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お米の神様 ?

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昭和の暮らし、家族、ごはん。そんなものを書いてみました。 一部会話が山形県南部・西置賜弁ですが共通語字幕を入れたから大丈夫(のはず)  筆者がご近所や祖父母、両親、見聞きしたお料…
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#郷土料理

お米の神様? 第23話 父とこたつみかん

 我が家は基本的に一つのこたつ、テレビ、そしてそれらがある茶の間を中心に形成されていた。…

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お米の神様?  第20話 花とおばあちゃん

「お兄ちゃん、かやちゃん、買い物さしぇでってけっからな(買い物に連れて行ってあげるからね)…

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お米の神様? 第16話 お雑煮とセリ

 2017年12月現在、私が働いているのはスーパーマーケットの青果コーナーである。  売り場に…

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お米の神様?  第15話 兄と妹と、冬至カボチャ

 カボチャは案外好き嫌いの多い食べ物だと思う。  甘くて何とも言えない滋味があって私と母…

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お米の神様?  第14話 ストーブスープとおこた甘酒

 急激に寒くなって来たので、一度昭和45年の秋の山形県から離れて、季節を冬に移す。  子供…

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お米の神様? 第13話 菊と温泉

 父方祖父と祖母は1周り年が離れていた。  12歳祖父の方が年上なのである。  2人は昭和初…

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お米の神様? 第11話 芋煮会

 秋が深まると山形県、特に最上川上流から中流の地域でほぼ毎週末の様に行われるのが芋煮会である。  料理名で言うと「芋煮」なのだが、家で夕飯のおかずに作ったとしてもそれはただの里芋と肉、こんにゃくの煮たものであり「芋煮会」と呼ばれると特別な響きを帯びて県民の心にアピールしてくる。  それだけ県民のDNAに刻まれたものなのだ。  県内の昔ながらの家庭では、関西におけるたこ焼き器の如く大きな鍋が常備されている。  日常サイズではなく緊急時の炊き出しレベルの大きなものだ。  普段は

お米の神様? 第10話 運動会と栗ご飯

 昭和40年代の山形県長井市まだ高度経済成長期で、市内には全国的に有名なメーカーの工場がい…

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お米の神様? 第8話 紫蘇と梅干し

 山形県南・長井市の家々の夏の庭や畑、その辺の野原、空き地などに丈高く群生している植物は…

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お米の神様?  第6話 いい虫悪い虫

 このエッセイには繰り返し出てくるが、一緒に住んでいた父方の祖母は『ろうたけた』という表…

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お米の神様?  第5話 メロン爆弾

 東京の人には福島県や茨城県、山梨県の方がお馴染みかもしれないが、実は郷里の山形県もかな…

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お米の神様?  第4話 野草のお澄まし

 生まれてからずっと長井市から引っ越したことのない母と違い、父と祖父母は何度か転居をして…

お米の神様? 第3話 くじらの味噌汁

 山形には「くじら餅」という名の食べ物がある。 市内に何店舗かある「餅屋」で作られる、蒸…

お米の神様? 第2話 ふきのとう味噌と天婦羅と山菜

 実家のある土地は、元々地元の大きな神社の森が切れたあたりの、何もない畑地だったと聞いている。  そこに米沢市、山形市と何人かの職人について勉強をし、昔の織物を学んだ父が家を建て、米沢から両親を呼び寄せたのだという。  そのころ米沢では効率の良い機械織りが主流になっていたから、昔のものを復興させたかった父はあえて知り合いのいない当地を選んだらしい。  昭和30年前後の話だ。  家には昔ながらの織機を何台も置いた織物工房がくっついており、周辺農家の奥さん達が通って働いていた。