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Log_2023.12 Part.1

・まえがき

 言葉は穴の開いた砂袋のようなもので、届けるころには大事なものまで巻き込んで削ぎ落されて軽くなってしまう。だからこそ、思いたったときに言葉に残しておくべきだ。

 そうとは分かっていながらもなかなか言葉に出来ず、重たい出来事はどんどん上流から流れてくるから穴だけが広がり続けて「書けない」状態になってしまった前の月からなにひとつ状況が変わらなかった、そんなひと月。

 書けない原因は言わずもがな、この一か月広がり続けた穴のせい。
 この穴が広がり切るのを待って書き始めることにしたから、鮮度はだいぶ落ちてしまったけれど、間違いなくかけがえのない気持ちを得たこの月のことは、残さないと。そう思い、体感5トン以上の重さを帯びた両手をキーボードに手をかけることにした。

・12/2 at 白金高輪

セレネ専用の乗り物

 初週、北海道の女性がいい感じに来てくれたしメンツも良いし、青セカも観れるし、というお気持ちで久々に大きめ対バン2連続、その1回目。

 目当て以外ではselfishとyosugalaが普通に楽しかった。同じ事務所の曲しか聞かないから「良い」ことを忘れちゃうのよくない。「Sparkle」、翌日も聴いたけど手を挙げてワイワイできるのでよき。行く時はお願いします。

 そんなこんなで感情破壊ゾーンに。
 「ハイライト・トワイライト」で出した汗をイントロですっと引かせる「ごめん、好きになって」、この心の治安に悪いゆりかごに乗るのも片手に数えるほどになったんだなぁと思い、深くまで沈めた気持ちをギリギリまで浮上させず、「最終章のないストーリー」の最後で名前を叫ぶことで爆発させる。素晴らしい25分間を経て次の感情破壊者にバトンが渡る。

 ホントに「水流」とかいうのダメだろ、通算打率10割、聴くたび胸が詰まる。この日は珍しく近くで観たからこそ女性の曲への没入感が肌で感じられた。泳いでいく魚のような横顔で2番へ向かっていく間奏がハイライト。
 タイトル未定、「浸りたいときに、浸れるだけ浸って帰る場所」としてこの日も手先に甘い痺れを残すようなライブだった。


 どこかで挨拶をする気はあったのだが激レアのだんごの日だったらしい。ちょくちょく観てた配信とテンション変わらなくて面白いのと初手の寄り方がすごい。ふーん、こういう子が好きなんやな笑笑……(何とは言わんがに対する遠い目)

画像引き出してきてちょっと辛い気持ちになってる、事後なので
なんで隠した

 そして落ち着く紙×2。会話も落ち着く会話でしたね。いかに話してて落ち着くといえども、オフショで並ぶと流石に落ち着かないのでやめてもらえると嬉しいんだけど、、、

(Blueマークのポスト長いな……)

・12/3 at 等々力

 デカ対バン2。

ミラミラのときの視界
本日最大の有能ポイントコレ

 この真冬に野外とかやめてよ~、寒いよ~と思いながらも朝イチのMirror,Mirrorからずっと楽しすぎワロタになってた。何回か観てるのに拾えなかった「スパークリングフライト」から一生無敵モードの一日。タイムテーブルを見返していると「まぁ、遊び方を理解してきたこと……」と感嘆するくらいいろいろな場所に顔を出してきたこの一年のまとめのようなイベントだった。

 アリーナでは「黎明」「カーニバル」が過去一を更新する化け方を見せて、ずっと観てきたはずの場所がさらに良いものに思ったり。危険行為禁止なのに「Legendary」のサークルが不問になったり。野外ではブルーシートを広げてさとりモンスター後方部大多動大会→ジエメイもその勢いで多動したり、きのホ。では「相合傘」で傘をさしてみたり、、、ほんとに気持ちを沈める時間なんて30分しかなかった。

タイトル未定のライブが終わったあとのこの景色、いつ観ても好き

 その30分。この日で対バンは最後と(この時点では)決めていたから、「未来シルエット」で流れ込んでくる情報量がいつもの比ではなく、ホントに苦しかった。特にTIFのときの景色。

 あの頃は「まだまだ先も、来年も観たい」と思っていた。その当時の気持ちごと流れ込んでくる映像をどう処理しようか。言葉を直接伝えようともその機会はライブ前に終わってしまっているし、とモヤモヤしながら外に出ると聴こえてくる野外会場の打ち込みのドラムの音。「星降る夜、君とダンスを」だとわかり、ペンライトの光を白から黄色に切り替えて雪崩れ込んだのがこの日いちばんのハイライトだったかもしれない。

うーん、多重顔面…

・12/9 白金高輪→新宿→秋葉原

特典会をイロモノ言うな

 どうしてこうも過密スケジュールになってしまうのか、とは思ったが行けるのが悪い、最後の遅刻はマジですみません

 「そういう日」はできる限り大事にしたい。終わりゆくものの存在を肌で感じているからこそ加速がついた気持ちというか、副産物というか。そんな気持ちで乗り込んだ電波不通空間、「Pride of us」の歴史的な一日を祝う三味線のイントロから始まるいつも通り最高のQuubi。とても良いリアルバースデーだった。

 誕生日、今年は自分が幸せになれなかったのでそのぶん幸せに過ごしてね〜と言葉を託し退場。その足であわてんぼうのサンタクロースさんが待つ新宿へ。

 いつも通りの他愛ない会話のなかで「たぶんコレが最後のサンタかなぁ」と言っていたときの寂しそうな表情が頭に残っているのと同時に、こういう細かい機微を捉えたことで、最初のころのどうしても目が合わせられない個人的な事情を払拭してこの人と向き合えるようになったことを再認識した時間。

かわいい(素)

「もう一回くらいなら、良いかな」
 最後にする、という決心を先延ばしにする、17日のチケットを取る気持ちを固まったのがこの日。代行使命も済ませて足早にその場を去ったのに、お客様救護で次の予定に向かう電車が止まったのは揺らいだ気持ちのちょっとした罰のようなものなんだろう。

 そんな遅刻ぼくが向かったのは秋葉原。この街を中心に過ごしていたときの悪くて旧い仲間たちとのちょっとした忘年会。

アホなオタクだらけでまともな写真無し…

集まる最大の理由が手から滑り落ちても、とある場所で築いた人間関係はこうして続く、という理想系のような例。少し先の未来を垣間見るようで思わずぐっときてしまった。くだらない話しかしていないのに。ぐっときたのは飲酒量もそうなんだけどね。

・12/10 渋谷→下北沢

 昨日の馬鹿の会のせいで珍しく二日酔いのワイ、渋谷に参上……

ホムルムッ

 実はこの日の番号の引きがめちゃくちゃ良かったんだけど、それはこの日主役を祝いたい人にスッと渡してグロッキー状態で後方腕組み鑑賞。譲った人の幸せそうな後ろ姿と、それに目を合わせて答える宮園ゆうかさんの笑顔がとても良いな、という気持ちと、11月の景色がフラッシュバックして寂しい気持ちを抱えて観ていた。

 そんな11月の主役との、あの日以来の会話。
 今の自分のtipToe.に向かっているときの気持ちをほぼ包み隠さず伝えたものを手に取った感想を直接受けるのが本当に照れくさかったし、謎の罵倒を食らって何かに目覚めそうになったし、いつも以上に掌の上でころころされていましたとさ。

萌え声

 この日で全員回る実績を解除したらしい。「はじめまして」が成立してホントに安心した。宮園、柚月、キミたちはインターネットを知りすぎだよ……


エクササイズ会場

 夜は下北沢へ。
 センチになったらさとりモンスターを接種すべしという身体にこの一年育てられたね。いつも通り詳細な記憶は保持しておらず。ただ楽しかったとだけ。あと「渋滞」でモッシュしてるのやっぱ俺たちしか居ないよ。

・12/12 at渋谷

 現体制終了の知らせがいきなりすぎて宙に浮いたように思われた村崎ゆうなさんの生誕祭。ド平日だけど、最後の日以外で単独ライブが生えるのは逃したくないので割と無茶して行くことに。

 この日のセットリストや演出、彼女と直接言葉を交わしては居ないけれど、伝聞や何度か覗いた言葉から構築した「村崎ゆうな観」が全面に出た、主役がとことん引きたつライブだった。カバーの選曲といい、この日限定の「メロドラマ」の落ちサビといい、こんなに人柄が感じられる会を急仕込みで作れることに感嘆した。

 あの知らせ以降、どこかツラい気持ちを伴っていた群青の世界を、久しぶりに楽しい気持ち100%で味わえた一日。居合わせてほんとうによかった。

・12/16 at 下北沢

 ここでも択が発生してしまったね……と思いつつ、ツアーファイナルで大阪に行く決断を同時にすることで耐えて、向かったのはtipToe.2期初のバンドセットワンマンライブ。

 編成がギター、ドラム、ベースの最小編成ということでどちらかというと鍵盤よりも弦の音が好物な音楽遍歴を歩んできたぴぃ高ちゃんは「弦の音が生で聴ける!」とめちゃくちゃワクワクして臨んだ一日。そのワクワクを軽々と超えていくライブをポン、と出してくる今のtipToe.の仕上がり、手放しで賞賛するほかなかった。

 ここ最近足を運ぶ場所のこともあって、バンドセットライブは場数が結構大切だという偏見があったんだけれど、その偏見は一曲目の「春の風速、帳が揺れて」の時点で吹き飛んだ。はじめてとは到底思えない。生の音を背中に雨のように浴びて汗が滲んでいく5人の背中がとても印象に残っている。

 もともとバンドとか観てきたなかで、「tipToe.の生バンド」ならではだなと感じたのは一音にいろんな感情がのしかかること。ガッツポーズが出た「Silent Sign」、仙台の景色がフラッシュバックした「群青と流星」、もうなんかよくわからなくなった「ユナイト」あたりが特筆すべきところだろうか。弦ごと心も爪弾くような音、歌。本当に良いものだった。

 あとはアンコール。存在は知っていても音を聴いたことがない伝説の曲「The curtain rises」「ハートビート」が2曲続けてやってきて、ORASのレックウザ→ヒガナ→デオキシスの連戦かと思った。レックウザなのでげきりん打ってからの記憶はないけど顔も体もしわくちゃでライブを終えてあとはまったり、としたかったんだけど。

 どういう運だよ、ホント。普段最後まで残ることも珍しいし、受付終了だよ〜って言われてもがっつかないから、宇都宮以来のコレ。

真ん中の、ヤツ

 この時点で自分が「次会うとき、正常な状態では会えない」ことを察していたので、この日の思い出はせめて綺麗で、楽しくありたいなと思ってめちゃくちゃ笑って写った1枚。節目の日のログとしてこれ以上ないものになった、と思っている。


 いったん、ここまで。続きは近いうちに。

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