見出し画像

さよならマルゴー

演歌バックというか・・自分の感覚がおかしくなっていたのは、まだあきやさんの制服化理論に出会う前のこと。

悲しみを高級バッグで埋める

産後体はボロボロなのに、肝心の赤ちゃんは私の腕の中にはいなくて、悲しみに暮れてはいた。それでも心のどこかで、ずっとこのままではいられない、立ち直らなくては!という焦燥感もあった。
今思えば、悲しみなどコントロールできるはずもなく、どれだけ時間がかかろうとも必要な分を自分に許すことが一番大切なことだったのだが、愚かにも私は心の穴を買い物で埋めようとした。


憧れのTHE ROW

私はTHE ROWでバッグを買った。

私は一眼レフカメラを持ち歩くことがあるので、底面積のあっておしゃれなところに持ち歩けるバッグが欲しかった。その条件を満たすハイブランドは、このTHE ROWのマルゴー10かHERMESのピコタンの二択。

それで手に入るタイミングでマルゴーをお迎えしたという経緯。

余談だが、THE ROWのバッグも年々値上がりして、本当にミニマルなのに、想像よりもずっとお高い!
私の欲しかったバッグ、Margaux10は50万ぐらいだった。
ただ妥協しないデザインと素材というコンセプトに惹かれたのは事実。
流行に左右されないというところは、HERMESに追随するのではと思った。

THE ROWの特徴「シンプルかつ完璧な美しさと上質な素材」
コンセプトは「思慮深さと妥協の無い品質に基づいたシンプルさが持つ強さを探求すること」

名品バッグを手放すことを決意

残念なことに、そのバッグを手に入れても高揚することがなくて、やっぱり日々悲しくて、お出かけする気にもなれなくて、そうして一年が経った。

とても素敵なバッグなのだと思う。
それでもこの子を見るたびに私は少し心がちくちくするので、手放すことにした。


私が本当は欲しかったもの


頑張って武装しなくても、
条件だけで選ばなくても、
名品を持つことにこだわらなくても、

ようやくその心境に辿り着いた。
「誰かに認めてもらいたい」という気持ちの方が、その当時は「自分が好き」という気持ちよりも先行していたのだと思う。
おしゃれな街やデパートや路面店に入るときには、なんとなく気後れしたくないという気持ちが強かった。

だけど今の正直な気持ちは、軽やかに生きたい、という感じ。
ずっしりとしたブランドバッグではなく(あ、マルゴーは割と軽いと思います)でつけた自信ではなく、自分の感性で好きだと思えるバッグでお出かけしたい。

そんなわけで、さよならマルゴー
名品(流行り物?)を持つという経験は私をまた一つ成長させてくれました。
もし私がもっと日常をTHE ROWと共に生きるようなステージに身を置くことがあれば、またその時はよろしく!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?