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敗北から学ばない日本

はじめに

みなさんこんばんは。

今日は、Amazonの電子書籍で出した対談本『リベラルの育て方』から、「敗北」からの学びについて抜粋します。

負け方を教えること


馬 そういえば、このあいだボクシングの試合を見てたんですよ。

シロクマ 馬なのにボクシング見るの?(笑)

馬 競馬ばかり見てたんじゃ疲れますからね、共感するから(笑)。WBSSのバンタム級決勝、日本のボクシング史上最高傑作と言われる井上尚弥と、伝説の5階級チャンピオン、ノニト・ドネアの試合です。あの試合、最初から最後まで凄まじい精神と技術に満ちていて、おそらくボクシング史上に残る試合になると思うんです。

羊 私、まだ見てない。

馬 下馬評では、「ドネアも偉大なチャンピオンだけど、もう36歳だし、10歳下の井上が前半でKOして、ドネアはこの試合を最後に引退するんじゃないか」って言われてたんですよね。でも、最終的にはどちらにも勝機があったんですけど、お互いに気力だけで持ちこたえて、結局判定までもつれ込んで。
結局、ドネアは判定で負けたんです。でも彼は負けた直後に、戦術ミスを犯したことが敗因だと客観的に分析していて、まだ私はまだ進化できるから現役を続行するって言ってたんですよね。それ聴いて、僕、この人すごいなって心から思いましたね。

シロクマ うーん、そこまで上り詰めるんだから、やりながら考えてるわな。

馬 あともう一つ、個人的に感動した話は、WBSSの優勝者は、モハメドアリトロフィーなるものをもらうんですけど、実は、トロフィーを翌日持って帰ったのはドネアだったんですよ。

シロクマ トロフィー?

馬 そう、優勝トロフィー。ドネアが井上尚弥に。恥を忍んで、涙を流して、「子供たちのために一日貸してくれ」と。子供たちのためにっていうか、トロフィーを見せるっていう自分の子供たちとの約束を守るために、貸してくれって頼んで。それで、井上も快く貸したんですよ。

シロクマ うん。

馬 で、ドネアは家に帰って子供たちにこう語ったんです。「これは確かに見せたけれど、これは自分のものではない、井上尚弥が貸してくれたものだと。ベストを尽くしても負けることがある。ただし、負けたときも勝ったときも、きちんと最後まで責任を持つこと、負けるときでも優雅に負けること」を子供たちに教えて、で、子供たち、ちっちゃいから泣いちゃったんだけど。でも、そのあとツイッターに子供たちが、「井上尚弥さんおめでとう」っていうメッセージを動画にしてツイートしたんですよね。

シロクマ うん。

馬 すごい話だなって思って。

シロクマ 子供たちにちゃんと負け方を教えたんだよね。

馬 そうそうそうそう。その誇り高さ、インテグリティってこういうことなんだなって、肌身で感じたんですよ。

敗北を否定する国、敗北から学ぶ国

シロクマ 勝って学ぶ事ってあんまなくて、負けて学ぶことの方が多い訳だよね。米軍なんかは、作戦で、自分たちが押されちゃったときに、それの検証ってすごくやってるし、自分たちが状況によっては、あのまま放置してたら自分たちが負けになるなっていう状況の時の検証っていうのはすごいよね、検証チームは。

馬 それって、歴史修正主義って、まさにその真逆ですよね。
シロクマ そそそそ。

馬 俺たちはほんとは勝ってたんだ!とかってさ(笑)

シロクマ そそそそ(笑)

馬 だって立憲民主党の参議院選挙の総括って酷かったですもんねえ。私たちは実質的に勝ったんだとか言ってて(笑)、バカじゃねえのって(笑)

シロクマ そう、日本の選挙とか見てても思うんだけど、負けた時の選挙事務所って、ほとんどまともに総括しないまま勝手に事務所なくなってるじゃん。

羊 振り返り会をやるとしても、全員は出ないよね。

馬 負けた時点で終わっちゃう。

シロクマ 本来なら、選挙に関わってた人、支持者じゃなくて選対に出入りして関わってた、応援してた人、全員が集まってなぜダメなのかということを検証しなきゃいといけないけど、それをやらないじゃん。欧米の選挙って必ずやるんだよ、

馬 結局、資本主義って、そういうことじゃないですか、失敗からいかに学ぶかっていうところが。

シロクマ そうだよ。

馬 こりゃあ日本は、世界に太刀打ちしようがないなあ・・・

シロクマ だから、うちの会社では失敗してもいいって常に言ってる訳だよね。そこから学ぶことの方が多いから。そこからみんなが学べればみんながプラスになる訳だから。そりゃ会社としては確かにその辺の損失は出るけど、それは他で回収すれば良いじゃん。

馬 そうですね。

馬 ここまでの話をまとめると、結局日本の教育のやり方は、正解を覚えさせて、正解から離れることに対して減点をしていく。子供は愛情が得られない不安もからまって、結局、失敗とか間違いとかを恐れるようになって、他人に同調する社会になってしまう。

シロクマ そそそそ。

馬 で、はっきり言えば、それで民主主義と資本主義が機能不全に陥ってると。

シロクマ そうだね、だいたいそんな感じだね。

羊 これ、一歳・二歳のころから受けてきた教育が根本的に間違ってるって話よね。私たち大人にしたらすっごい救いがない結論。

シロクマ あははは。そうだねえ。

馬 ともあれ、自分一人で、周りに流されずに自分で考えたりできる子供を育てていくって、どこがポイントになると思いますか?


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