マガジンのカバー画像

お米の神様 ?

31
昭和の暮らし、家族、ごはん。そんなものを書いてみました。 一部会話が山形県南部・西置賜弁ですが共通語字幕を入れたから大丈夫(のはず)  筆者がご近所や祖父母、両親、見聞きしたお料…
運営しているクリエイター

#山形県

お米の神様?  第29話 女子寮生活と週末自炊

 女子寮の食事は平日だけなので、土日は自分達で調達しなければならない。  大半の寮生は外…

2

お米の神様?  第27話 春まだ遠き

 兄と私は「学業第一」とくぎを刺され、あまりじじちゃのお見舞いに行かせてもらえなかったが…

5

お米の神様? 第23話 父とこたつみかん

 我が家は基本的に一つのこたつ、テレビ、そしてそれらがある茶の間を中心に形成されていた。…

4

お米の神様?  第22話 駄菓子屋とミルクカレー

 家の中がふんわりとした揺り籠だけではない世界に徐々に変わりつつあったが、兄と私は小学校…

2

お米の神様?  第21話 かさかさ ぎしぎしのおうち

 祖母の死後、慌ただしい野辺の送りと納骨、初七日、四十九日の法要と済むころにはすっかり春…

1

お米の神様?  第20話 花とおばあちゃん

「お兄ちゃん、かやちゃん、買い物さしぇでってけっからな(買い物に連れて行ってあげるからね)…

1

お米の神様? 第16話 お雑煮とセリ

 2017年12月現在、私が働いているのはスーパーマーケットの青果コーナーである。  売り場に物を陳列・補充しに行くこともあるが、表は何年も働いているベテランのパートさんや、社員さんが主に担当し、自分はバックヤードで入荷した野菜や果物を検品し、袋詰めし、生産地と値段を入れる。  この文章を書いている12月26日、怒涛の柚子の大波、クリスマス・イチゴの嵐が過ぎ去り、ぼちぼちお正月用の季節野菜が入荷してくる。  イチゴはケーキ屋さんに下ろすのは小粒のもの。  店頭に並べるのは見栄

お米の神様?  第15話 兄と妹と、冬至カボチャ

 カボチャは案外好き嫌いの多い食べ物だと思う。  甘くて何とも言えない滋味があって私と母…

5

お米の神様?  第14話 ストーブスープとおこた甘酒

 急激に寒くなって来たので、一度昭和45年の秋の山形県から離れて、季節を冬に移す。  子供…

3

お米の神様? 第12話 柿の実の赤くなるころ

 物心ついたころから家の庭の東側に柿の木があった。  兄が生まれる前、下手をするとこの家…

6

お米の神様? 第11話 芋煮会

 秋が深まると山形県、特に最上川上流から中流の地域でほぼ毎週末の様に行われるのが芋煮会で…

2

お米の神様? 第10話 運動会と栗ご飯

 昭和40年代の山形県長井市まだ高度経済成長期で、市内には全国的に有名なメーカーの工場がい…

2

お米の神様?  第9話 ホイップクリームと年上の従妹たち

 母の実家は同じ嫁ぎ先と同じ市内だが地区が違う。  嫁ぎ先の織物工場は市の中央地区北半分…

お米の神様? 第8話 紫蘇と梅干し

 山形県南・長井市の家々の夏の庭や畑、その辺の野原、空き地などに丈高く群生している植物は、真赤な花を咲かせる鶏頭と、野生化したグラジオラスやダリアなどの洋風の花、そして「盆花」と呼んでいた赤や青の花。ジニア。  そして赤紫蘇である。  紫蘇はそれこそ種が風に乗って来るのか、どこからともなく生えてきて、瞬く間に生い茂る。  青い紫蘇はまだ柔らかいうちに色んな料理に使うので先っぽから摘んでいき、あまり高くならないが、赤紫蘇は別だ。  赤紫蘇は青紫蘇よりもずっと逞しく草姿も猛々しく