メルマガ発掘シリーズその4「天秤座。」

[前置き]

もう10年以上前、「筋トレメールマガジン」という無料メルマガで、「星占いのやり方」的なコラムを断続的に配信していたことがあります。
ですが、私はほんとうに物持ちが悪くて、そのログがほとんど残っていません。
というのも、まぐまぐ!さんのシステムで配信していて、バックナンバーはすべて公開していたので、そこから読めたのですね。ですが数年前にまぐまぐ!さんのメルマガを廃刊にしたため、なんと!バックナンバーがほぼ失われました(爆)
で、このほどnoteで何か配信したい、でもゼロからやるのはちょっとなあ、、という思いがありまして、古い記事を探し始めて、
「そうだ!メルマガのコラム、残ってないかな!」
と気づいて探したのですが、ほんの数個しか見つかりませんでした・・・・・・(涙
とはいえモッタイナイですし、ここでなにか書いていくための「呼び水」的な意味合いで、少し、その昔の記事をこちらにご紹介しようと思います。
なにしろ10年以上前のメルマガなので、当時のWebの雰囲気、そして私の若い年齢などもあいまって、かなりなれなれしいというか、軽々しいです。すみません。先に謝っておきますね。あまりにもひどいところは一応、加筆修正しました。
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(「筋トレ」メールマガジン(2006/10/31号))

天秤座は、乙女座の次にくる星座です。

獅子座で、愛の源泉となる
「我」
を発見。

乙女座で、「我」をもった自分が
「他人」と遭遇、
五感と思考の全てを使い、観察を重ねて調整する。

そこで、乙女座は
悲しみに包まれます。
乙女座は、
自分も相手も同じような存在なのだから
解り合えるだろう、と考えているのです。
本当に話し合えば
詳しく調べれば
ちゃんとわかる。
もしかしたら、一体化できるかも知れない。
このイメージは
少女の描く「恋愛」や「結婚」のイメージに
よく重なります。
お互いが深く分かり合い、矛盾なく、
一緒にいることでマンタン幸福になれる、という
完璧な「愛」のイメージ。
「夢見る夢子さん」
という揶揄がありますが、
その夢は美しく、理想的です。
乙女座は、「現実的である、リアリストである」という傾向と共に
「完璧主義である」という傾向も持つと評されます。
この2つは矛盾しています。
「現実」は、「完璧」とはほど遠いからです。
でも、乙女座は、夢を持って現実を観察しているのです。
だから、時に疲れ切ってしまうのでしょう。
逆に言えば、理想を持ってでもいなければ
そんなに詳細に現実を観察しようと意欲は湧かないのかも知れません。

で。
詳細に「他者」をみつめていくと
そこには、絶望的な断絶があることに気づいてしまいます。
自分は、相手にはなれません。
相手を望み通り操作することもできないし
相手と自分が同じコトをすることもありません。
お互いに立場や役割が違い、価値観も違っていて
どんなに話し合っても解り合えないことが出てきます。

この悲しみが、
天秤座への飛躍のエンジンです。

天秤座は、自分と他人が「違っている」ことを
熟知している星座です。
乙女座の段階で抱えた絶望を
ちゃんと心の中に持っています。
他者と融合することはあり得ない。
他者を全て理解し尽くすことはできない。
でも。

この「でも」が、天秤座のテーマです。
人と人とは関わり合っています。
人間関係が社会や世界を成り立たせています。
つながっていくしかないのです。
最後の最後では解け合えない、けれど、関わって、つながっていきたい。
こののぞみを、天秤座は叶えようとします。

天秤座の管理するテーマは古来、以下のように言われています。

・婚姻
・ライバル
・敵
・裁判

天秤座の天秤は、「はかる」ものです。
天秤は、古来、法律や裁判、裁定の象徴とされてきました。
善悪や大小をはかります。勝ち負けや優劣をはかるのです。
べつべつに置かれた、断絶した存在同士を
位置づけたり、つなげたり、関わらせたりするのが
天秤座の役割です。
天秤座は風の星座です。
理性を持ってコミュニケートしようとします。
お互いの存在を切り離した上で
そこに、美しい橋を架けます。
天秤座を支配する星は、「金星」です。
金星は、愛を象徴する星とされます。

天秤座は、天秤がぐらぐらしているイメージからなのか、
優柔不断だとか、バランス感覚に優れるとか言われます。
でも、私の実占経験では
どうもそういう感じはしません。
むしろ、なにかを「決めてしまっている」印象が強いのです。
自分の中で既に決断が終わっていて
あれこれ悩みながら逡巡するなんて
ほとんど見たことがありません。
判断はシャープで、強固です。
誇り高く、物事を俯瞰しようとする方が多いようです。
上の方から見ないと
「関係」は把握できないからです。
同じレベルでつかみ合いをしてもダメなのです。
少し離れたところから見極めて
なにかが「決まった状態」で、渦中に入ってきます。
そして、物事をきちんと切り分けて整理し
お互いを関わらせようとします。

天秤座は、美しさを司る星座だとされます。
ですが、物質的な美はむしろ
牡牛座や魚座などの管轄かもしれません。
天秤座に星や重要なポイントを多く持つ方は
「美しさ」
というより
「全体」
を感じさせる印象をお持ちです。
たとえば、スカートとシャツと靴とバッグに
ちゃんと「関係」があるのです。
それぞれがまとまった全体の一部として選ばれています。
決して、個々のアイテムが散らばった状態になっていないのです。
天秤座は「絵になる」人が多い
と誰かが評していましたが
それはそういうことだと思います。
全体がひとつのものとしてコーディネートされているのです。

きちんと切り離しておかなければ
本当の意味で「愛する」ことはできないのかもしれません。
お互いの違いを深く知ってそこはあきらめたとき、
初めて、解り合える、という体験をされた方も多いと思います。
自分と相手が必ず解り合えるのだ、と思っていると
失望が多いのですが
所詮解り合えないのだ、と思っているときなら
突然通じたひとつの言葉がとても嬉しいのです。

お互いが別々のモノとして、橋を架ける。
この、天秤座の誇り高く理性的な世界に住んでいると、
いつか、その「関わり」は息が詰まってきます。
孤独に苛まれ
お互いの違いがいよいよ絶望的なモノに感じられます。
誰にも言えないことを、誰にも言わないままでいることは
人にとっては、とても苦しいことです。
お互いの差。
公明正大に言えない秘密。
手を伸ばしても触れない場所。

天秤座が創り出した「関係」は、
しっかりしていて光に満ちています。
でも、そのことは、それだけではいつか
命を失ってしまうのです。
人と人とは、
融合したい衝動と
個として分離したい衝動の
両方を持っています。
誰かを見つけたときは、どんどん近寄っていきたいのです。
近寄れば近寄るほど、自分が失われていき、
いつかそれを取り戻したくなります。
この繰り返しです。この2つの動きは交互にやってきます。
バランス良くまぜておく、ということもできないのです。
波のように、寄せては返すのです。

天秤座は、お互いの関係をいったんびしっと切り裂いてしまいます。
乙女座が五感の全てを使って抱きしめようとしたものは
強引に引き離されてしまいます。
でも、天秤座は
深い溝を隔てて、ちゃんと手を伸ばして、手をつなぎます。
そのあと、蠍座の段階で
この溝が、再び、不思議なやりかたで埋め立てられます。
つながれた手は、そのままの距離と力ではいられないのです。

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ちなみに、ここで「○○座の人」といっているのは
その星座に太陽やアセンダントを持っていたり、
その星座にたくさんの星が集まっていたり、
そのホロスコープのアセンダントルーラーが入っていたり、など
その人を表す重要なポイントがある場合を意味すると考えて下さい。
通常の12星座占いは「太陽のある星座」を指しますが
個人のホロスコープでは、いろいろなかたちで
「星座」が体験されていることを知ることができます。