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お米の神様 ?

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昭和の暮らし、家族、ごはん。そんなものを書いてみました。 一部会話が山形県南部・西置賜弁ですが共通語字幕を入れたから大丈夫(のはず)  筆者がご近所や祖父母、両親、見聞きしたお料…
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2020年4月の記事一覧

お米の神様? 第23話 父とこたつみかん

 我が家は基本的に一つのこたつ、テレビ、そしてそれらがある茶の間を中心に形成されていた。…

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お米の神様?  第22話 駄菓子屋とミルクカレー

 家の中がふんわりとした揺り籠だけではない世界に徐々に変わりつつあったが、兄と私は小学校…

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お米の神様?  第21話 かさかさ ぎしぎしのおうち

 祖母の死後、慌ただしい野辺の送りと納骨、初七日、四十九日の法要と済むころにはすっかり春…

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お米の神様?  第20話 花とおばあちゃん

「お兄ちゃん、かやちゃん、買い物さしぇでってけっからな(買い物に連れて行ってあげるからね)…

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お米の神様?  第18話 フルーツパフェと祖母のサヨナラ

 3月31日。  この日は父方祖母の命日だ。  生まれて以来「おばあちゃん」と呼んでずっと一…

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お米の神様?  第17話 ローストチキンとクリスマス

 私は鶏肉が大好きだ。しかも骨付きのもも肉が好きだ。塩コショウと日本酒で下味をつけ、あっ…

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お米の神様? 第16話 お雑煮とセリ

 2017年12月現在、私が働いているのはスーパーマーケットの青果コーナーである。  売り場に物を陳列・補充しに行くこともあるが、表は何年も働いているベテランのパートさんや、社員さんが主に担当し、自分はバックヤードで入荷した野菜や果物を検品し、袋詰めし、生産地と値段を入れる。  この文章を書いている12月26日、怒涛の柚子の大波、クリスマス・イチゴの嵐が過ぎ去り、ぼちぼちお正月用の季節野菜が入荷してくる。  イチゴはケーキ屋さんに下ろすのは小粒のもの。  店頭に並べるのは見栄

お米の神様?  第15話 兄と妹と、冬至カボチャ

 カボチャは案外好き嫌いの多い食べ物だと思う。  甘くて何とも言えない滋味があって私と母…

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お米の神様?  第14話 ストーブスープとおこた甘酒

 急激に寒くなって来たので、一度昭和45年の秋の山形県から離れて、季節を冬に移す。  子供…

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お米の神様? 第13話 菊と温泉

 父方祖父と祖母は1周り年が離れていた。  12歳祖父の方が年上なのである。  2人は昭和初…

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お米の神様? 第12話 柿の実の赤くなるころ

 物心ついたころから家の庭の東側に柿の木があった。  兄が生まれる前、下手をするとこの家…

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お米の神様? 第11話 芋煮会

 秋が深まると山形県、特に最上川上流から中流の地域でほぼ毎週末の様に行われるのが芋煮会で…

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お米の神様? 第10話 運動会と栗ご飯

 昭和40年代の山形県長井市まだ高度経済成長期で、市内には全国的に有名なメーカーの工場がい…

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お米の神様?  第9話 ホイップクリームと年上の従妹たち

 母の実家は同じ嫁ぎ先と同じ市内だが地区が違う。  嫁ぎ先の織物工場は市の中央地区北半分の『宮』、母の実家は南半分の『小出』という区分だ。  その二つは夫々古い歴史のある神社が氏神様になっており、中央地区を真っ直ぐに横断する目抜き通りで別れている。  ともあれ人口の多くない市なので青年団や祭の実行委員の面子は限られており、二つの地区は祭の日程が被らないように自然と調整していた。  宮地区と小出地区が反目し合うという事もなかったような気がする。  母の実家は小出の中でも神社に