意外と知られていない近年の火葬場-斎場とはなんぞや（千葉県）

火葬場の利用、いざご葬儀となれば告別式から火葬という流れの中で利用しますが、火葬を行う火葬場は千葉県内では自治体か自治体出資の管理会社が運営する公的な施設しかありませんので、基本的にお住いの自治体が管理する火葬場での火葬となります。
域外・市外からの利用をさせてくれる火葬場もありますが、どこの火葬場も市民料金とそれ以外では利用費用に大きな違いがあるのでどこの葬儀社でも故人様や喪主様などが住民登録のあり市民料金での利用可能な火葬場での火葬を提案するでしょう。

斎場・聖苑と火葬場

近年の火葬場（斎場）は各種葬儀もできる、このことは意外と知られていないのです。
理由の一つは自宅葬が大きく減ったとはいえ自宅から比較的近い葬儀場を借りて執り行うことが多いからでしょう。それはご家族の生活圏であることによる故人様との人の繋がりを考慮するためと考えられますが、そこで葬儀場は（自宅から近しい）葬儀場で、火葬は火葬場でと分けられるために知られないのではないでしょうか。

自宅葬の多かった昭和の頃は〇〇火葬場といった名称（設備も火葬炉とあって収骨室程度）が多かったようですが、近年は「斎場」「聖苑」と付く名称の施設が多くなりました。
斎場とは本来葬儀場を指します。
例えば馬込斎場は火葬場ですが葬儀場や控室・安置設備などご安置から火葬までのすべてを行うことが可能な斎場です。
聖苑とは本来神道用語で儀式を行う場所を指しますが、現代では転じて葬儀を行う施設をそう呼ぶようになりました。
斎場・聖苑、どちらも葬儀を行う施設を指しますが千葉県の場合斎場と付く場合は葬儀場など葬儀施設があり、聖苑と付く場合は長南聖苑など一部を除いて葬儀場はありません。
こうして考えると葬儀場のない聖苑では足らない印象を受けますが、都市部から離れると自宅葬も少なくないので火葬場に付随する葬儀場の需要が多くないまた、火葬は葬儀の一部分であることからその一部分でも行えれば「葬儀場」でも的外れではありませんし、火葬場と付くより名称としては耳障りが良いのでそう命名したのではないでしょうか。
つい先日開場した「きみさらず聖苑」は木更津火葬場の隣地に施設の老朽化などからその代替えとして建てられましたが、式場はないもののモダンな近代的な造りでいわゆる火葬場には見えない（昭和目線）ものとなっています。
参考：千葉県公営斎場/火葬場ナビ

公的な施設の斎場＝公営斎場

ここからは斎場だけに絞って説明します。
公営斎場は火葬設備の付いた公営の葬儀場と考えていただいて問題はないと思います。
斎場により安置設備や会食可能な部屋の有無など若干の違いはありますが、同じ建物（敷地内）に葬儀場と火葬場があるので葬儀場から火葬場までの移動が徒歩・建物内で済むという大きなメリットがあります。
公営斎場の規模により式場の大きさ・数が変わってきますが、100人以上の式場と40～60人程度までの小さめの式場とを揃えている斎場が多いです。
式場の利用料金は斎場とその式場の大きさにより変わりますが、小さいものを市民料金で利用しても民間の家族葬ホールより割高になるケースが少なくありません。
それでも市民料金で後述する備品も合わせて利用すれば民間の家族葬式場費用を利用した場合と葬儀の総費用は差がなくなると思います。
設備の整った斎場なら白木祭壇や宗教者が使用する仏具なども市民料金で利用可能なので、葬儀社が用意するものを使うより安く済むケースもあります。ただし安置設備は24時間でいくらという料金設定の斎場が殆どなので、葬儀社のプランとを併せ考え葬儀日程によっては安置のみ葬儀社の設備を利用するなど、よく葬儀社に相談すると費用を抑えることもできるでしょう。
また公営斎場の葬儀場・火葬設備の利用料は葬儀社ではなくその斎場への支払いとなり、葬儀社への支払いとは別と考えて葬儀社に費用を確認するのがよいでしょう。
注意したいのは葬儀社の家族葬パックプラン料金に公営斎場料金を全部合わせると葬儀社の家族葬ホールを使った場合に比べ割高になります、重複する項目や斎場のものを安く使える項目はしっかり確認しプランを組んでもらうのが良いでしょう。
公営斎場例：当該斎場を市民料金で利用する場合の自治体による葬祭補助なども書かれた『馬込斎場』の紹介ページと『しおかぜホール茜浜』の紹介ページまた『市川市斎場』の紹介ページ。