メルマガ発掘シリーズその7「ハウス。」

[前置き]
もう10年以上前、「筋トレメールマガジン」という無料メルマガで、「星占いのやり方」的なコラムを断続的に配信していたことがあります。
ですが、私はほんとうに物持ちが悪くて、そのログがほとんど残っていません。
というのも、まぐまぐ!さんのシステムで配信していて、バックナンバーはすべて公開していたので、そこから読めたのですね。ですが数年前にまぐまぐ!さんのメルマガを廃刊にしたため、なんと!バックナンバーがほぼ失われました(爆)
で、このほどnoteで何か配信したい、でもゼロからやるのはちょっとなあ、、という思いがありまして、古い記事を探し始めて、
「そうだ!メルマガのコラム、残ってないかな!」
と気づいて探したのですが、ほんの数個しか見つかりませんでした・・・・・・(涙
とはいえモッタイナイですし、ここでなにか書いていくための「呼び水」的な意味合いで、少し、その昔の記事をこちらにご紹介しようと思います。
なにしろ10年以上前のメルマガなので、当時のWebの雰囲気、そして私の若い年齢などもあいまって、かなりなれなれしいというか、軽々しいです。すみません。先に謝っておきますね。あまりにもひどいところは一応、加筆修正しました。

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(「筋トレ」メールマガジン(2008/1/31号)より)

まず、出生ホロスコープとは、なんのことか、
まで遡って話を進めたいと思います。

出生ホロスコープ。
「バースチャート」といったり、単に「チャート」と言ったりもします。
ネータルチャート、ラディックス、などといったりもします。
ホロスコープというのは、
「ある瞬間に、空のどこに星があったか」
を描いた、地図のようなものです。
「黄道」
すなわち、太陽が1年間で地球の周りを回るその道筋を
一本の円環をなした数直線と見なし、
その数直線上、どこに10個の星が位置していたか
を描いたものが「ホロスコープ」です。
ですから、ホロスコープは円を描きまして
その円周に星の位置をプロットしていくことになる、わけです。
そして、コンパスの針がぶすっとささるその円の中心に
地球が位置している、ということになります。

星占いは「天動説」の世界です。
いまだにそうです。
地球が止まっていて、太陽や他の星々が
地球の周りを回っているのだ、と考えます。
ある意味ものすごく自分勝手ですが、そうなのです。

で。
「サイン」「黄道12宮」「12星座」
とよばれる例のアレは
この「黄道」を12こにエリアわけしたものです。
そのエリアの標識として、たまたまそこにあった、
恒星でできた星座をそのエリア名としたわけです。
これが「the 12signes of the zodiac」でございます。
星占いで使う10この星、
これがどのエリアにあるか、で
星の機能がなまります。
つまり、牡羊座にある水星は「牡羊座ナマリになる」わけです。
星占いで使う「星」は、
すべて神様の名前が付けられています。
つまり、擬人化されているわけです。
1人の人間の生き方や傾向、人生を
「1つのお芝居」あるいは「1つの家族」
と見立てた時、
そこに登場する人々がすなわち、10個の星です。
そして、これらの登場人物のキャラ、性格、カラーを決めるのが
12星座、と言えるわけです。

この、12星座と10星の「キャラ設定」については
2007年後半の「筋トレメールマガジン」で
しつこくこてこてと実演してみましたので
宜しかったらご参考になさってくださいませ。

で。
じゃあハウスってのはなんなんだ
というところです(ようやく本題)。
「ホロスコープとは、ある瞬間の空の星の位置」
ということを申しました。
この「空」ってのがミソです。
空は、上に見えます。
でも、地球をぐるっととりまく「黄道」は
地球の裏側まで書いてあります。
物理的にはそれでヨイのです。
でもホロスコープというのはどこまでも「主観」の世界です。
すなわち、星を見てる我々が「中心」なのです。
ですから、「この空のどこに星があるのか」というのが
今度は問題になってくるのです。
今この瞬間も10この星はすべて空にあるわけですが
見えるヤツとそうじゃないヤツがある。
(まあ、太陽が出てればもうなにも見えないわけですが)

そういうわけで、ホロスコープの上にまず、
地平線をひっぱったのです。
真ん中を突っ切るようにして引かれた一本の線、
これがいってみれば、地平線(水平線)です。
これより上は、太陽さえなくて晴れていれば見えます。
これより下は、地面の下に沈んでしまっているので、見えません。
この大事な地平線が即ち
「アセンダント-ディセンダント」のラインです。
もっと言えば
「第1室(第1ハウス)- 第7ハウス」の「カスプ」です。
つまり、スタートラインです。
「第1室カスプ(アセンダント)」から「第2ハウスのカスプ」までが、
「第1ハウス」となります。
この「カスプ」を「カプス」と間違う方が非常!に多いのですが
カスプ
です。
さあ、混乱してきた(どうよ(爆

第一ハウスのカスプ、即ち「アセンダント」は、
東の空の地平線を意味します。
そこから星が空にのぼってくるのです。
「上昇点」と訳されます。
ディセンダントはその対岸、即ち西の地平線です。
ここに、星々が沈んでいきます。
太陽が東から昇って西に沈む様が読み取れるわけです。
アセンダントは、生まれた時間が解らないと計算できません。
24時間で360度を一回りしてしまうので
足も相当速いです。
生まれた時間が相当正確にわかっていないと、
ずれてしまいます。
母子手帳があって、正確な時間が解っている!と自負している人でも
アセンダントが星座の分かれ目近くにある場合は
正確なところは何とも言えなかったりします。
母子手帳の「出生時間」は
書き間違いや記憶違い、時計のズレ、難産の看護の疲労など
さまざまなトラップの中で書かれています。
お母様の記憶というのもなかなかアテにならなかったりします。
兄弟の記憶を取り違えていたり、ということもあり。
ですので、相当解っているつもりでも
それほど厳密なものではない、と
ファジーに捉えておく方が冷静な態度と言えると思います。
長男長女、初孫の方などは
周囲も大喜びなのでけっこう正確なところをみんなで記憶してたりしますが
2人目3人目となるとわりあいにイイカゲンになっていくことがあったりします。
なかなか難しいところです。

で。
アセンダント-ディセンダントのラインで「天地」ができあがります。
さらに、空の一番高いところ「店長」ちがった「天頂」と
地球の裏側の空、「天底」を決めます。
「天頂」は「MC」と言われます。
天底、すなわち日本から見るとアルゼンチンの空は「IC」です。
MCとICも、アセンダント-ディセンダントとおなじく
円の中心(すなわち、地球)を通る円の直径として描かれます。
円の中心を通る直線で結ばれるわけですね。
MCは「第10室」のカスプです。ICは第4室のカスプとなります。
この4つのポイントを「アングル」などといいます。
ハウスを区切るラインのなかで最も重要とされる線です。

アセンダントというポイントは
ホロスコープの中でとても大切なポイントです。
そのチャートの「基準点」ともいえます。
すべてのスタートラインです。
ですから、出生ホロスコープでは
まず、アセンダントを見ます。
ここがどの星座にあって、この近くにどんな星がいるか、を
まず、見るのです。
アセンダントは、
その人の「基本的キャラクター」を意味する、といわれています。
その人の第一印象やセルフイメージを表す、とされます。
つまり、たとえば、射手座の方であっても
アセンダントが牡羊座に位置していたら、
人から見ると牡羊座っぽい印象を持たれることが多い、
ということが言えます。
ファッションや背格好、態度などにこのアセンダントの星座があらわれる、
といわれています。
西洋占星術は西洋の占星術なので
髪の色や目の色にも言及することがあるようです。
日本人であればまあ、赤毛の子供や緑の目の子供は
よほどのことがない限り生まれづらいわけですけれども
縮れ毛だったり、肌の色合いが白っぽいとか黒っぽいとか
まあ、そのあたりは違いが出てくるかもねとおもいます。
どこで読んだのか忘れましたが
「火の星座(牡羊座・獅子座・射手座)をアセンダントに持つ人は
 髪が縮れる。なぜなら髪は燃やすとちりちりになるから」
ってあってちょっと笑いました・・・
私はアセンダントが射手座ですが、がっちり天然パーマです(爆
今は縮毛矯正かけてます(自沈

上記「アングル」によって円が4つに割られました。
しかし「ハウス」は12こあります。
このハウスの割り方には、様々な手法があります。
http://www.ffortune.net/fortune/astro/house2.htm
このページの下の方を見て頂くと解るのですが
もういくつもあります。
アセンダントからはじめるのではなく、
太陽のある星座を「第1ハウス」とする手法もちゃんとあります。
「どれをえらぶかで、ぜんぜんちがうやん!」
と思われるそこのあなた、たしかにそうです。
「どれが正しいのでしょうか」
というご質問もよくいただきます。
でも、どれが正しい、というのは、ないのです。
どれも昔から「ある」手法でして、
どれがただしくてどれがまちがってるっていうのが、ないのです。
我々現代人は、科学的な考え方や手法に慣れています。
正しいか間違ってるかは
実験すればすぐ出てくるはず、と思っています。
でも、星占いの世界は、科学とは関係ないのです。
仮説を立て、実験し、証明し、当否を決める
因果関係を論理的に実証的にみきわめる
というこのあたりまえのことが、
星占いの世界では、もとめられないのです。
もちろん、真面目に実データを集めて「研究」している方々も
たくさんいらっしゃいます。
科学的手法で星占いに近づこうとする研究者が
たくさんいましたし、いまもたくさんいることでしょう。
でも。
にもかかわらず、
ソーラーハウスとコッホとプラシダスではどれが「正しい」のか
さえ、こんな単純な命題にさえ、確たる定説はないのです。
もし実証研究が進んでいるなら、
そんなもんとっくの昔に決まってていいはずだと思うのです。
でもそうじゃないのです。

で。
脱線しました。
私は基本的に、ある程度出生時間と出生地が解っている場合は
アセンダントから始まるハウスでホロスコープを読みます。
出生時間がわからない場合は、
できるだけハウストアスペクとだけで読み、
ソーラーハウスを補助的に利用します。
個人的な感触でいきますと、
短期的なことやハッキリ解るテーマを考える上でのトランシットは
ソーラーの方が当たりやすいように感じます。
でも、長期的なことや、
私自身にしかリアリティとして解らないこと、
人に説明しにくいような個人的なことは、
ソーラーよりも、アセンダントとMCを基準にしたハウスシステムの方が
ぴんと来る気がします。

ハウスについては、以下のことをまず読みます。

・各ハウスにどの星が入っているか(で、その星のいる星座はなにか)
・各ハウスカスプにどの星座が来ているか

です。

星があるサイン(星座)は、「カラーや性質、その星のナマリ」を意味しました。
この点「ハウス」は、もっとベタな「人生でのイベント」のようなものを
読むことになります。
要するに、
「結婚はどうなるか」「金運はどうか」「仕事はなにか」
みたいなことです。
星・サインでもこのあたりはある程度示唆されているのですが
ハウスの場合はそれがもっとビビッドです。
以下、ざくっと各ハウスの担当分野を書きます。

第1室 容貌、第一印象、基本的キャラ、セルフイメージ、健康
第2室 得るもの、獲得する財産、特技
第3室 兄弟姉妹、コミュニケーション、学習(基礎)、言葉、近距離の移動
第4室 家族、居場所、家、不動産、晩年
第5室 恋愛、創作、あそび、趣味、子供、与える愛
第6室 健康、就労雇用関係
第7室 パートナーシップ、結婚、敵対、契約ごと
第8室 相続、パートナーの収入、遺伝、贈与、死や性に関すること
第9室 親戚縁戚、遠方への移動、長距離の旅行、専門分野、高等教育
第10室 天職、社会的地位、キャリア
第11室 友人関係、将来の夢、受け取る愛
第12室 過去、隠された傷、犠牲になること、献身

などなど、です。
これはこれだけじゃないです。
本をお読みになるともっといろいろなものが入ってます。
12星座と同じく、12ハウスもまた「象徴の体系」です。
辞書的に意味が付与されているのではなく、
ひとつひとつがある1つの「世界」なのです。
ですから、そこから具体物をたくさん、いくらでも取り出すことができるわけです。
ここに挙げたのはそんな、各世界からピックアップしてみた
「具体物の一例」といえるとおもいます。

たとえば、乙女座金星を9室に持っていた方で、
化粧品の輸入関係の仕事をしている方がいらっしゃいました。
 金星:美に関すること
 乙女座:健康や五感に関すること、地の星座であるため、物質的なこと
 9室:海外に関係すること
とこう読み取っても、これを上記のように具体的にブレイクダウンして
「的中させる」のは、
けっこう難しいということ、容易にわかっていただけますでしょうか。
でも、この「答え」を聴いてしまうと
「なるほどね!!」
と言うしかないわけです。

ハウスが空っぽだったら、その分野では何も起こらないの?
と解釈する人も多くいらっしゃいます。
でも、そうではありません。
たとえば、5室が空っぽでも子だくさんの人はいらっしゃいます。
7室が空っぽでもたくさんの方が結婚していらっしゃいます。
ハウスがからっぽの場合は、どう読むかというと
こんな具合に読みます。

まず、そのハウスカスプの星座を見ます。
そして、その星座の「支配星」を探します。
その支配星の星座やハウス、他の星との関係(これは、次回お話しします)を見ます。

支配星は、以下の通りです。

 牡羊座:火星  天秤座:金星
 牡牛座:金星  蠍座:冥王星(火星)
 双子座:水星  射手座:木星
 蟹座:月    山羊座:土星
 獅子座:太陽  水瓶座:天王星(土星)
 乙女座:水星  魚座:海王星(木星)

(○○)となっているのは、これらの星座の支配星が
星占いができた頃にはまだ発見されていなかったからです。
(○○)の星の方は今、「副支配星」などといわれていますが
むしろこっちのほうが「本式」といえるかもしれません。
これで、そのハウスのテーマについて起こることを
想像することができるわけです。
とはいえ、やはり星が入っているハウスのテーマの方が
その人にとっては「大切で重要なテーマだ」と感じられるだろうと思います。

たとえば。
第5室がからっぽだったとします。
その際、第5室のハウスカスプを見たら
牡牛座だったとします。
この牡牛座の支配星は金星です。
金星はどこかな・・・・と探してみたら、
第3室に位置し、木星と重なっていたりしたとします。
この場合、恋愛はむしろ盛んかもしれませんし
コミュニケーションの多い恋をされるでしょうし
短めの旅行の時に知り合ったり、
兄弟姉妹の紹介でスタートしたりするかも
あるいは、学生結婚もあるかも
などなど、様々な可能性を考えることができるわけです。

カスプの境目付近に星をお持ちの方は
「どっちにはいるか」で悩んだりします。
でも、まあ上記の時間的な問題もあり
ハウスカスプはけっこうファジーな扱われ方をしています。
境目付近にある星、特にハウスの終わりの方に位置する星は
「次のハウスにもかかわる」
とされています。
カスプ前7度までは次のハウスに入ってると読める
なんて書いてあったりします。
この辺は、サインの境目と対照的です。
サインの境目は、キッチリクッキリ「境目」です。
どっちに入ってるかが厳密に確定されなければならないことになってます。
「星座の終わりだから次の星座の性質も・・・」
というようなファジーな態度は、ナシ、ってことになってます。

ハウスシステムの基本的なところは、こんな感じです。
拙著「星読み」はソーラーハウスを想定して書かれていますが、
あのハウスの読み方は、他のハウスシステムに当てはめて読んで頂いても
差し支えありません。
「第1室」を、アセンダントから始まる「第1室」として読んで頂ける
というわけです。
ただし、「どっちが正しいか」ということは
上記の通り、言うことはできません。
どっちも正しい
ともいえますし
どっちが正しいかはまだ解っていない
と言えるかもしれませんし
もしかしたら、どっちもでたらめなのかもしれません。
それは少なくとも今のところは、わからないのです。