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日本人の食事摂取基準(2025年版)案 その4(策定の基本的事項)


今回は日本人の食事摂取基準(2025年版)案の8〜13ページの6ページ分です。

「2 策定の基本的事項」の続きです。


2-2 レビューの方法

ここではどんな方法で学術論文や学術資料を調べたのかが記載されています。2020年版で課題となっていた部分を特に重点的にレビューを行ったようです。
しかし、ここの記述の中で
●システマティック・レビューの手法を用いて、、、
●PICO形式を用いて、、、
●通常のメタ・アナリシスより量・反応関係メタ・アナリシス(dose-response meta-analysis)から得られる情報の利用価値が高い。

などよく分かんないカタカナや英語がたくさん出てきます。正直、2〜3年前の自分はよく分かっていなかったです(今も本当に理解できているのか不安。どうせ今も理解できていないのだろう)。

2〜3年前の自分自身に向けて、簡単に用語の説明をしたいと思います。(間違っているかもしれないので、必ずご自身でも調べてください。)

●システマティック・レビュー…
明らかにしたいリサーチクエスチョンについて、あらかじめ決めたルールに従い文献を検索して系統的に抽出し、一つ一つの文献についてについてその確からしさを評価し、総合的にそのリサーチクエスチョンに対する現時点における結論を示すこと。系統的レビューともいいます。
●PICO…
リサーチクエスチョンを定式化する方法であり、Patient(患者)、Intervention(介入)、Comparison(比較対照)、Outcome(結果)の略です。どんな患者(人)に、どんな介入をすると、何と比較して、どんな結果になるかという問いを作成することができます。
●メタ・アナリシス…
システマティック・レビューを行い、結果を定量的に出したものがメタ・アナリシスだと、個人的に解釈しています。
●量・反応関係メタ・アナリシス…
メタ・アナリシスの中でも、
横軸に栄養素Xの摂取量
縦軸に疾患Aのリスクをとって、
栄養素Xをどれくらい摂取すると疾患Aになるリスクがどれくらい下がるか(上がるか)分かるようにしたもの。
参考に↓(炭水化物の章の参考文献26の論文中にある図です。)

量・反応関係メタ・アナリシスの図
横軸の栄養素は食物繊維
縦軸の疾患は2型糖尿病

Carbohydrate quality and human health: a series of systematic reviews and meta-analyses

引用元

量・反応関係メタ・アナリシスの説明できてなさすぎて、、、笑
私には、この程度の知識しかないということです。よろしくお願いします。

何が調べられ採用されたのかは、参考文献を見ると分かります。
しかし、実際に調べたのは参考文献より、はるかに多い量の論文等を見ているのだろうなぁ。
調べてくれた方々から本当にご苦労様です。ありがとうございます。

そして、食事摂取基準は「定性的」ではなく「定量的」なガイドラインです。
食物繊維で例えると
●定性的・・・食物繊維は多く摂った方が良い
●定量的・・・食物繊維は1日に25g摂った方が良い
と定量的なものは具体的な数値が出てきます。
その分、策定するのがとても難しいんだろうなと思います。

あと、表1の「目標量の算定に付したエビデンスレベル」なんやけど、たんぱく質が2020年版ではD1だったのに、今回はD2になっているのはなぜ?何か変わったの?たんぱく質の章を読む時に意識してみようと思います。

エネルギー産生栄養素で1番エビデンスレベルが高いのは飽和脂肪酸。脂質より飽和脂肪酸が高いのは脂質の目標量の成り立ちから考えたら納得。
たんぱく質、脂質、炭水化物はその質(構成成分)によるところもあるから難しいのか?
今回、策定はされてないけど糖類がこの中に入るなら、D1レベルくらいなんかな?知らんけど。

2-3 指標及び基準改定の採択方針

推定平均必要量では「身体的エンドポイント(生体指標の変動及び臨床的アウトカ ムを含む)を変更した場合には、その根拠に基づき推定平均必要量の値を変更する」とあります。

何故この数値になったのか。
こういった背景を理解して、活用する必要があるかと思います。栄養素ひとつひとつで異なる為、大変ではありますが、理解することでどれくらい気をつける必要があるか、現在の摂取状況だとどの栄養素を優先的に気をつければよいか考えることが出来るようになるのではないかと思います。

2-4 年齢区分

年齢区分は2020年版から変わっていないようです。

乳児については、エネルギーとたんぱく質以外の栄養素でも詳細な月齢区分についてレビューされたようですが、信頼度の高い新たな知見が得られなかったため、今後の課題とされました。

また、高齢者は2020年版から年齢区分が前期高齢者と後期高齢者に分かれたのですが、栄養素によっては各年齢区分のエビデンスが必ずしも十分ではない点に留意する必要があります。

2-5 参照体位

参照体位は、基本的に直近のデータが代表値として算定されます。
しかし、この参照体位は決して理想的な体位ではありません。

2010年版まで「基準体位」と記載されていましたが、望ましい体位ではなく、あくまでも日本人の平均的な体位ということで「参照体位」という言葉に変更になりました。

この章でとても興味深いのは、「現時点では、性別及び年齢区分ごとの標準値となり得る理想の体位が不明なこと」という1文。
これだけ生体指標で必要な栄養素量を推定したり、疾患と栄養素の関係を明らかにしたり、宇宙に旅行に行けたりするのに、理想の体位(身長・体重)はまだ分かっていない。
1番簡単そうなのに。
1番簡単そうだからこそ、とても奥が深いんだろうなぁ。

あと。男性が20代から30〜40代になる際に一気に体重が増えてて、心当たりがありすぎる。

●お疲れさまでした〜

書くの4回目にして報告書案のページ全部を貼り付けるのをやめました。全部のページ貼り付けるのは難しいなと判断しました。
個人的に大切だと思う部分だけ画像を貼り付けます。

まぁ、ぼちぼちいきましょう。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(案)

厚生労働省ホームページ

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