200131YT_Nekoサムネ

実録!ギターソロを作る - Part 1 - 【事前準備から完成までの考え方】



皆さん、こんにちは!

ギタリストのイツキです。


今回は「ギターソロ」の作り方の一例をお見せできたらと思いましたので、先月にTwitterで開催された #ネコハッカーソロコンテスト へ参加させていただいた時の実際のフレーズをどのように作成したのか書き記していきます。


・ペンタトニックを順番になぞるだけの演奏になってしまう

・ソロを作る際のポイントが知りたい   etc.


このようなことを感じている方にとっては有益なシリーズとなります。


それでは、早速いってみましょう!




【参考とするソロ演奏の紹介や動画リンク】


・ソロを演奏させていただいた楽曲

「Chocolate Adventure feat. ななひら」/Neko Hacker 様


・実際の演奏動画(Twitter)


・YouTube版


冒頭にて少し説明したとおり、Neko Hacker様主催の「ネコハッカーソロコンテスト」へ参加した際の動画のフレーズについて解説していきます。

以降の解説を読む前に原曲や私の動画を確認しておくと理解度が高まると思いますので、ぜひ一聴していただくことをお勧めいたします。




【1:楽曲の確認をしよう】


まずは、楽曲の確認です。

ソロの部分のみではなく全体を聴くことで楽曲の雰囲気を把握します。


今回の企画は「ソロのコピー」が主題となっているわけではないので、ギターソロの部分については集中して聴きすぎないようにしました。

これは原曲のソロに自身の演奏が引っ張られるのを防ぐためです。

(原曲のソロは後のお楽しみとしてとっておきました!笑)


原曲フレーズのエッセンスを取り入れる場合もあるのでケースバイケースですが、今回は「原曲とは違う様々なソロ」を主催者様は見たいのでは?と考え”完全オリジナル”の方向で行くことにしました!




今回の企画ではソロ部分のバッキングの2ミックスが配布されたので、そのオケをバックにソロを演奏していくという形でした。

ですので、お次はソロ部分のコードを確認し分析します。


使用コードはもちろんですが、


・キー

・小節数

・2ミックス内の各トラックのフレーズやリズム的特徴   etc.


この辺りも耳で聴いてざっくり把握します。

私は五線紙に簡易的な譜面とメモを書いてソロ構築時の参考にしました!




【2:コンセプトを決定しよう】


楽曲の確認もしたので、続いてはコンセプトを決めることにしました。


まずどんなスタイルのソロにするか考えたのですが、


・主催者様のTwitterやYouTubeチャンネルで「Kawaii Future Rock」というワードを目にした

・この企画がハイテクニックの応酬になると予想した

・自身のある程度得意なジャンルで楽しくやりたかった(笑)


以上を踏まえて、”比較的オーソドックスなロック系ソロ”にすることにしました。

このような企画では競合を減らす意味でも「他人とあまり被らない」のは重要ですし(そもそも私では皆さんの超絶テクに敵わない笑)、自身の得意な部分を発揮したかった......というのがこのコンセプトにした理由です。


ただ、これだけだとつまらないかなと思ったので調性外の音(意外な音使い)も使うことにしました。

そして原曲の雰囲気のアニソンっぽさも考慮して、


・基本は得意なロック系フレーズ

・(個人的)アニソン風フレーズの導入

・調性外の音で意外性を狙う


これでコンセプトは決定です!




【幕間:ソロ演奏で意識したこと】


次はここまでの下準備をもとに実際にレコーディングするのですが、その前に私が個人的に演奏しているとき意識した点についてお話しします。


・起承転結をしっかり付ける

演奏には「流れ」がありますので、いきなり弾きまくったり終わりが中途半端にならないようにしたり、音数etc.で緩急を付けたり......というようなことを考えていました。


・ネックを幅広く使う

左手がネックの同じ位置にずっと留まらないように意識することで、低音から高音まで様々な高さの音を使えます(演奏時の見栄えも良くなります!)。


他には、自分が出したいニュアンスやリズムをしっかり表現することも大切です。

全てのフレーズに意味を持たせることができれば「いい演奏」だと言えると思いますので、そこを目指して一緒に精進していきましょう!!




【3:レコーディング!】


いよいよレコーディングです。

ちなみに......


今回動画化しているソロは、「アドリブ8割:書きソロ(事前に決め打ちした部分)2割」の構成となっています。

最後の3小節(ソロの結び)を上手くまとめるために、そこだけはどんなフレーズを弾くか事前に考えておきました。

他の部分はアドリブですが、一応「ここはこんな雰囲気にしたいな」というアイデアは前もってメモしてありました。




ーレコーディング開始ー


一発目に弾いたソロの時点で完成系とあまり変わらない感じだったのでフレーズの方向性的には満足でしたが、試しにギターを替えてもう一度。

二発目で動画の状態と同じフレーズが完成したので、同じギターで再度録ります。

三発目を弾いてRec.終了。このテイクを採用するのですが、どうしても看過できない箇所があったのでそこだけ二発目のテイクをくっつけました。


余談ですが、私は自分でレコーディングする際は「同じ箇所を録るのは3回まで」とルールを決めています(パンチインも含めて)。

このような制限を設けて作業することで、適度なプレッシャー時間短縮の効果を狙っています。


ーレコーディング終了ー


準備の時間の方が長かったです(笑)

というより、準備をしっかりすれば時間が掛からないってわけですね。


あとは、ギタートラックにリバーブを掛けたり音色を少し整えたりして完成です。

お疲れ様でした〜!


※今回はソロ構築の方法論がテーマですので、音色のエディットやミックスの細かい内容については触れません




【こぼれ話:ソロの音源完成までに掛かった時間は......】


ー実働時間の内訳ー


・楽曲の確認(分析込み):15分

・コンセプトの決定:5分

・レコーディング(音色決めetc.含む):10分

・録音したトラックの処理(書き出しまで):10分   計:40分


ざっくりですがこんな感じでした!

今回はお茶を挟みつつ(笑)まったり作業したので、休憩込みで50分〜1時間くらいになりました。


別日におこなった動画撮影と編集、YouTube用のサムネイル作成まで入れれば合計作業時間は2時間〜2時間30分です。




【Part 2 からは奏法やフレーズの紹介!】


いかがだったでしょうか?


今回は作業の概要を書き連ねた記事となりました。

記事の内容はあくまで私個人の場合ですので、実践できそうな部分があれば参考にしてみてください。




楽曲分析やコンセプト決めetc.の「下準備の時間」は非常に重要です。

途中で書いた”フレーズに意味を持たせる”ためにも、思考を止めずしっかりとした準備をもって演奏に臨みましょう


音楽は「言語」なので、会話と同じように頭を使って話すことが望ましいのです。




さて、次回からは奏法やフレーズの解説を予定しています。

いよいよ理論的な話が登場しますので、そちらに期待されている方はもう少しお待ちください。


それでは、ここまでお読みくださってありがとうございました!




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