこれだけの人々が絡むのだ。

 このプロセスの、すべての入り口となるのが音楽発注と呼ばれる打ち合わせなのだが、これが本当に難しい。なにしろ、「壁は黄色で」とか「青いワンピースで」のように、明確に指定することが出来ない。音楽だけはすべてをイメージで伝えるしかなく、認識のすれ違いが発生しやすい。

 「明るい感じでテンション高め」とか「ロックっぽく」とか「テンポ速めでだんだん盛り上がるように。ラス前にブレイクが欲しい」「でもセリフを邪魔しないように音数少な目で、知的な感じも担保したい」とかなんとか、毎回、色々と言葉を尽くして説明し、なんとかイメージに近づけていく。
 途中でイメージに近い曲を探して聞かせることもあれば、音楽屋さんの方からサンプルを上げてもらうこともある。イメージサンプルを参考に、ラフのデモを作成してもらい、それを修正し……とにかく、ぼくにとって音楽とはキャッチボールを繰り返し、アジャストにアジャストを重ねて完成するものだった。

 音楽屋さんにとって、ぼくはわりと面倒くさい部類に入るディレクターだと思う。子供の頃から合唱団に入っていて、生半可にではあるが、それなりにずっと音楽に触れてきた。高校は吹奏楽部だったし、大学に入る前にはレコーディングエンジニアを目指していた時期もあり、専門学校にも通っていた。何事においても、こういう、中途半端に齧った奴が一番厄介だ。

 センスはもちろんのこと、コミュニケーションが重要なので、フィーリングや勘所が合い、細かい拘りポイントに付き合ってくれる音楽屋さんの存在は、とても貴重だ。

 ぼくは「映像は七割五分、音」というまあまあ極端な持論を持っている。映像を作る時は見ている人のリズムや体内テンポみたいなものを一番強く意識する。見せたい画を見せているだけで、緩急やカタルシスのない映像は退屈で冗長に感じるし、印象にも残らない。良い映像は、気持ち良いリズムとしても記憶される。知らんけど。
 そのリズムを作るために重要なのは、カット割りのスピードだけでなく、台詞の間、SE、そして音楽だ。音の要素で映像のテンポを作っていくのは、ぼくが一番好きな演出方法だった。
 なにを急にぼくのかんがえたえいぞうりろんを語り出してるんだ、とお思いかも知れないが、なにしろこれはユルネバを歌う企画。音楽の重要性はとてつもなく高い…というより完全に主役なのだ。基本的に映像の編集は楽曲のアレンジに合わせていく作業になる。

 ただし、一方でこの企画は、文字通りみんなで進める企画でなければならないとも思っていた。普段の仕事のようにぼくの意思だけで決めていくことはできない。(普段の仕事でも、ぼくの意思だけ、という言い方にはかなり語弊があるのだが)
 基本的に参加者や制作スタッフ各位の意思や指向を尊重しながら、うまく遠慮しつつ、いい感じに譲り合って進めなくてはいけない、そう思っていた。ボクらとしては、パフォーマーやオーディエンスのグッドなヴァイブスいい感じに感じ、いい波に乗せ、そのフロウをうまいことレゾナンスするようにオーガナイズしてやるパースペクティヴが必要じゃね?と。

 まあとにかく、音楽をやる方にも、そのへんのバランス感覚がある方が来てくれたらありがたいな、とぼんやりと思っていた。

 そこに、ちーかまさんが現れた。それも、思ったよりずっと早く。

 このリプライは、みたけさんの音楽できる人募集のツイートから、わずか15分後に届いている。数日以内に誰か手を上げてくれたら御の字なのかな?とか思ってたところ、15分。ほら奇跡

 ぼくとちーかまさんとは相互フォロー関係にはなかったのだが、リプライの文面を見て、おおっ!と思った。文中には、ぼくらが求めているすべてがあった。まず「音楽関係の仕事をしている者」なのだからまず求めている人材なのは間違いなく、さらには「アレンジ、録音用の音楽制作できます」で、「音源面の事はおまかせください」なのだ。ぼくはこの断定口調に、揺るぎない自信と、プライド、プロフェッショナル根性を感じた。
 ぼくらは仕事を受ける際「出来ると思います」とか言わない。出来るから仕事を受けるのだ。しかも、Twitterアイコンは鍵盤の上にドロンパなのだから、間違いなどあろうはずがないではないか!

 いやいやいや、正直に告白させてもらえば、どんな職種の方なのだろうか?コミュニケーションをうまくとれるのだろうか?という懸念がなかったわけではない。グッドなヴァイブス方面は大丈夫なのか?

 ここで、みたけさんがDMグループを作り、ぼくとちーかまさんを招待した。この後ぼくらが、とてつもなく濃くて長い時間をそこで過ごし、なんなら今だに時々やりとりしている、高校の部室みたいなそのDMグループの名は「みんなでユルネバ」。そのまんまである。

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 ここから、プロジェクトは急速に具体的していくことになる。文字通り、急に、速く。

Accelerando(アッチェレランド) "次第に急速に”

 いきなりではあったが、ぼくはとりあえず、まずはちーかまさんに自分の考えを伝えてしまおうと、挨拶もそこそこに長文のDMを書いた。ものを作る人と話す場合、曖昧に話していても意味がない、という自論もある。以下、多少抜粋しつつ引用。

isomix:
ぼくは音楽的には素人なのですが、映像演出的立ち位置からとりあえず書かせて頂きますね。さきほどみたけさんにはお話したのですが、ユルネバって割とだらだらしがちな曲だと思っています。さらに今回は各自サポーターさんが自宅で歌うことになると思うので、いつもスタジアムで歌うほどは張れないのかな、と。多少音程ずれても、雑でも思いっきり歌うほうが東京っぽいのでは?
ただ、そうなるとバラバラにはなるので、なにか伴奏が入った方が良いのでは、と思っています。そうすると楽器で参加していただくこともできますし。もちろん、味スタの再現的な話もアリだとは思うので、このへんはご意見伺えれば、と思います。
歌いやすいキーとかはぼくはよくわからないのでお任せします!基本的にサポーターが気持ちよく、テンション高く、楽しく参加できるようなアレンジになるといいな、と思います。その意味で基本的にサポーターが歌いなれてるテンポが良いとは思うのですが、盛り上がる、という意味では、スカパラ式の、緩→急というアレンジとかもアリだと思っています。
いかがでしょうか。
2020年5月14日 午後8:32

 いま、引用のために読み返してみたが、初対面でいきなりこれを送りつけて来るのはだいぶ失礼なやつである。この手前には、よろしくお願いしますぐらいの軽い挨拶があっただけだ。無礼者、なんなら嫌なやつ、と言ってもいいだろう。しかし、ちーかまさんからは、そんなことまったく意に介さない返事がくる。

ちーかま:
緩→急ですね、承知です!
ちなみに動画のトータル尺はどれくらいの予定でしょうか?
観やすさを考えると…3分前後でしょうか?
2020年5月14日 午後8:38
isomix:
あ、ごめんなさい、緩→急はジャストアイデアです!家でどうしたらテンション上がるかなって考えた時に。そうしましょう!というほどでもなく。。
基本緩の味スタ尺で構成して、最後ちょっとだけ急のダンス部分が付いて盛り上がって終わると締まるかな、と。
音楽尺はそうですね。3分以内にしたいですね。
イントロ→コーラスまで入って2分40秒ぐらいで、前後に歌以外の部分がついて3分になる感じでしょうか。
2020年5月14日 午後8:49

 かなり勢いに押されていることが文字面から伝わってくる。これに対しちーかまさんからの返事は、以下の通りだった。

ちーかま:
承知です。
緩→急をベースにアレンジのラフを数パターン作ってみます!数時間後には上がると思うので、少々お待ち下さい。
2020年5月14日 午後9:02

 これが、すべてのやりとりである。
 おわかりいただけるだろうか?最初にぼくがメッセージを送ってから、わずか30分。たったの2往復しかやりとりをしていない。なのに、ちーかまさんはラフをつくると言っている。今まで音楽の発注に四苦八苦してきたぼくには、到底信じられない。失礼ながら、この時点では大丈夫だろうか?と思っていたし、どうなるか半信半疑だった。

みたけ:
よろしくお願いします。
つい数時間にツイートしてからの急展開…。
永井より、はやいんじゃないか?と驚いていますw
2020年5月14日 午後9:32

 そうこうDMでやりとりしている間にも、Twitter上での盛り上がりが伝わってきた。ぼくは完全に把握できていなかったが、みたけさんの個人アカウントでは公式に参加者募集のツイートが為され、それにともなった一種の祭りのような状態が始まっていた。

 最初期は参加表明の窓口をみたけさんの個人アカウントにしていたため、みたけさんのスマホは、いわゆる「通知が鳴り止まない」状態だったらしい。たくさんの人が熱い参加表明のツイートをしてくれる中、ここでひとり、序盤の重要人物が登場する。

 東京サポーターにはおなじみ、超絶技巧派シンガーKIMIKAさんである。

 この時点では、おそらく歌い手の一人として参加を表明していただいたのだろう。しかし、彼女はこのあとの無茶振りにより、重大な役目を果たしてもらうことになる。

 盛り上がりを横目にみながら、ぼくはほっこりチルい気分になっていた。今日は自転車で遠出をしてほどよく疲れて、もう風呂にも入っている。考えることは考えた。とりあえずいますぐに出来そうなことはもうない。明日、音楽ラフが上がったところで、プランを考えて…まあ、どんなラフかにもよるかなあ、などとある程度の達成感を味わいながらビールを開け、タワマンから夜の街を睥睨するエグゼクティブよろしく、のんびりとTwitterの盛り上がりを見ていた。

 タイムラインを見る限り、この急展開を面白がってくれている方がたくさんいるみたいだった。そう、みたけさんの最初のツイートからまだ数時間しか経っていないのに、もう具体的に募集が始まろうとしているのだ。

 このスピード感なのだな、と思った。

 このプロジェクトを成功に導くには、とにかくみんなのテンションが高いうちに一気に突っ走ることだ。明日から、この熱気、このスピードをキープし続けなければならない。そう思っていたところに、一通のメッセージが届いた。

 結果的に言えば、そのスピード感どころじゃなかったのだ。

 もっと全然速かった。

ちーかま:
お待たせしました!アレンジ3パターンできました。
ここは動画か画像かGIFしか送れないようなので、お手数ですが下記URLにアップロードしたのでアクセスorダウンロードをお願いできますでしょうか?よろしくお願いします!
2020年5月14日 午後11:01

 目が点になった。
 時間は午後11時1分。
 ちーかまさんが最後のメッセージをくれたのが午後9時2分。
 2時間1分しか経っていない。

 ちょ待てって。

 こんなことは仕事だったら絶対にありえない。発注時に、一週間後にデモを、と言ったら嫌な顔をする音楽プロデューサーだって少なくないはずだ。それが2時間。しかも恐るべきことに、デモは1つではなく、3タイプとある。

正直、イカレてる。そう思った。

 ストレージからzipをダウンロードし、ラフを聞き終わったぼくは声をあげて笑ってしまった。そして、酔いが覚めた。ビールを開けた時に感じたある程度の達成感など、どこかに消し飛んでしまった。こりゃ気合いを入れ直さないとダメだ、と思った。ぼくの考えていたスピード感じゃとてもじゃないけど遅すぎる。なにがほっこりだ!なにがヴァイブスだ!この人はガチだ!置いてかれるぞ!

 プロジェクトに対しての態度を改めなければ。玄人面して上から監修して、みたいなナメた態度ではちーかまさんと渡り合うことはできない。いや、別に戦うわけではないのだが、プロの音楽家が、今、尊敬に値する仕事をしたのだ。こちらもプロの映像演出家として向き合うしかないではないか。演出家としての沽券にかけて、思ったこと、言いたいことは全部伝えなければ、と思った。うまく遠慮しつつ、いい感じに譲り合って、など、このデモを上げてくる人に対し、失礼以外のなんでもない。仕事と同じ、いやそれ以上の態度で望まないと話にならない。全工程の中で、一番アドレナリンが上がったのは、この瞬間かもしれない。

 今回、このnoteを書くに当たって、ちーかまさんからこの時のファーストデモを公開する許可を特別にいただいた。あの時ぼくが感じた、「これ2時間で上げてきちゃう人と仕事できるんだぜ?これ聞かされて本気にならないのはプロじゃねえ」感を共有していただければ、と思う。
 それと同時に、本篇とは別バージョンのアレンジをぜひ聴き比べてみてください。最終的には①の前半と③の後半を組み合わせたものが採用となるのですが、どれも本当に魅力的だったのです!②の後半のゴスペルっぽいかんじ、本当に捨て難かった!


Prestissi"si"mo(プレスティシッシモ) "極限を超えて速く"**

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 素晴らしいデモと同時に、様々なアイデアが、ちーかまさんからもたらされていた。ぼくとみたけさんは圧倒されかけていた。

みたけ:
ちーかまさん、お仕事早い!
今、3曲とも確認しました。
すでに感動していますw
自分は、どれも素晴らしいと思うので、あとは映像とのマッチングも含めてお二人のご意見で。
参加者の中には、楽器で参加したいという方もいらしたので、その辺は先に合わせていただき、原曲を仕上げていく形がよろしいでしょうか?
2020年5月14日 午後11:24
isomix:
ありがとうございますー!
めっちゃ良いーー!!
しかも3アレンジも。。感服いたしました。。
すげーっす!!
個人的には①タイプのイントロのめっちゃエモい感じで震えました!
ものすごい勝手言わせて頂くと、イントロまんまで、0:21の駆け上がりの後ブレイク作ってもらい、その後歌始まる、みたいにしたら素敵だな、と思いました。
で、欲張りですが③のエンディングも素晴らしいので、後半はどこかで③に繋げられたりしたらどうかな、と思ってしまいました。
やっぱり湿っぽくなく、お祭りっぽく終わった方が東京らしい気がするので。。③の急部分はリズム隊とか入ってきてバンドっぽいアレンジで元気に終わったら良いかな、と思いました。音楽的に成立するかとか全然考えず、で大変恐縮なのですが、いかがでしょう?
好き勝手書いちゃいましたが、本当に素晴らしいと思っています!ありがとうございます!
2020年5月14日 午後11:39

 普段絶対に使わないことにしている、エモいという言葉を使ったのは、最大級の賛辞だった。具体的なデモが上がったことで、一気にやりとりが活性化された。日が変わり、深夜にもかかわらず、ここから矢継ぎ早にDMが乱れ飛ぶ。

2020年5月15日 0:00

ちーかま:
ご確認頂きありがとうございます!
①のイントロ~前半から③につながるよう修正してみます!こちらも少々お待ちください。
2020年5月15日 午前0:09
isomix:
ありがとうございます!
最終的にサポーターの皆さんに配布するガイドバージョンは、
イントロカットして歌始まりスタートにしてもらい、ド頭にドンカマ入れてもらえると歌いやすかと思います!
お手数おかけします!
2020年5月15日 午前0:18
ちーかま:
そうですね!承知です。
ガイドバージョンなのですが、シンセメロだと歌詞の当て方などでずれが生じると思われるので、できれば仮歌をKIMIKAさんにお願いすることは可能でしょうか?
(私が歌ってもよいのですが、、ちょっと下手でして、、、仮歌の役割を果たせない可能性がでかいです、KIMIKAさんNGでしたら私が仮歌いれます!汗)
ガイドバージョンが完成したらyoutubeにアップ、サポさん各自録音してもらい音データを集める→ミックス、という流れでしょうか。ミックスも自分請け負いますので!
2020年5月15日 午前0:23

 えっ!KIMIKAさんに仮歌歌わせるつもり!?それ贅沢すぎない?あっ!ちーかまさんミキシングまでやってくれるんだ!それありがたい!
 テンションが上がってるのはぼくだけでなく、みたけさんも同じだった。

みたけ:
KIMIKAさんに聞いてみますね!
2020年5月15日 午前0:23

 わっ!マジで頼んでるし!しかもカジュアルに!

ちーかま:
また歌参加と楽器参加は同時進行でよいと思います!
楽器参加の方用に楽譜も作成しますので、youtubeにガイドをアップする時に楽譜も同時配布できればと思います。
2020年5月15日 午前0:23

 おー!スコアがあれば、楽器パートのクオリティめちゃくちゃ上がる!

みたけ:
KIMIKAさんから、ガイドボーカルの件、OKがいただけました!
2020年5月15日 午前0:45

 うっそ!マジで!?KIMIKAさん仮歌歌ってくれんの!?めっちゃカジュアルにOKが!

 もう理解していた。このプロジェクトのスピード感は、これだ。完全に、ギアを入れたのはちーかまさんだった。ここから振り落とされないようにしなくては、と思った。そして…

ちーかま:
こちら、修正してみたバージョンです。①から始まって③で終わる感じになっています。尺の都合上、テンポチェンジしてからの繰り返しはサビ1コーラスのみになりました。
いかがでしょうか?
2020年5月15日 午前0:49

 ぼくのフィードバックから1時間10分後のことだ。
 でも、もう驚かない。

 これが、そのセカンドデモである。

 聞いていただければおわかりのように、この時点でほぼアレンジと構成の原型が完成している。つまり、この時点で、ちーかまさんはパーフェクトだった、ということだ。ぼくが常日頃苦心している、音楽制作に関する見方が、この夜変わった

 声を大にして言いたいのは、こんな人、鐘や太鼓で街中探したってそのへん歩いていないんだぞ!ということである。本当に奇跡なんだって!

isomix:
確認遅れて申し訳ありません。。
すげー良いと思いました!
この尺で配布用のガイドムービー作ってみます。
で、KIMIKAさんから仮歌来たところで差し替えますね。
後半のアレンジ、どうすると良いですかね?
アイデアお伺いしたいです!
2020年5月15日 午前1:29
ちーかま:
アレンジですが、しっとり始まって1回目のサビあたりからは壮大なフルオケにしちゃおうと思っています笑
テンポチェンジからの後半は踊れる感じですよね。(スカにするのもありですかね)
また、楽器参加して頂ける方がいれば前半にソロで聴こえる部分も作ろうと思っています!
2020年5月15日 午前1:59

 これが、この夜の最後のやりとりになった。
 濃すぎる、ハイテンションな一日が終わろうとしていたが、それでも、ぼくは眠ることができなかった。このスピード感を絶対に殺してはならない。強くそう思っていた。熱くなってくれている参加希望者をできるだけ巻き込みながら一気に駆け抜けるためには、今日という日にすべてがかかっている。そのための筋道を必死で考えていた。

 楽曲が既に出来上がっている、という強さたるや。このアレンジで東京サポーターが歌う映像を、ぼくは純粋に見てみたいと思った。これを生かすも殺すも筋書き次第。「曲はいいけど人が集まりませんでした」「人は集まったけど出来はイマイチでした」などと、おめおめ引き下がることなど出来ようはずがない。

 ぼくはここからどう転がしていくかを、結局一晩中考えていた。筋道をまとめ、二人に向けてようやく長文のDMを送れたのは、朝、5時26分のことだった。寝てない自慢をするようで恥ずかしいけど。

  みんユル公開までは、あと20日。
  そして、ぼくは、一旦寝た。


【#3 おわり】


 書いても書いても、もはや終わらないのではないかと不安になった、長い長い最初の一日がついに終わりました。お話は次回、みんユルクロニクル#4『世界の中心でぼくらを支えたけもの』へと。RPGのように仲間が増えて行きますよ!


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