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イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』

来週13日(金)から公開の『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』アカデミーとれなかったけど私はかなり好きでした。第二次大戦下、ドイツ軍の暗号解析チームに加えられ27歳で天才数学者とたたえられるアラン・チューリング。非社交的で「そんなのうまくいくの?」と誰もが怪しむ怪しげなマシーンにかつての親友の名前をつけ、ひとり没頭するアラン。しかし彼のこのマシーンが実は近代コンピュータの始祖となる。ついに解析成功したアラン。しかし彼は戦後逮捕有罪とされる。1950年代は違法だったある罪で……。2年間の薬物投与(法による強制)の後、服毒自殺(他殺説あり)。2009年ブラウン首相が謝罪、2013年にはエリザベス女王の名で特赦も発表された。http://imitationgame.gaga.ne.jp/

 以上がFBへの投稿のコピーですが、いくつか追加します。

 一つは彼が解析マシーンにつけた名前、「クリストファー」。作品中何度も挿入される回想シーンで、いじめられていた少年時代の唯一の友達(というか、彼の最期に悲劇を生み出す心の片鱗、友達以上の相手)の名前なのだが、このクリストファーは、彼を置いて行くように死んでしまう。だから大人になった彼は、その初恋の少年の名前をつけ、命を吹き込もうとする。コッペリアとコッペリウス老人、というよりは、壊れたドラえもんを必死で修理し続けるのび太、とでも言うようなたたずまいが、泣けるのです。

 もう一つの泣かせどころは、キーラ・ナイトレイ演じる、のちに婚約者となる女性、ジョーンの存在。家族は結婚をせかせるばかりで、彼女の数学的才能は家族からも社会からも認められない(試験を受けに来ても「女はあっち」と門前払い。戦争に負けそうなのに!)アランはジョーンを初めて能力で認めた存在であり、ジョーンはアランに心を開かせてチームワークに導く存在となる。親密ではあるが、単なるロマンスを超えて、だから彼女はアランの性的指向をも気にしなかった。人付き合いが下手で、でも、数学を愛するそのままの彼を愛したのだ。若いキーラがそれだけの人格を演じるところも泣ける。

 最後に、当たり役だと評価されるであろう、主演のベネディクト・カンバーバッチ。本作は、当初、レオナルド・ディカプリオの主演でワーナーで企画が進められていたが、途中でブラック・ベア・ピクチャーズに製作が移った(米英合作)そうだ。レオでなくて正解、だと思う。

アラン・チューリング まとめ

町山さんの解説

追伸)変人で、生きづらい人の人生。でもそういうのも素晴らしいなって思って、私も変人人生もっと突き進んでしまいそうだ^^;




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