見出し画像

商品情報管理において、PIMはおすすめだけど、PIMだけでは解決できない理由

PIM(Product Information Management)はWebやカタログ、アプリなどの販売促進系のマテリアルデータ(素材データ)を一元的に管理できるCMS型のDBです。

格納できるマテリアルデータの一例として、
・テキスト系
 ・製品ID、キャッチコピー、特長文 など
・スペック系
 ・スペック表、価格表 など
・画像系
 ・製品画像、図面、PDF など
・メタ系
 ・SEOキーワード、タグ、カタログページ数 など
・リンク系
 ・Youtubeリンク、SNSリンク など

の大きく5つに分類することができます。

こういったマテリアルデータを媒体を問わず、言語を問わず一元的に(ひとつのDBという箱で)管理できるシステムです。
そういうと、魔法の箱のように感じるんですが、現実はそうも甘くありません。

その理由として以下の3つがあります。
1.結局、PIMを管理するのはヒトであるという点
2.複数の部署をまたぎ企業全体として取り組む必要がある点
3.業務総量が削減されるとは限らない点

詳しく分解してみていきます。
1.結局、PIMを管理するのはヒトであるという点
当たり前と思うかもしれないんですが意外と忘れがちな点です。いくら素晴らしいシステムを導入しようとも、それを使うのは企業の中のヒト、もしくはチームです。その機能と制限を理解し最大限の効果が出るように利用しななければ、思い描いた成果を出すことはできません。
導入後の自社運用ガイドラインを決めずにスタートしてしまい、個人個人の思い通りに使ってしまい全体最適にすることができず、導入前のヒト管理よりも非効率になってしまう、なんてこともあります。

2.複数の部署をまたぎ企業全体として取り組む必要がある点
これ、そもそも論で大問題になることがあります。
一部門で完結するようなシステムではないんです。
たとえば、
・開発や設計部門が商品データのもととなる仕様書をつくる
・それをもとに営業企画などの部署が販促ツールを作成しPIMに登録
・その登録データがWebマーケ部門にわたり、ECに活用される
・全体のセキュリティ関連は情報システム部門が管轄する
といったように、部門横断のプロジェクトです。
PIMへのデータ登録を開発部門にやってもらう、と思っていたものが、社内調整がうまくいかずに実は自部門でやることになり、狙っていた生産効率がでない…なんてことも。

3.業務総量が削減されるとは限らない点
PIM導入の目的はなにか、と関係してきます。
目的は「市場への展開スピードなのか」「リソースの創出なのか」「コスト削減なのか」
実はコスト削減を目的に置くと、達成が難しくなります。
なぜなら、販促部門の仕事の総量が削減されるとは限らないからです。
たとえば、1000ページ以上のカタログを作っている企業においては、カタログ更新で外注ディレクションに多くの時間を割くことになります。PIMを導入しカタログ制作を行う場合、外注ディレクションの時間は削減されるかもしれませんが、データ更新の業務が新たに増えるからです。

PIMは魔法の箱ではない、
けれど上手に使うと有用なシステムです。