R.18官能小説「おぱんつは無添加で」
最終回「素直な気持ちは無添加で」
気分が良いとか悪いとか身体がだるいと感じるのは大抵は起きた瞬間だと思う。
昨日は涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして家に帰った。そして私は誰にも見つからないように部屋に入ってそのままベットに飛び込んだ。
泣き疲れたのか感情のキャパシティを超えオーバーヒートしたのかいつの間にか意識が途切れ気がついたら朝だった。
だが、予想に反して目覚めは良かった。あんなに悲しくて悔しかったのが嘘のように消えていた。だけど今私の胸の中には昨日とは違うモヤモヤが重く引っかかっていた。
それが何かはまだ分からなかった。
気持ちと反して軽い身体は私を洗面台へと連れて行き顔を洗うというルーチンワークをさせる。
鏡を見ると目が少し腫れていて無愛想な顔をしている私がいた。なんか今日の私は不細工だ。
お前は笑った方が可愛いから笑えといつかトウヤさんに言われた事を思い出す。いつも無愛想な彼に言われたくなかったがその時は少し嬉しかった。
鏡の前でにっと口角を上げ笑ってみるがあまり可愛いとは思わなかった。
今日の予定を決める為頭を働かす。昨日の今日で疲れている両親はまだ起きてこない。
もう11時近くであるがお腹はあまり空いていなかった。少し早いが私は妹のお見舞いに行くことにする。
まだお金が集まったと電話で報告してから妹には直接会っていない。良い機会だと思い私は出かける準備をする。
妹のお見舞いに行くと決め家を出るとサービスし過ぎなんじゃないのかというくらい太陽が眩しかった。
「ナナミ〜、入るよ〜。」
私は扉をノックをして妹の病床へ向かう。幸い妹は個室一部屋を与えてもらってるので他の人を気にせず話ができる。
「あ、おねえちゃん。おはよう。」
ベットから身体を起こして少し痩せ気味の少女が笑顔で挨拶してくれた。一見するとただ病弱な女の子にしか見えないが妹の容体は早急に手術が必要なほど良くない。
「おはよう。」
「聞いたよ。お金寄付してくれる人見つかったんでしょ。、、、お母さんすごい喜んでた。」
「ふふっ、そうだね。ナナミは嬉しくないの?」
「そりゃ、嬉しいよ。、、けどお母さんとかお父さんが喜んでくれたのが嬉しかったから、、」
「、、、そっか。」
自分の死を受けいれ生きる事を半ば諦めていた妹にとって治療費が集まり手術が受けられ生きれる可能性が出来た事はまさに眉唾、晴天の霹靂だ。まだ実感が湧かないのだろう。
「寄付してくれた人は来てくれるのかな?お礼が言いたいんだけど、、」
「あ〜、どうだろうね。来てくれるかな。」
お金を寄付してくれた人と聞いてトウヤさんの事が頭をよぎるがそれを意識的に掻き消す。
「これからアメリカ行くんだっけ。」
「うん、そうなるね。」
「おねえちゃんも来るの?」
「そ、そりゃ行くよ。だって家族みんな行くのに私だけ行かないなんてないし、、」
昨日誰かに聞かれた事と同じことを聞かれつい狼狽してしまった。
「おねえちゃん、、大丈夫?」
妹の丸い目が私をじっと覗き込む様に見つめてくる。その真っ直ぐな目に射抜かれると街中でお巡りさんを見つけた時のように何かうしろめたい事があるかと思いを巡らせてしまう。
「な、なんで?どうしてそんなこと聞くの?」
「だって、、おねえちゃん彼氏、出来たでしょ。」
「へっ⁈」
あまりに思いもよらないことを聞かれ声が上擦ってしまった。だが何故妹がそんな事を?疑問が次々と湧いてきて口が車輪のように回転する。
「な、なんでよ。そ、そんなこと、、か、彼氏なんていないしそれになんでそんなこと?」
トウヤさんの事が真先に頭に浮かぶが彼は決して恋人ではないし彼とはそんな関係では無かったと自分で自分に否定する。ただこんな動揺したら何か後ろめたい事があると言っているようなものだ。
「ふふっ、おねえちゃん。嘘つくの下手すぎ。」
「ほ、ホントに彼氏なんていないよ。本当だってば。」
「絶対ウソ。だっておねえちゃんから違う人の匂いするもん。」
「え、に、匂い?」
私は腕を鼻に当て匂いを嗅ぐ。確かにトウヤさんの家で洗濯とか寝たりしていたが自分では自分からトウヤさんの匂いがするなんて分からなかった。
「ふふ、病院の味があるんだかないんだか分かんないご飯ばっか食べてるからか鼻は効くんだ。」
「そ、そう。」
物質的な証拠や論理的な解釈によるものではなく直感や五感による言及はこういった私的な場面ではものすごく厄介だ。特に家族などの気の知れた間柄であるとその的中率は高いため言い訳のしようがない。
妹は小さい頃から鋭かったがまさかここまでとは思わなかった。
「でも、嬉しいんだ。おねえちゃん最近すごく元気そうだし楽しそう。、、いい人なんだね。」
「うん、、いい人だよ。だけど本当に彼氏とかじゃないよ。、、なんかよく分からなくって。」
「でも大切な人なんでしょ。おねえちゃんにとってその人は。だったら全然関係ないよ。」
妹は目を輝かせながら捲し立ててくる。それはさながら教室の隅っこで恋バナに花を咲かす乙女のようだった。
私がしていたのはそんな綺麗なものでは無いが、、
「アメリカに行ったらその人に会えなくなっちゃうよ。それで良いの?」
「な、だって仕方ないじゃない。ナナミが行くのに私が行かないなんてそんな事、、それに行きたくないなんて言ってない、、」
妹は俯き一拍間を置いてから先程とは少し声のトーンを落として告白し始める。
「こんな事言える立場じゃないのは分かってるんだけど、、、ナナミだっておねえちゃんが居てくれた方がそりゃ嬉しいよ。けどそれでおねちゃんが何かを我慢したり出来ないのはすごく嫌なの。、、、ただでさえ私が家族の重荷になってるのにこれ以上迷惑かけるの私、、やだよ。」
切実な妹の思いに言葉が出ない。ミナミがこう思ってるのは分かっていた。だが私は妹の為だからと妹の為に自分の身をすり潰すのは当たり前だと自分に言い聞かせて思考停止していた。
妹の為に費やした時間、労力、青春は間違っていない。これは断言できる。だって妹はかけがえのないたった1人の妹なんだから。
だけど私はそれをいつの間にかそれを言い訳に使ってしまっていたんじゃないだろうか。押し付けがましくなっていたんじゃないだろうか。本当はできたかも知れなかったけどめんどくさくてしなかった事、挑戦したかったけど怖くてできなかった事を本当はやろうと思えばやれたんじゃないだろうか。
私は妹の為と考えるばかり、自分のこと、妹のことを疎かにしていた。
私の人生なのだ。彼みたいに少しわがままになってもバチは当たらないだろう。
認めるのは癪だが彼に言われたことは的を得ていた。ただこれは彼に言われたから決めたのではない自分で決めたのだ。
「私がいなくても寂しくない?」
「うん、寂しくなったら電話するからへーきだよ。」
「そっか、実は私、陸上部に入りたかったんだ。」
「うん、絶対向いてる。絶対かっこいいよ。」
「ありがと。、、、ナナミ、色々ありがとね。」
「うん、、グスッ、、、、グスッ。」
「なんで泣いてんの?、、フフッ。」
「だっておねえちゃんが、、、グスッ、、グスッ。」
感極まってしまったらしくしばらく気持ちを言語化出来ずにぐずる妹。
「落ち着いた?」
「うん、落ち着いた。で、、結局どうすんの?おねえちゃん。」
私は力強く脚を踏み出して胸を張り堂々と病院を出る。向かう先はただ一つ。あの野郎の所だ。
いざ、勝負だ。私の人生でいちばんの大勝負だ。首を洗って待ってて欲しい。
親には今日は帰らないと連絡した。覚悟は決まった。
もう下を向く必要はない。私は斜め上を向いて胸を張りガニ股で誰かさんみたいに歩く。
丁度お腹も空いてきた。今の私は最強だ。
「トウヤさん!入りますよ!」
私は彼のアパートのドアをインターホンも押さずタックルする様に押し入る。
「あいたっ!」
ドン!と固いドアにぶつかりタックルのエネルギーがそのまま自分に返ってくる。
鍵が掛かっていた。そういえば彼は戸締りにうるさかった。
「開けてください!私です。開けてください。」
近所迷惑も憚らず私は大きな声で叫びながらインターホンを連打してドアノブをガチャガチャする。
人の気配はする。彼はこの時間帯は絶対家にいるので中に彼がいるのは間違いない。
「あーけーてください。私です!」
なかなか応答が無いが諦めず呼び掛けインターホンをかき鳴らす。
インターホンを連打し過ぎて逆に聞こえづらくなってしまっているが気にしない。
するとガチャリと鍵を開ける音がして扉が開く。
「うっっせーよ!なんなんだよ?」
困惑と苛立ちを露わにして1人の青年が睨みつけてくる。
扉から出てきたのは私が知っているいつものトウヤさんだった。私は少し安心して笑顔で言い放つ。
「お腹空きました。ご飯食べさしてください。」
「ったく、、お前が来ると思わなかったから1人分しか作ってねぇよ。」
彼はグチグチとぼやきながらテーブルに座る私に手作りらしい中華まんを振る舞ってくれる。
「トウヤさん、一人で8個も食べるんですか?」
彼の手作りの中華まんは大人の拳ぐらいの大きさで育ち盛りの高校生でも8個を食べきるのは難しい量だと思う。
「、、、明日の分とかもあるんだよ。」
わざとらしく不機嫌に振る舞う彼。私はわざとその態度に気づかぬフリをして能天気に振る舞う。
「じゃ、いただきますね。」
モクモクと白い蒸気を放つ白く柔らかい中華まんを手に取る。それを頬張るとまず小麦粉の純粋な甘みが口に広がりその後に豚のひき肉のズッシリとした旨味が来る。
無駄なものが一切入っていない家庭でしか食べれないまさに手作りの中華まんだった。
本来中華まんは中国の家庭料理なので手間を気にしさえしなければ簡単に作れる。下手な中華街で保存料の入った高価な中華まんより自分で作ったものは比べ物にならないほど美味しい。
やはり彼の料理へのこだわりは素敵だ。正直、胃袋だけでいえば私はもう彼にぞっこんである。
「お前、、なんで来たんだ?、、もう来なくていいって言ったよな。」
私がムシャムシャと中華まんを無神経に食べているとナイーブな彼が怖い顔で質問してきた。
それに私は毅然と答える。
「私、昨日トウヤさんに言われた事を色々考えてみたんです。それで決めました。」
「、、、、何をだ?」
「自分のやりたい事をやってみようって決めました。もう言い訳はしません。」
「そ、そうか。」
彼は私の要領を得ない分かりにくい発言に怪訝そうに眉をひそめる。
「それといろいろハッキリさせたいと思いました。」
「お、おう。」
ここが潮時、分水領、正念場。私は彼の目を見てハッキリと言い切る。
「トウヤさんは私にどうして欲しいんですか?」
この一言は私と彼のこの曖昧な関係をハッキリさせる上で必要不可欠でありこれ以上ない言葉だと自負している。
それと同時にこれはゴングだ。今までの自分と決別するための戦いの鐘なのだ。
「どういう意味だ?」
「だから、私に日本にいて欲しいんですか?アメリカに行って欲しいんですか?どっちですか?」
「な、、どういう事だよ。い、意味分からん。」
「分かりませんか?トウヤさんの一言で私が日本に残るか、日本を出るか決まるんです。」
彼は言葉を詰まらせて目をパチクリさせながら早口にまくし立てる。
「おいおい、わかんねぇよ。お前の妹の治療のためにアメリカに行くんだろ?なんでオレが関係あるんだよ。」
「忘れたんですか?昨日あなたが言ったんじゃないですか。自分を大切にしろ。自分のやりたいようにやれって。」
「それは確かに言ったけど、、だからそれになんでオレが関係するんだよ。」
彼は反論こそするがその言葉には力がこもっていない。私は好機とばかりに続ける。
「はぁ、、だからですね。私は日本に居たいんです。海外に行きたくないんです。ここまで言わなきゃ分かりませんか?」
やっと私の言いたいことに察しがついたのか、何も言えないのか彼は口籠る。
「なんで私が日本に居たいか分かりますか?」
逃げ道を徹底的に潰すためにさらに私は彼を問い詰める。
「そ、それは、、、陸上やりたいんじゃなかったか?」
「はぁ、、あのですねぇ。それもありますけどそんなのアメリカでだって出来ます。どっちかと言えばあっちの方が陸上は盛んです。」
「じゃ、じゃあ何だよ、、」
「もうホントは分かってますよね。ここまで言えば。あなた頭良いんですから。」
私がアメリカに行くかはトウヤさん次第と言ってその後に日本に居たいと言えば嫌でも言いたいことは分かるだろう。
伊達に2週間近く衣食住を共にしてきていない。それくらいの意思疎通は取れている。
「あなたと離れたくないんです。だから日本に居たいんです。、、女の子にここまで言わせて恥ずかしくないんですか?」
彼には兄のような安心感を抱く時もあるし、悪ふざけが一緒に出来る友達のような居心地の良さを感じる時もある。
胸を張って他人の目に気にし過ぎず堂々として彼の人間的な強さに尊敬した。疲弊していた私に安らぎ、自分に素直になる勇気ときっかけを与えてくれて感謝している。
ぶっきらぼうでデリカシーのなさにイラつく。道徳、倫理観の欠如に呆れる。
本当は寂しいくせに甘え方が分からない、自分の気持ちを素直に伝えられない彼の幼稚さにもどかしくなる。
彼に抱いている気持ちとは恋心とは少し違う気がする。そんな甘く優しいものではないしあまりそれとは認めたくない。
ただ彼と離れたくないという思いだけはハッキリしていた。
だからこそ今までのような何か些細な出来事があっただけで壊れてしまうような曖昧で弱い関係は終わらせたかった。
その決意のせいでもう二度と会えなくなる程に修復不可能な関係になるという怖さは不思議となかった。
何でかと言われれば答えられないが根拠のない自信が今の私には満ち溢れていた。
黙ったままの彼に向かって私は更に続ける。
「ですけどね、、私だって自分のことを好きかどうかも分からない人の所より私を必要としてる妹のところに行きます。もう一回聞きます。私にどうして欲しいですか?」
「、、、、ちょ、ちょっと待ってくれ。そんな急に言われても、、」
「へたれですねぇ。いいですよ、肉まん食べ終わるまで待ちましょう。冷めちゃいますからね。」
「こ、このやろう、、」
この場における主導権を完璧に掌握して彼は捨て台詞しか吐けない。なんか今までとは立場がまるで逆で面白い。
今まで中華まんに手をつけてなかった彼がようやく一口目を頬張る。何も喋らず妙に神妙にしている彼は元気がないというより緊張している感じだ。
「肉まん美味しいですよ。」
「、、、だろ?やっぱ手作りだよな、、」
言葉節にに歯切れが悪い彼をもう少しいじめてあげようかと思ったけど流石にやめておいた。
私は彼が食べ終わるのをじっと見ていた。
そしてお互いの皿が空になった所で満を辞して彼に質問する。
「で、、どうなんですか?答えは出ましたか?」
多分彼も心の準備をしていたのだろう。観念したと言わんばかりに言葉を振り絞る。
「あ、あぁ、、、オレの負けだよ。完敗だ。」
まだここまできても肝心な事を言葉にしない彼。往生際が悪い。
「私はあなたとゲームしてた覚えはありませんよ。なんなんですか?」
「う、、お前に、日本にいて欲しい、、」
ここが彼の限界だったのだろう。恥ずかしいのか顔を伏せながら弱々しい声で白状する。
ここで許してあげてもいいがなんか彼が可愛いのでいじめたくなってしまった。
「なんでですか?」
「お、お前、そこまで言わせるのか⁈」
彼は顔を真っ赤にして立ち上がり上擦った大きな声を出す。すごくかわいい。
「聞きたいんです。いつも自分のことは教えてくれないじゃないですか。今日ぐらい、、、教えてください。」
「そ、それは、、、その、、お前といると楽しいからだよ。」
「それは私のことが好きってことですか?」
「、、、そ、そうなるかもしれない。」
どうしても好きと直接的な単語が言えない彼に助け舟を出してあげた。
彼は非常に人に対して好意を表すのが苦手なのだ。好きだと言って欲しかったがまあいい。これはこれで彼らしい。
「そうですか、、まぁいいです。それで許してあげます。」
「じゃ、じゃあもうアメリカには行かないのか?」
「はい、明日親に話してみます。多分一人暮らしも許してくれるでしょう。」
「そ、そうか。」
明からさまにほっとしだす彼。そんなに嬉しいのだろうか。
「嬉しいですか?」
「もう、、勘弁してくれ。」
「ふふ、いいですよ。勘弁してあげます。」
苦笑いして手を振りもう無理だと主張する。
「じゃあ、お皿下げますね。」
「いや、いい。そのままで。」
「え?そうですか?」
「今日はこのまましたい。」
「、、、そういうことは言えるんですね。」
「うるさい、、」
彼は静かに私に近づいてきて手を取る。その手は力強く直感的に敵わないなと感じた。
彼に連れられシングルベットの上に二人で座る。このベットは幾度もそういう行為をしてきた場所だが何故か今日は初めてするような変な感じがする。
「私、歯磨いてませんよ。」
「オレもだよ、、気にする?」
「肉まんの匂いがするだけです。いいですよ、このままで。」
「そうか、、」
すると彼は私の肩を抱き寄せて頭を擦りつけるようにしがみついてくる。
いつもならば彼から私の身体を愛撫してくれてリードしてくれるのだが今日はなぜか身体を寄せて抱きついてくるだけだった。
「今日は私が触っていいですか?」
「え?、、あぁ、いいよ。」
私から彼に今まで何かを自発的にする事は無かった。じゃあなんでしたくなったかと言われると分からない。ただ今日はそういう気分だった。
「じゃあ寝てください。」
彼を仰向けに寝そべらせて私は彼の太く引き締まった太ももに手を這わせて徐々に上へと昇らせていく。
手を足の付け根まで這わせて少し横にずらすと筋肉や脂肪とは違う異質な感触が手に返ってくる。
「あ、、、大きくなってる。」
「ま、まあね。」
「前から気になってたんですけど、トウヤさんのって大きい方なんですか?小さい方ではないですよね。」
「あー、まあ平均より少し大きいくらいじゃないかな。まあでも、コンディションによっても結構違うし大事なのは使い方だよ。」
「ふーん、そうですか。」
てっきり自慢するのかと思ったら意外と謙虚なので意外だった。女性の胸のように男性で性器のサイズを気にしている人は多いと思うが女性はそこまで男性の性器の大きさを気にする人は少ないと思う。
清潔にしていてくれればそれで十分だ。彼の言う通り大事なのは使い方だと思う。
服の上から数回手で優しく撫でてから彼のズボンに手をかける。
「脱がしますね。」
私のタイミングに合わせて腰を浮かしてくれた。お尻の下までズボンを脱がすとピンと張り詰めて上を向いたモノが見える。
それを私は馬乗りになって手で優しく掴む。こうして見るとなんか私から生えているみたいだ。
そして手を筒状にして上下に優しく擦る。
これだけで彼の腰が浮き上がってくる。私の体重などそれだけで軽々と持ち上げられてしまうのだからすごい物だ。
「気持ちいいですか?なんか先っぽヌルヌルしてきましたよ?」
「はぁ、、あぁ、、もういい。」
ガバッと身体を起こされてあっという間に上下反対になってしまった。恥ずかしかったのだろうか。
「まだ全然してませんよ?いいんですか?」
「あぁ、もういい。今日はもう挿れたい。」
彼の顔を私が見上げるような形になる。お互いが服を脱いで全裸になる。
「そうですか、いいですけどその前に一つ良いですか?」
「何?」
「名前で読んで欲しいんです。いっつも私の事お前とかで名前で呼んでくれないじゃないですか。」
「え、、えぇ。そ、それはちょっとなぁ、、」
「なんでですか?」
「なんか、、恥ずかしいんだよ。」
彼はプイっと顔を背ける。まさか彼にそんな純情でウブな所があったとは驚きだ。
「呼んで欲しいです。今だけでいいので、、お願いします。」
「、、わ、分かった。ミ、ミナミ、、、、、」
彼は恥ずかしそうに目を背けて私の名前を絞り出す。それだけで私はすごく嬉しかった。
私は彼の頭に手を添えて背けた顔をこちらに向ける。目が合ってそれだけでもう十分だった。
私は脚を開いて彼を受けいれ彼は腰を突き出して私を求める。
膣が熱く押し広げられて異物感とじんわりとした快感が広がる。
奥までそれが入ったのを感じると動きが止まる。
「、、、、動かないんですか?」
「なんかこの感覚を長く楽しんでたい。」
彼は私に覆いかぶさってきて力強く私を抱きしめる。そのまま身体の至る所を密着させて体温を混ぜ合う。
まるで彼と身体がくっついてしまったんじゃないかという様な錯覚に陥る。
そのまま彼は5分程もじっとしていた。私の下腹部は熱くなり動かされていなくとも膣に入ったゴツゴツとした異物によってすごく感じてしまっていた。
動かして欲しい、早く中を掻き回して欲しいと思っても彼は動いてくれない。
私はもう耐えきれず呼吸を荒くさせながら彼の分厚い身体に抱きついて腰を動かしていた。
「もう我慢できない?」
「はぁ、、、はぁ、、動いて欲しいです、、」
「いいよ。」
短く耳もとで囁かれて彼の腰がゆっくり動き出す。すると望んでいた刺激が膣に奔る。
だがまだもどかしい。私は彼のゆっくり動く腰の動きに合わせて自ら腰を動かしてしまう。
「はぁ、、あぁ、、もっと、、もっと動いて、、」
あまりのもどかしさに懇願してしまった。
彼は何も言わず段々と腰の動きを早く、激しくしていった。焦らされていた分望んでいた快感が来ると私はただそれに身を任せた。
「はぁ、、ぁあ、、ああ、、」
激しく腰が打ちつけられてグチュグチュと卑猥な音がする。彼から激しく求められて心が満たされていくように感じる。
「はぁ、、わ、わたし、、イきそうです。」
「あぁ、オレも、、」
背中に跡がつくんじゃないかと思うほど強く抱きついて絶頂へと駆け昇っていく。
「あぁ、、ああ、、ああっ」
お互いの声や吐息が混ざり合い感覚までも一緒くたになって脳が痺れるような絶頂を迎える。
彼の太く熱い肉棒が私の一番奥を突き上げてドクドクと脈動するのが分かる。
「はぁ、、はぁ、、すごい良かったです。」
「もう一回いいか?」
「あっ、、ちょっと休憩、、あっ、、」
私はもう息も絶え絶えだが彼にはまだ余裕があるらしく抜くこともなくまた動き出した。
私はまだ絶頂の波が続いているのに激しく突かれるとまたすぐイッてしまいそうになる。
「ま、また、、イっちゃう、、あぁ。」
彼の精液と私の愛液が混ざり合いねっとりと絡みつく。もう何も考えられなかった。
「あ、ああ、、イ、イく、、」
私の背中は大きく反り脚は彼に巻き付いて快楽に身を委ね身体をびくつかせる。
暴れる私を押さえ込むように彼は私を抱いて激しく腰を打ち付ける。何度も絶頂しているのに止まらない膣への刺激は私を狂わせるほど凄いものだった。
「はぁ、はぁ、はぁ、あぁ、あぁ、、も、もうダメ、、、」
「もう、オレもイくから、、」
「あぁ、ああぁ、あっ、あっ」
彼の絶頂とともに私も3回目の絶頂をした。続けて3回目の絶頂は長く3秒くらい続いた気がする。
全てを出し尽くしたという感じだったので終わった後の私は放心状態でピクリとも動かずにベットの上で寝ていた。
10分ほど会話もなくそのまま寝ていると不意に彼が話しかけてきた。
「いつからオレがお前のこと好きだって気づいてた?」
「え、そうですね。いつからって訳じゃないですけど結構前からそうなんじゃないかと思ってました。だってただセックスしたいだけならご飯なんて作らなくてもいいし私のことを気遣ったりしなくていいですから。」
「そうか、、」
「まぁ、ただ寂しくて話相手が欲しいだけかもとは思いましたけどそれだと私にこだわる必要は無いですもんね。」
「はは、、そうか。」
「私はトウヤさんのご飯は最初から好きでしたよ。」
「そりゃそうだろ。オレの作った飯は美味い。」
「そうですね。」
それきり彼は何も言わず私も寝てしまった。
「おい、起きろ。朝だぞ。」
「え、、あ、はい。」
泥沼のような眠りから彼の声で目が覚める。なんかお腹が痛い。昨日は頑張り過ぎたのかもしれない。
時計を見るともう10時だった。
「朝はどうする?」
「あ、朝ごはんは大丈夫です。今から帰って親と話したいと思います。」
「そうか。」
それだけ言うと彼は満足そうに笑った。
私は服を着て歯磨きや洗顔などの最低限の身支度を済ませる。すると彼の机の上にある写真に目がいった。
「あ、あのコレって。」
「あぁ、オレの親父だよ。一枚だけ取っといたんだよな。」
「今まで飾ってなかったですよね?」
トウヤさんのお父さんは彼に莫大な遺産を残して死んでしまったとしか聞いていない。今まで遺影を飾って無かったことから何か確執があったのかも知れないがそこら辺の話はまだ聞いたことがない。
「そうだよ。まあ、けどそろそろ飾ってやってもいいかなと思ってな。」
「そうですか。そこら辺の話もこれから聞かせてくださいね。」
「あぁ。気が向いたらな。」
「分かりました、、ってコレ私のパンツじゃないですか!」
彼のお父さんの遺影の横にはいつぞや盗られた私のウサギさんパンツが飾ってあった。
なんて罰当たりなんだろう。
「ははは、いいだろ。別に。」
「良いわけないじゃないですか!絶対返してもらいますからね!」
「それはできない相談だ。」
「こ、このゲス野郎!」
「ははははは。」
彼の高笑いが部屋に響いた。
「じゃあ、行ってきますね。」
彼のアパートを出て私は家に帰り親と話すため、彼はこれから銀行に行って妹の治療費を振り込むために外に出た。
「あぁ、でもいいのか?オレのために日本に残って、、」
「あのですねぇ、、私だって考えなしにあなたの為に残るんじゃありません。死ぬほど悩んで決めたんですからそこは素直にありがとうって言ってください。」
「あぁ、、ごめん悪かった。ありがとう。」
「いえ、どういたしまして。」
「あ、あとオレもやりたいこと決まったよ。、、お前のお陰だ。」
「そうですか。何やりたいんですか?」
「今日の夜は鍋だからな。そん時話すよ。」
「そうですか。どっちも楽しみにしてますね。」
お互いの顔を見てもう言いたいことがないか確認しあう。彼がオレもう行くわ。という前に私は忘れ物を思い出した。
「あ、忘れてました。」
「なんだ?」
私はとぼけた顔をしているトウヤさんの唇にそっと不意打ちのキスをした。
「そういえば私たちキスしたことありませんでしたよね。それじゃ、また夜会いましょう。トウヤくん。」
「う、、うぉ、、お、おう。」
私は彼の慌てふためいた顔を確認すると勝利の余韻と共に勢い良く振り返る。
体も心も驚くほど軽くどこまでも行けそうなのにすごく胸は満たされていてしっかりと地面を踏めた。
春を感じさせる追い風がすごく気持ちよかった。
・あとがき
いやはやいやはや、やっと終わりました。おぱんつは無添加で。この作品は本当に思いつきで初めてエロ小説、というか小説というものも書いたのが今回が初めてだったので最終回まで書けて本当に良かったです。
なんか最後の方は小説自体が僕を振り切り暴走してしまって予想の5倍くらい真面目な話になってしまいました。
これからはもっと頭の悪い馬鹿みたいな話を書いていきたいです。
もうちょっと続けても良かったですが違う話も書きたかったしこれ以上続けてもいいことないと思いバッサリ終わらせました。
なんか書きたいことは全部書けましたが終始フワフワしていて落ち着きのない文章で書いてる途中いっつも不安でした。これ面白いか?といっつも思ってました。
まあ、不細工な小説ですが自分に大きな影響を与えてくれたので感謝しています。これが思春期の黒歴史にならないようにこれからもエロ小説は続けていきます。
・次回作予告
「レイプしたっていいんだよ」
二人組のプロレイピストが自分たちの独断と偏見で決めた社会にあだなす女達をレイプしまくる話です。
「女の子にちんちん」
ふたなりの女の子と普通の女の子のほのぼの百合エッチを色々見ていく話です。
どちらも変わりばんこに1週間に一回更新していきます。
来週は「レイプしたっていいんだよ」を投下する予定です。では、またどこかで会いましょう。ありがとうございました。
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