見出し画像

しゅわしゅわドラマ「無脳シリーズ」第二話 〜マッチ〜

3秒で書いて3秒で読めると評判の無脳シリーズ。2回目。ちなみに私の使っているシャンプーはボタニストの黒です。


今日誘った女が俺の家に来ていたら、また違った夜になっていただろう。
深夜2時、卒論の続きを書かない言い訳を探し続けてこの時間までスマホを眺めていた。外は凶器だ。ナイフのような寒風が吹き荒れている。今日誘った女にタバコを買いに行かせるつもりだったから、俺は今から卒論をやらない理由と一緒に、ナイフの中に飛び込まなきゃならない。
長めのシケモクを探し終え、ミルクを一口飲んだら、着替える。一人は余計寒い。今はまだ、一人、の範疇だが、もうそろそろ俺は、孤独、になる。だから明日の飲み会は2次会まで行く。人と話すにはタバコがいる。
真っ黒のソファーから、視点を変えれば、何事も、コロッとうまく行ったりするもんだ。そういうもんだ。ズボンは、ヒョウ柄。コーデュロイの、ワイドパンツ。上は極暖と、シャツを2枚。アウターにファー付きのモッズコート。黒。いい。今日来る予定だった女にも見せてやりたい。お前は馬鹿なことをしたと。一通り睨んだ後に、抱き寄せフレンチキスをしたい。そんなことを考えながら、一人タバコを買いに行く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?