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演歌バッグ購入記(1)

2023年12月初旬、ついに念願の自問自答ファッション教室を受講した私は、講師であるあきやあさみさんにこう相談した。
「ガールズの皆様のnoteで拝読するような、バッグとの出会いが自分にもあるのかわからない」
それから3週後の12/24、私は演歌バッグを購入するため新宿伊勢丹を訪問することになった。

まず、自問自答ファッションに出会う前までのバッグに対する私のスタンスは、ただの荷物を入れて運ぶための袋及び/又は箱状のもの。それ以上でもそれ以下でもない。
バッグを見て可愛いと思ったこともなければ、ブランドバッグを持ってる人に特別な感情を持ったことも一度もなかった。興味ないからブランドバッグと気づかなかっただけというのもあるけど、さすがの私でも知ってるようなブランドのバッグでも、特に羨ましいとも妬ましいとも思わなかった。

しかしファッションのことを考えると、やはりバッグは切り離せない。
今までずっとなんとなく自分のファッションがイマイチだったのはバッグを気にしてなかったからかも、とも思った。

それからはバッグに悩みまくった。
全然可愛くないのに、なんでこんなに高いの。
私に合うバッグってなに。私はバッグに何を求めているの。
毎日バッグのことを考えていたら、バッグに襲われる夢を見てうなされた。

それでもいろいろ見て調べて試着してを繰り返しすことで、これいいな、このコンセプトに共感するな、かわいいけどこれは違うな、と思うバッグがあることを知った。
そこから、ではすきなバッグの中で、私の気持ちに合うものは? と考えるようになった。
いつかこれだと思うバッグに出会った時に買えるように、貯金も始めた。

そんな時、よくあるモデルさんのバッグの中身を紹介する動画が流れてきた。
そのモデルさんをバッグにしたようなバッグだと思った。
似合うというより、似ている。生き写しのようにそっくりだと思った。

後から知ったのは、そのモデルさんはブランドのアンバサダーなので、イメージに合って当然だった。動画も本当のバッグの中身紹介じゃなくてバッグの広告だった。

しかしそのバッグは黒だったので、素敵だけど私のバッグじゃないと思った(黒は私の着ない/持たない色)。

そんな折、新宿伊勢丹1階のバッグ売り場を歩いていたら、あのバッグのブラウンがいた。
お前はあの時のあいつではないか!
発売当初は黒のみで、その後シーズンカラーで何色か発売されたことは最近知った。
その日は凝視するだけで、試着せずに帰ってきた。

その数ヶ月後、自問自答ファッション教室を受講した。
自分は色気が欲しいと思っていたことに気付いて、自分でも驚いた。
そういえば、あのバッグは色気あるよなぁ〜。とぼんやりと思い出した。

教室から6日後、伊勢丹にいた。
例のバッグを試着させてもらって、うん、と思った。
私のバッグですね、とか、似合う、とかじゃない。
ただこれが欲しい、こうなりたい、と思った。
店員さんは、今日のお洋服とぴったりですね、と仰ってくれた。
私が意志を持って選んだ靴と服だから、当然っちゃ当然だけど。

その日の夜、こんなツイートをした。


その2日後、また伊勢丹にいた。再度、うん。と思った。
試しに他のカラーも持たせてもらったが、やはりブラウンがしっくりきた。
接客してもらった店員さんに品番と価格を控えてもらって、連絡先を教えて写真などを送ってもらうことになった。

今考えれば、この時もうすでに気持ちは決まっていて、必死に買う言い訳を探していた。

もうひとつ。
私には演歌を歌うような出来事が人生に起こっていない気もしていた。というより、人に話して話題にできるような出来事が。
私には私の地獄があった。
だけどそれを発表するのはみっともないことだと思っていた。
自称演歌だらけの人から、あなたの悩みなんて取るに足らなくて、平和で良いね、と言われる度に泣き狂いたくなった。

だけどそれは自分のせいでもあって、何があっても、大したことないよ、と言って自分で自分を誤魔化してきた。
心配されるのはいつも、痛い! 辛い! 嫌だ! とすぐに訴える妹で、お姉ちゃん(私)は何にも言わないから大丈夫なんでしょ、という扱いをされてきた。
自分なりの防衛本能でもあるけど、自分で自分を大事にしていなかった。

(続く)

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