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民族『中国の民族』(アルタイ語族/ツングース諸語・モンゴル諸語)

アルタイ語族 
 ツングース諸語
  1.北部ツングース系

エヴェンキ族の分布・居住地域

1.エヴェンキ族   
①ソロン・エヴェンキ     
黒竜江省(現在は内モンゴル自治区に復帰)ホロンバイル盟(フルンボイル市)エヴェンキ族自治旗(元ソロン旗)に居住。
ソロン八旗の末裔で新満州人となって満州八旗に編入された。   
②ツングース・エヴェンキ    
黒竜江省(現在は内モンゴル自治区に復帰)ホロンバイル盟(フルンボイル市)チェンバルフ自治旗(陳バルグ自治旗)に居住。
チベット仏教(ラマ教)を信仰する。
ロシア革命のときに国境を越えて移動してきた人々であるといわれている。ハムニガンモンゴル語やカムニガンモンゴル語を話す。住居はモンゴル族に似たゲルと称する組立式の円形のテントで移動することが容易なものである。典型的な狩猟生活を伝統的に送っていた。   
③ヤクート・エヴェンキ    
黒竜江省(現在は内モンゴル自治区に復帰)ホロンバイル盟(フルンボイル市)アングン自治左旗(アルグン左旗が市制施行し根河市となる)に居住。
ロシア正教とシャーマニズムを信仰する。
シベリアのレナ川流域のヤクート人の移住地域から、一九世紀にアムール川を越えて南下した。   

オロチョン族の分布・居住地域図

2.オロチョン族   
①オロチョン族    
内モンゴル自治区フルンボイル市オロチョン自治区に居住。
シャーマニズムを信仰する。
ソロン八旗の末裔で新満州人となって満州八旗に編入された。現在はエヴェンキ族の一派とみなされる。   
②馬オロチョン族     
内モンゴル自治区にあるオロチョン自治旗に居住。
シャーマニズムを信仰する。
馬の扱いに優れた集団で狩猟を生業とする。ウマ、槍、狩猟犬を使って、一年中樹海で、ノロジカや袋角などが漢方薬の材料になるマンシュウアカシカを追いかけ、定住地を持たない。

アルタイ語族
 ツングース語群 
  2.南部ツングース系(満州語系)

満州(満)族の分布・居住地域図

1.満州(満)族   
旧内満州に居住。
女真族で後に熟女真族・建州女真と呼ばれた民族。

シボ族の分布・居住地域図

2.シボ族    
新疆ウイグル自治区にあるチャプチャル・シベ自治県に居住。
チベット仏教とシャーマニズムを信仰する。
モンゴル系である鮮卑族末裔の室韋であるが建州女真が興り金王朝を建国した後に武力で併合された。シボ族は満州語の一方言を使用することになる。1764年に1016人のシボ族の人たちが招集されて、新疆のイリ(伊犁)地区で屯田することになった。今日の新疆のシボ族の人たちは、その人たちと2000人余りの従軍家族の子孫である。 

ホジェン族の分布・居住地域図

3.ホジェン族(へジュン族)   
黒龍江省の三江平原に居住。
旧外満州(ロシア側)に居住するナナイ族(女真族で後に生女真族・野人女真族と呼ばれた漢人化をしていない民族)と同族である。サハリン島東岸を主な居住域とするウィルタ族とは系統が近い。  

アルタイ語族
 モンゴル諸語
  1.モンゴル語系   

モンゴル族の分布・居住地域図

①モンゴル族
内モンゴル自治区に居住。
チベット仏教を信仰する。
内モンゴル自治区の主要民族でチャハル方言を話す。(ハルハ方言は外モンゴル(モンゴル国)のモンゴル人が話す)
②オイラト族    
新疆ウイグル自治区に居住。
オイラト語を話す。カルムイク人と同族で元来はテュルク系の一派だったとも伝わる
③図瓦人
新疆ウイグル自治区にあるカナス湖の南岸より2-3キロメートルのカナス谷に居住。
「図瓦人はジンギスカンが西へ遠征する際に残された一部の老人や、弱者、病人、障害のある兵士にはじまり、だんだんと人口が増加し、現在のようになった」と推測しています

アルタイ語族
 モンゴル諸語
  2.ダフール語系   

ダフール族の分布・居住地域図

ダフール族    
シャーマニズム信仰・祖先崇拝・自然崇拝。
契丹の末裔であり契丹貴族の大賀氏と密接な関係にある。新満州人となって満州八旗に編入された。

アルタイ語族
 モンゴル諸語
  3.その他  

トンシャン族の分布・居住地域図

1.トンシャン族 
甘粛省古河州のトンシャン地域に居住。
イスラム教   
甘粛省古河州のトンシャン地域に住んでいたため民族名称がトンシャンとなった。ドンシャン族は元々モンゴル系民族の一支で、中央アジアのテュルク系民族との接触の中で13世紀にスンニー派イスラムに改宗したことによって独自のアイデンティティが出来上がったと推測されている。

ボウナン族の分布・居住地域図

2.ボウナン族(保安族)   
甘粛省臨夏回族自治州積石山ボウナン族トンシャン族サラール族自治県に居住。
イスラム教  
祖先が数百年前に青海省同仁県の保安城に住んでいたためボウナンと自称する。

トゥー族の分布・居住地域図

3.トゥー族    
青海省の互助、民和、大通、同仁などを中心に、いくつかの県内に居住し、また一部は甘粛省の天祝、卓尼、永登の諸県で暮らしている。
シャーマニズムを信仰していたが現在ではチベット仏教を信仰する。
遼東の鮮卑系の部族に源を発している。彼らは甘粛省や青海省まで西へ移動し、当地の先住部族を征服し、吐谷渾国を建てた。吐蕃王国に滅ぼされたが、一部の人々はチベット族に溶け込み、吐谷渾人やモンゴル族、漢族と雑居し、融合するなかで、徐々にトゥー族を形成したのである。

ユーグ族の分布・居住地域図

4.東ユーグ族   
甘粛省西北部のスーナンユーグ族自治県、チーリエン山脈山中に居住。
チベット仏教のゲルク派を信仰する。
自称のヤオフアルは古代の遊牧ウイグルに由来する。東部ユーグ語を使用する集団については、チュルク語群の源語を話す集団が、周囲の集団の影響によりモンゴル化したものか、モンゴル語群の集団が、チュルク語群のユーグ集団に加わり、同じユーグを自称するようになったものか、のどちらかと考えられている。



 

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