ゴーン逮捕は日産経営陣の反旗か
カルロス・ゴーン日産会長、グレッグ・ケリー代表取締役が逮捕された。
容疑は、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)。自宅の購入代金数十億円などを同社側に全額負担させ、報酬として計上していない疑いがあるという。
今回のゴーン氏逮捕は、私的流用、不正を明らかにするためではあるが、
おそらくルノー隷属化を急ぐゴーン氏に対し、日産経営陣が反旗を翻したのだろう。
●「ゴーン氏は辞めるべきだ」と、2013年11月7日の私のブログにも書いた。
http://onlyonemarketing.blog.fc2.com/blog-entry-114.html
ゴーン氏が辞めるべき理由は次の3つ。
・ルノーへの隷属化(日産との対等関係合意違反)
・ワンマンによる経営の硬直化
・高額な報酬
●ルノーへの隷属化(2013年当時ブログ)
日経新聞などの報道によるとルノー・日産の2012年12月期連結決算は、純利益2100億円で、内日産の利益が1540億円。ルノー利益は560億円。日産が配当を高めに設定している目的はルノーへの送金で、これまでの配当は累計で約30億ユーロ(4000億円)に上るという。日産の利益でルノーの穴埋めをすることを繰り返すのは、健全な経営とは言えない。
●「日産がルノーになる日」
2018年4月2日、COMEMOに「日産がルノーになる日」と題し記事を書いた。
日産がルノーになる日は限りなく近くなった。フランス政府は日産を完全にルノー傘下に置けば、自国産業育成、産業政策の成果として政治的に利用できる。マクロン大統領は米国に対抗し独仏枢軸を目指している。「欧州のチャンピオンをつくる」が産官のスローガンで、独仏枢軸のための大型M&A(合併・買収)を後押している。独仏枢軸を目指しているマクロン大統領にとって、日産、日本の独自性など邪魔な考え方だろう。日産経営陣はフランス政府、ルノーに対する不信感は高くなっている。カルロス・ゴーン氏の「変心」だ。
カルロス・ゴーン氏は今年1月の仏下院公聴会で「現在の体制は統合強化のためにやむを得ず選択している」と発言。仏政府の要請に応じてルノー日産、両社の機能統合の対象を生産や新規事業に広げている。
「日産がルノーになるXデー」が近かったのだろう。
ゴーン氏の私的流用を表ざたにすることで、ゴーン氏は逮捕された。解任する大義名分となる。
日産からゴーン氏がいなくなれば、ルノーの影響力はかなり弱まる。
マクロン大統領が進めるルノーへ日産を吸収合弁する話は頓挫するはずだ。
日産経営陣の英断を称賛したい。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37939890Z11C18A1MM8000/
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