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【エフェクターレビュー】BOSS DD-6 Digital Delay ~汎用性と変態性の狭間で~

こんにちは。「変人ぶりたい常識人」と思い込んでるけど周りに変人と思われているいそかわです。

今回は初めてのエフェクターレビューです。「やっぱり最初は自分の大好きなペダルについて紹介したい」ということで、私の大好きなペダル、BOSS DD-6を紹介させていただきます。

「どれくらいDD-6のこと好き?」とかアツアツカップルの彼女みたいなことを聞いてくる人のためにどれくらい好きか言っておきます。

バンドの宣伝用にDD-6をモチーフにしたデジタルアートを作ったり、オリジナルのDD-6だけでなくANALOG.MANのMod.品にも手を出したくらいです。

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↑私がギターを務めるバンド・ヨンフィクションの商品開発用のデジタルアート。

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↑残業しすぎて機材厨特有の「あぶく銭(残業代)を機材に回したらストレス0なのでは…?」発想でモディファイ品を購入(左側のペダル)。モディファイのほうも後日レビューします。これも素晴らしい…

いきなりこんなに熱く語ってますが「なんだよ普通のディレイかよ」って思われるかもしれません。しかしですね、この曲を聴いていただきましょう…

松田優作ばりの「なんじゃこりゃぁあ!!!」ですよね。のっけからいきなりマシンガンみたいな「ダダダダダダダダ」みたいな音が出てるんですよ。これを実はDD-6で作れるんです。

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↑Bloc Partyのギタリスト・Russell Lissackのペダルボード。DD-6らしきペダルが何台もある。しかもメモリーマンとかRE-20などのディレイペダルも入ってる。こりゃあとんでもねぇディレイ沼にハマってますね…

いきなり機材オタク特有の早口をキメてしまったので、一旦先ほどの「ダダダダダダダダ」の前に普通のディレイとしての性能を紹介させていただきます。

普通のディレイペダルとしてのDD-6

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ツマミは4つで、左から「E.LEVEL(ディレイ音の大きさ)」「F.BACK(フィードバック)」「D.TIME(ディレイタイム)」「MODE」です。MODE以外は一般的なディレイペダルについてるツマミですよね。

↑DD-6の普通のディレイペダルとしてのレビュー。DD-6の変態性については一切触れられておらず大変残念…

※2021/4/13追記:なんとこの記事を書いた数週間後にLimetoneAudioのサウンドデザイナー・今西勇仁さんがDDシリーズについてYouTubeでレビューをしております。こちらも分かりやすいので見てみてください。

音についてはBOSSのディレイあるあるでディレイ音がちょっと曇っていくかなって印象です。これくらい曇ってくれた方がディレイをきつめにかけても原音とぶつからなくていいですよね。

あとは地味にタップテンポにも対応しているので自分の好きなリズムでディレイタイムを設定できます(スイッチ長押しでタップテンポモードに切り替え可能)。さらに、MODEツマミでディレイテンポが設定できるので、みんな大好き付点8分ディレイもお手の物です。これで高嶺の花子さんのイントロが弾けるね!やったね!!

ディレイとしての評価は「BOSS特有のちょっとハイカットされるデジタルディレイ」だけで終わってしまうのですが、本当のレビューはここからです…(本当に書きたいことを書くまでに1,200字もかけてしまう学生時代国語できなかったマンの末路)

DD-6でできる演奏方法について紹介していきます。

変態ペダルとしてのDD-6

↑DD-6の変態ペダルとしてのレビュー。DD-6のレビューはなぜか「普通のディレイ」としてのレビューもしくは「変態ペダル」としてのレビューのどっちかに偏ってる。

まずは、BOSSがモードとしてつけている「WARP」モードです。WARPモードのときはペダルを踏んでいる間はずっとフィードバックが強制MAXです。まるでタイムマシンに乗った気分。のび太くんになれます。

そして、ここからが裏ワザ的な使い方なのですが、グリッチペダルとしても使えるのです。冒頭に紹介した「ダダダダダダダダ」はDD-6の裏ワザを使っていたのですね。

グリッチって最近キテますよね。Radiohead大好きtkogのMINI GLITCHとか、変な音を出すペダルしか作れないMASFペダルとかからも出てます。あと個人的にはSunfish Audioの「Ikigai」に入ってるランダムサンプラー(グリッチ)はめっちゃ感動した。

↑Sunfish Audio公式のIkigai紹介動画。「今はもう思い出せない記憶に沈んだ音を思い出し、サウンドにきらめきを与えるエフェクターです。」という紹介文が美しすぎて大好き。ちなみに御茶ノ水のイシバシ楽器でIkigaiを試奏したら店員さんに「Ikigaiを試奏した人を初めて見た」って言われました。

じゃあどうやって「ダダダダダダダダ」って音を出すかというと、HOLDモードというルーパー機能を使うんです。一般的なルーパーはペダルを踏んで録音開始→もう一回ペダルを踏んで録音終了&再生かと思いますが、このDD-6はペダルを踏み続けている間だけ録音して離した瞬間に再生が始まるんですよ。正直ルーパーとしては不便な仕様なのですが、この仕様のおかげで一瞬だけDD-6を踏むとグリッチみたいに一瞬だけ音を切り取ってくれて「ダダダダダダダダ」ってやってくれるわけです。

最後に

好きなペダルすぎて気の赴くままに書き連ねたのですが、正直どっちの性能もちょうどいいんですよ。どっちかに振り切れてるわけじゃなくて、どっちも欲しい人におすすめできる。

やっぱり変な音がするペダルってロマン感じるけど結局汎用性が無くて使いこなせなくて使わなくなるじゃないですか。私も過去↓みたいなペダルを何個も買って後悔してきたんですよね。

↑Hologramという変な音しか出せないペダルを作っているメーカーのInfinite Jets。私には到底使いこなせなかった。でもグリッチサウンドはめっちゃ良かった。

DD-6って変な音も出せるけど普通のディレイとしても使えるじゃないですか。つまり、変な音がほしいっていうロマンでDD-6を買ってしまって「使いこなせねー」ってなっても普通のディレイとして使えるんですよ。変な音しか出せない何万もするペダルを買って後悔するよりよっぽど良い。だってDD-6ってメルカリとかヤフオクで8,000円くらいで買えるんですよ。

BOSSの最新ディレイペダルDD-8にDD-6でできたWARPモードやグリッチがついているというのはそれだけDD-6の変態性にBOSSが意義を見出したということだと思ってます。WARPモードやグリッチはDD-7で一回削られた機能ですからね…

とにかく、

・ディレイが好きな人

・DD-8が欲しいけど高くて手が出せない人

・変な音が出るペダルが欲しいけど使いこなせる自信がない人←特におすすめ

は絶対買った方がいいです。後悔させません。

ということでいきなり大好きなペダルの紹介でした。最後にヨンフィクションの曲でDD-6が使われているものを紹介して終わります。(イントロのキーボードにDD-6がかかっています)


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