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磯森照美のエッセイ集

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投稿したエッセイをまとめています。
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#ライブ

エッセイ | 世界は誰のもの?

今年になって渋谷に来るのは4回目だ。1回目はライブ。2回目もライブ。3回目はコーヒーを買いに。そして4回目もライブだ。 今回行ったライブは a flood of circle(ア フラッド オブ サークル)の『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』だ。ニューシングルの「ゴールド・ディガーズ」のリリースツアー最終日にあたる。前日には今作のプロデュースを務めたホリエアツシが率いるストレイテナーとの対バンも行われていた。 この日の会場はSHIBUYA CLUB QUAT

エッセイ | 昇格

自分の家で部屋着を着て過ごすことは誰もが行っていることだと思っている。私もそうやって過ごしてきた。 中学生や高校生時代は学校指定のジャージや、部活のジャージを着て過ごしており、ちょっとそこまでといった感じで外に出ると、近所の人には私がどこの学校に通っているのかがすぐにバレてしまっていた。 大学生になると部屋着はスウェットに変わった。学校指定のジャージはなかったため、動きやすい服装といえば締め付けの少ないスウェットになる。 大学生の頃は家で過ごす時間が長かったため、スウェ

エッセイ | ひかりに導かれ、ひさしぶりの初恋

私が高校生の頃は音楽系サブスクリプションなんてまだなかったため、自分でCDを買うか、友だちから借りたCDを音楽プレイヤーに取り込んでいた。通っていた高校はアルバイトを禁止していたため、毎月もらうお小遣いをやりくりしてCDのレンタルを利用していた。 最近ではTSUTAYAがレンタル事業をしている一部店舗の撤退を発表したが、それほどまでにサブスクリプションが充実してしまったことが原因となっている。高校生の私が聞いたら膝から崩れ落ちていただろう。 高校生の私が好きだったのは斉藤

エッセイ | 行きたいくない

私は「行きたくないけれど行きたい」ということがよくある。「行きたいけれど行きたくない」とは少しだけ違う。最近もこの衝動に悩まされたのだ。 コロナの影響で2020年頃からライブはどんどん減っていったが、最近はその時期を取り戻すような勢いでライブが開催されている。うれしい限りだ。 私はあまりライブに行かないのだが、行きたくないわけではないのだ。行ける日程に好きなアーティストのライブが開催されないだけなのだ。 ライブが開催される会場と日時、そして私の都合といった全条件が合致し