メルマガ発掘シリーズその2「蟹座。」

[前置き]

もう10年以上前、「筋トレメールマガジン」という無料メルマガで、「星占いのやり方」的なコラムを断続的に配信していたことがあります。
ですが、私はほんとうに物持ちが悪くて、そのログがほとんど残っていません。
というのも、まぐまぐ!さんのシステムで配信していて、バックナンバーはすべて公開していたので、そこから読めたのですね。ですが数年前にまぐまぐ!さんのメルマガを廃刊にしたため、なんと!バックナンバーがほぼ失われました(爆)
で、このほどnoteで何か配信したい、でもゼロからやるのはちょっとなあ、、という思いがありまして、古い記事を探し始めて、
「そうだ!メルマガのコラム、残ってないかな!」
と気づいて探したのですが、ほんの数個しか見つかりませんでした・・・・・・(涙

とはいえモッタイナイですし、ここでなにか書いていくための「呼び水」的な意味合いで、少し、その昔の記事をこちらにご紹介しようと思います。
なにしろ10年以上前のメルマガなので、当時のWebの雰囲気、そして私の若い年齢などもあいまって、かなりなれなれしいというか、軽々しいです。すみません。先に謝っておきますね。あまりにもひどいところは一応、加筆修正しました。

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( 「筋トレ」メールマガジン(2006/7/30号)より)

双子座の次は、蟹座です。
ここまでの流れをもう一度おさらいしますと、

牡羊座で、ぽん!と命が時間の中に投げ出されます。
牡牛座で、「時間」を生き抜いていくための器、命を入れるいれものが手に入ります。
双子座で、この「形を成した命」が、いろんな世界を旅し、
自分がいる「時間の世界」を知るようになります。

生まれたばかりの子供が、
いろいろなものに出会って、その名前を覚え、
どんな特徴があるかを体感する。
そんなイメージが、双子座の世界です。
牡牛座の世界は感覚の世界で、
双子座の世界は、知の世界、といわれます。
意識を持ち、
五感で快不快、美醜、好悪を感じることが出来るようになると
それを基礎として、今度は「思考」することができる
ということかもしれません。

そのあと、何が起こるのか。

人は、一人で生まれてきます。
世話をして貰って、心地よくして貰って、
それを「感じる」ことはできますが
何が自分を気持ちよくしてくれているのか、までは
よくわかっていません。
さらに、様々な世界を
知を持って旅できるようになっても
外の世界についての情報は入ってきますが
それ以上でもそれ以下でもありません。

双子座の段階で、「外界」を発見しながら、
なにかたいせつなものがそのかなたにあることを
双子座は感じ取り始めます。
そこで発見されるのが
「感情」「内界」
の存在です。

自分の、うちがわ。
みうち。
安心できる場所。
自分の住む世界。

丈夫な壁で囲まれた、安心できる巣の中で、
感情という新しいものを感じることが出来るようになります。
嬉しい、悲しい、親しみ、優しさ、喜び、痛み。
「感情」は、
人間が生きていく上で欠かせないものです。
自分以外の人間がケガをしたとき
その痛みをそのまま自分で感じることは出来ません。
でも、「感情」の力を使うとき
人は、他人の痛みを自分のものとしてあつかう可能性を手にします。

感情は、人の中から流れ出します。
誰かの感情が流れ出してくるとき
その人の内側に「触れた」という気がします。
感情を共有したとき
その人と自分は、同じ時間を味わっているのだ、という気分になれます。
自分と、もう一人、「我」と呼べるものが拡張する。
思いを共有する
ということは、
人と人とのあいだに厳然とある隔たりを
不思議なやり方で、埋めてしまいます。

牡羊座の世界、牡牛座の世界、双子座の世界では、
「個」

「個」
です。
たくさんの「個」が時間の中で
たのしそうに、忙しそうに、動き回っている世界です。

これが、蟹座まで来ると突然
個と個が繋がってしまう、という状況が発生します。
人と人とは、それぞれがそれぞれ、一つ一つの世界を持っているだけだったのに
蟹座まで来ると、何人かが一つの世界を共有したり、
人と人との気持ちが、隔たりを超えたりするわけです。

風の星座である双子座の世界では
「旅」
がテーマです。
身近な他者の世界への旅です。
ここでは、どこにいってもその人は「異邦人」です。
双子座の扱うテーマに「兄弟姉妹」があります。
兄弟姉妹は、人生で初めて出会う「他者」です。

蟹座の世界では、
「身内」「家族」「仲間」と、
「他人」「外界」とが
くっきりと切り分けられます。
中か、そとか。
中は、「私」です。
外は、「他人」です。
これは、単一のもので実現されることもあれば
複数の「家」が出来ることもあります。
大勢を「身内」として、自分の世界を広げていく蟹座もあれば、
一対一の関わりで「家」を構築し、
その家同士は関わらせないようにする蟹座の方法もあります。
そこでは、思いが共有され、
自分と相手とがどこか、きりはなされずにくっついています。

蟹座は「水の星座」です。
水は、星占いでは「感情、共感」を扱います。
本来、バラバラに切り離されている存在である人と人とのあいだに、
見えないものを流して
一体にしてしまうのです。
風の星座もコミュニケーションの星座で、
他者同士をつなぐことが出来ます。
でもそれは、思考や言葉、ルールなどを使って理性的に行われます。
つまり、いろいろな道具を使って「橋を架けている」ので、
境目を埋めるということではありません。
相手が「我」と感じられたりはしません。
水の星座はその点、
他人と自分の境界線がアイマイなのです。
感情を共有すると
「我」
の範囲が、大きくなってしまうのです。

牡羊座で「ぽん!」と時間の中に放り出された命が、
牡牛座で器を得て、快さを覚え、時間の感触を知ります。
命に動き回り、情報を得る力がついたところで、
双子座という探検に出ることができます。
この世界を楽しく探検しているウチ、
命は、ある欲求を持ちます。
それは、「他者」と関わり合いたい、
他者と自分を融合させてみたい、という欲求です。
他者の内面に触れたい、という欲求です。
ここで、感情がテーマになります。

蟹座は、人の気持ちをくみ取り、自分の感情を相手に伝え、
そこに、2人だけの世界を作り出します。
共感し会える人数が増えれば
それは広がっていくこともあります。
そんなふうに、多くの人々と
「我」
を共有していくうち、
蟹座の世界は、なんとなく無軌道になっていきます。
ぐずぐずにつながりあってしまう、自分と他の人との気持ち。
境界がなくなり、何でも包み込まれてしまいます。
自分が何をしようと、ゆるされてしまう。
外に出されないために、共感の力を緩めるわけにはいきません。
外に対する攻撃、内側に対する抱擁。
内側は、境界線のない世界。
外側は、境界線に隔てられた世界。

この構造をつきつめたとき、
蟹座から獅子座への跳躍が起こります。

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ちなみに、ここで「○○座の人」といっているのは
その星座に太陽やアセンダントを持っていたり、
その星座にたくさんの星が集まっていたり、
そのホロスコープのアセンダントルーラーが入っていたり、など
その人を表す重要なポイントがある場合を意味すると考えて下さい。
通常の12星座占いは「太陽のある星座」を指しますが
個人のホロスコープでは、いろいろなかたちで
「星座」が体験されていることを知ることができます。