メルマガ発掘シリーズその8「アスペクト。」


[前置き]
もう10年以上前、「筋トレメールマガジン」という無料メルマガで、「星占いのやり方」的なコラムを断続的に配信していたことがあります。
ですが、私はほんとうに物持ちが悪くて、そのログがほとんど残っていません。
というのも、まぐまぐ!さんのシステムで配信していて、バックナンバーはすべて公開していたので、そこから読めたのですね。ですが数年前にまぐまぐ!さんのメルマガを廃刊にしたため、なんと!バックナンバーがほぼ失われました(爆)
で、このほどnoteで何か配信したい、でもゼロからやるのはちょっとなあ、、という思いがありまして、古い記事を探し始めて、
「そうだ!メルマガのコラム、残ってないかな!」
と気づいて探したのですが、ほんの数個しか見つかりませんでした・・・・・・(涙
とはいえモッタイナイですし、ここでなにか書いていくための「呼び水」的な意味合いで、少し、その昔の記事をこちらにご紹介しようと思います。
なにしろ10年以上前のメルマガなので、当時のWebの雰囲気、そして私の若い年齢などもあいまって、かなりなれなれしいというか、軽々しいです。すみません。先に謝っておきますね。
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アスペクト。
この用語は、星占いのページにはけっこうすぐ出てきます。
占いをしていて一番おもしろいのが
実はこれなんじゃないかと思っているくらい、
私にとっては、とても好きな理論です。

アスペクトというのは、
私の「筋トレ週報」の「全体の空模様」にも
非常によく出てきます。
いわゆる
「今週は木星と天王星が60度を作り・・・」
という例のヤツです。
「星と星の作る角度」。
これが、アスペクトです。

でも「角度」ってなんじゃい
ということがまず、ナゾです。

ホロスコープは天動説の世界で、
地球は黙って円の中心に動かずにいて、
そのまわりをぐるりと太陽が一周する、
その道筋をひとつの数直線(っていうか曲線)に見立てまして
この数直線上のどこに、惑星や月が散らばっているか
をプロットしたものが「ホロスコープ」です。
「星と星の角度」
とは、
円周上にある星と、円の中心を結んだ線同士が作る
いわば「中心角」のことです。
この、中心角の中の
特定の角度を指して「アスペクト」と呼ぶわけです。

「特定の角度」
とはなにか。
これは端的に言って、以下のようになります。
 0度(つまり星が重なってる)
 180度 
 120度
 90度
 60度

 150度
 30度
 45度
 135度
 72度
 144度
 51度

等々。
これは、上に行くほど「強力」で、
上の5つはとくに「メジャーアスペクト」と言われます。
60度の下にあるのは上の5つほどは強くなく
「マイナー」で、「マイナー」どうしの順位は似たり寄ったり、
という扱いになっております。

ホロスコープは360度ぐるりを
12星座に30度ずつ割ったもの、です。
各星座30度ずつあります。
ですからアスペクトをなしている星というのは
こんな具合になります。

「太陽が天秤座の12度、火星が獅子座の12度で
 太陽と火星が60度をなしている」

更に、全てのアスペクトには名前がありますので
もっとかっこよく言おうと思うとこんな感じになります。

「太陽が天秤座の12度で火星が獅子座の12度。
 太陽と火星のセクスタイル(セクステル)です」

完全にぴったりその度数でなければいけないか
というと、そうでもありません。
多少の余裕が許されます。
完全にぴったりの方が強力であって
ゆるければゆるいほど曖昧になる
等とも言われています。

たとえば

「射手座の1度の金星と、射手座の4度の海王星は
 コンジャンクション(0度)である」

と言えます。
よーするに、1度と4度なら3度、差があるわけですが
この程度は「誤差です」と言う扱いになるのです。
この「誤差」はいろいろなリクツがございまして
一概に「このくらいです」とは言えないのですが
実務的にはだいたい大雑把に
大物同士(太陽や月がからむ)ならば5〜7度くらいまでのズレ
小物同士(上記が絡まない)ならば2〜4度くらいまでのズレ
メジャーならわりと広めにズレを許すけど
マイナーは1度程度しかゆるさん
等という感じかなと思います。
この「ズレ」「許容範囲」のことを「オーブ」と呼んだりします。

では、アスペクトでなにがわかるのか。
「サイン(12星座)」では、その人の大まかなカラーなどがわかりました。
「ハウス」では、その人の人生に置けるイベントの様子
 (金運、だの、結婚運、だの、家庭運、だの)がわかります。
で、「アスペクト」。
これは相当、その人の人生や性格「固有のこと」がわかる
ということになっています。
つまり、
1星の意味とそのサイン・2星の意味とそのサイン
で、合計4つのものの組み合わせになっています。
つまりは、相当ユニークになるのです。

たとえば。
例を挙げて考えてみます。

上記
「天秤座太陽と獅子座火星の60度(セクスタイル)」。
これはどう「読む」ことができるのか。
すでにここから
「こうです」
と辞書的にびしっと決まらないのが歯がゆいくらいなのですが
まず、象徴的なところを列挙してみます。

天秤座太陽は、思考力と「全体」を見渡す力に優れ、
深く考えて最善の策を決断しようとする、理性の星座です。
ポジティブで明るく、「人」に関心を持っていて
関係を作ることを大切に考える星座です。
審美眼に富み、価値観は自分固有の物として築き上げ、
そこから物事を考えます。
愛に満ちていますが、自分の審美眼が揺るがない、という
誇り高さも際立った星座です。

一方。
獅子座の火星です。
火星は「意欲、攻撃性、性的な力、男性性」などを扱います。
獅子座は自己表現が好きな星座で、
心の中に抱えている熱いものを人に見えるように表したい
という傾向を持っています。
この星座に火星が来ることで、おそらく
好き嫌いがハッキリしており、
人に弱みを見せることが大嫌いで、
自分の芯の強さや考えを、華やかにアピールしたり
人の注目を集めたりすることに意欲を燃やすタイプ
というような雰囲気が出てくると思います。
個人として評価されることに意欲が湧くわけです。

この2つの星が60度というアスペクトをつくります。
アスペクトには、それぞれ固有の意味があります。
まず、大雑把に大別して二種類に分けられます。
一つは「ソフトアスペクト」、
もうひとつは「ハードアスペクト」です。
ソフトが幸運でハードが不運
などと書いてある教科書もあります。
私の考えでは、
ソフトは「保たれる、スムースである」
ハードは「変化する、ブレイクスルーする、インパクトが強い」
ということではないかと思います。
これはこじつけとか「ポジティブな読み」とかではなくて
ちょっと冷静に考えて、そうかなと思ったのです。
要するに
星占いができた時代というのは
大昔
なのです。
大昔の本を読むと、プラトンなんかが
「変化は悪だ」
といってます。
要するに
国家や文化や家系は、
安定的に保たれることが一番「幸運」なわけですね。
変わらないことイコール、イイコト
だったわけです。
つまり「Yes, we can change」なんていうこの時代とは
全く価値観が、吉凶の意味合いが、
違っている、といえると思うのです。
「変わりたいけど、変われない」
といっている人にとって
ソフトアスペクトはあまり要らないわけです。
自分を変える
とかいうのは、確かに辛い面もあるわけです。
過去の自分を否定しなければならないからです。
でも、だからってそれが「不運」かというと
全然そうではないわけです。

よく、ホロスコープを楽しんでいる方の中に
「私は太陽スクエア土星もちで・・・・」
などと
ハードアスペクトを持病のように考えている方もいらっしゃいますが
どちらかといえば120度(トライン)のほうが
治らない持病みたいなもんかなと思います。
素晴らしいグランドトラインの持ち主であるにもかかわらず
法に触れるような悪癖がどうしても治らなくて刑務所にいりびたる
という人のホロスコープを見たことがあります。
一方、ハードアスペクトが多い方で、
それまでの常識を打ち破るような革新的な仕事を成し遂げた
という人も多く見られます。
そういうことなんだろうとおもう、わけなのです。

で。
ながくなりました。
上記のサンプルに戻ります。
60度、セクスタイルは
「ソフトアスペクト」です。
2つの星が協調的な関係にある
とされています。
協力して何か作業をしてる
みたいな感じですね。
獅子座火星も天秤座太陽も
とても明るくて、でも誇り高い星座です。
自分を前に出しますが、同時に
獅子座は姉御肌というか、頼まれたらいやといえない人の良さがあり
天秤座は「他者」に愛を伴った興味を持つ、という意志があります。
ですから、この人は
自分の考えや生き方を人に見せたい、
という思いが強い人だけれども、
一方で、
それを受け取る側に強い興味を抱いていて、
自己表現することで相手の役に立ちたい
という思いも持ち合わせている、ということになります。
「役に立ちたい」
というのは、ここでは、
犠牲とか奉仕とかのイメージではなく、
楽しませたいとか、大事なことに気づかせたいとか
そういう、外側からのイメージが強いとおもいます。

同じ太陽と火星の60度でも
星座が変われば読み方はがらっと変わります。
とはいえ、
太陽は意志
火星は欲求、攻撃力
ですから、この人は意志と欲求がスムースに結びついた
「カナリ熱いひとで、負けん気の強い人であり、
 そのパワーが自然に、スムースに働く」
ということは
どの星座でできていても、言えるだろうと思います。

以下に、それぞれのアスペクトの名前と、
ハード(H)かソフト(S)かを入れておきます。

 0度 コンジャンクション(H・Sどっちも)
 180度 オポジション(H)
 120度 トライン(S)
 90度 スクエア(H)
 60度 セクスタイル(S)

 150度 クインカンクス(インコンジャンクト、ともいう)(H)
 30度 セミセクスタイル(S)
 45度 セミスクエア(H)
 135度 セスキコードレート(H)
 72度 クインタイル(S)
 144度 バイクインタイル(S)
 51度 セプタイル(H)

などです。あとノナゴンとかなんとかとか、
もう少しあったような気がします。
実占いではあまりつかったことがありません。

150と144と135をのぞき、
すべて「360度の整数割り」の度数であることに
お気づきかと思います。
もともと「アスペクト」とは
星座同士の位置関係のことを意味しました。
なので、まあ、そんなふうになっているわけですね。

二つの星だけでなく、
複数の星の角度が組み合わされている場合もあります。
たとえば、

「獅子座の12度に火星
 天秤座の23度に天王星
 魚座の17度に木星」

とかいうことになりますと、
72・144・144
と、三つの星が互いに角度を作り合って、
全体として一つのカタチになって見えます。
星が4こ、5こ、6こと絡み合って
複雑な模様を描くこともあります。
このようなカタチを
「コンフィギュレーション」
と言います。
有名なものには名前が付いてます。

4つの星が円周上に正方形を作り、
90度と180度を作り合うかたちを
「グランドクロス」、
3つの星が円周上に正三角形を作り、
120度で結ばれ合うカタチを
「グランドトライン」
と言ったりします。
ほかにも、
60度と150度の組み合わせの「ヨード」
180度と60度・120度の組み合わせの「メディエーション(調停)」
などは、とてもしばしば目にするカタチです。

これらは、さらに
辞書的に「これはこういう意味です」
などとパッキリ解釈することは困難です。
ですが、ひとつひとつの象徴を読んでいき、
そのなかでその人がどのようにそれらを体現しているかを
具体的にヒアリングしていくのは、とてもおもしろい体験です。

しばしば、レクチャーの中で
私はこれを「実演」と称して、やらせていただいてます。
参加者の方にサンプルケースになって頂き、
その方の星をその場で、
非常に抽象的に解釈して
ご本人に実際のお仕事の内容とか、性格とかを
具体的にうかがってみるわけです。
だいたい、その「たねあかし」を聞くと
参加者全員が
「おおーー」
とため息をついて感心されます。

当たってるんだけど、具体的にぴたりと当てるのは難しい。
私の腕が未熟なせいもあるとは思うのですが、
星占いって、そういうおもしろさがあります。