北海道でブロッコリーのバイトしてきた
こんにちは。ソムリエです。
今回は北海道のブロッコリー農場でアルバイトを1ヶ月ほどしてきた経験について書いていこうと思います。
まず、動機についてですが田舎に行きたかった。ただ、それだけです。
ですが、僕はお金が無く遊びに行くような事は出来ない、なら働きに行けばいいじゃないかと思い立ったのです。
そんな訳で、第一次産業の求人に片っ端から応募しました。
最初は熊本の畜産に行く予定だったのですが、PCR検査を受けた三十分後あたりにドタキャンされてしまいました。
理由としては、コロナと車の免許を持ってない事らしいです。
まあ、しょうがないですね。
その2日後あたりかな?北海道のブロッコリーの求人がヒット。
働けるという事が分かって、その2日後に飛行機のチケットを取って向かいました。
ドタキャンされないように即断即決しました。
そして、羽田の国内線で北海道の空港に行きました。
あまり詳しく場所を書くのはよろしくないかと思いフワッと書いときます。
まあ、北海道 ブロッコリーという情報だけで結構絞れてしまいますが、、
北海道に着いて、農場の最寄りの駅まで列車に揺られている時に見た北海道の雄大な自然にほえ〜すげえ〜となったのを覚えています。
シラカバやエゾマツ、フキ系の下草など本州では見られない樹木や草木が新鮮でした。
僕は猟師に中学生くらいから憧れがあり、「熊撃ち」という久保俊治のノンフィクションの自伝を15歳くらいの時に読んだのですが、その本にはあった北海道の自然の細かい描写と実際に北海道に来てみて見た自然がぴったり一致したので感動しました。
自然大好き青年の僕はこれがオレの求めていたものだ!とテンション上がりました。
えっちらおっちら列車に揺られ、ワンマン電車の勝手が分からず危うく乗り過ごしそうになりながらも無事に時間通りに農場最寄りの駅につきました。
約束の時間から40分ほど遅れて、迎えに来たのは車を自転車並みの速度で運転している死にかけのおじいちゃん。
こいつ、やべえな。と思いました。
コロナ感染防止の為におじいちゃんはオレを隔離の寮に連れて行き、「頑張って生きろ」とだけ言い放って帰ってしまいました。
僕は2週間ほど寮に隔離されるのですが、隔離されると聞いたのはこの時が初めて。
明日から働く気マンマンだった僕は唖然としました。
10分ほどで、まあ、隔離されてる間いっぱい遊べるし、いっか!と切り替えられたのですが、キツかったのが隔離の寮の汚さ。
多分、半年ほど人が入っていないので寮の状態はトトロのメイちゃんの家状態。まっくろくろすけ出ておいでと言いたくなるほどススと埃まみれでした。
朝一の飛行機で来て、寮の掃除をして、セイコーマートでカレーの材料を買って作って食べるのが夜の8時くらいだった気がします。
すごい疲れました。
今年の北海道はすごく暑いらしくて、30℃を超えた日が20日近く続いたのはおよそ100年ぶりらしいです。
だから、そんなに暑くても北海道にクーラーは無い。8月の上旬はそれが結構辛かったです。
ただ、北海道は昼は暑くても夜はすごい涼しい。
それを知らなくて僕は暑いから掛け布団なんていらないだろと思って半袖半ズボンで寝てたら夜、寒くて起きたのを覚えています。
隔離期間は寮の掃除、釣り、山歩きなどしてたらあっという間に時間は過ぎていきました。
僕の住んでた地域はコンビニ、生協が近くにあるので不便ではないですが遊ぶところはないです。
だから、自然で遊ばないような人がこっちに来たら退屈で発狂するんじゃないかなと思います。
僕の祖母と祖父に隔離されてて仕事がないなどの話をしたら、なんとお盆に祖父と祖母が北海道に遊びに行くと言って飛行機を予約してこっちに来る事になりました。
だから、家を出て5日後には一緒に住んでいたじいちゃんばあちゃんに会うことになってしまいました。(僕は今はじいちゃんとばあちゃんの家に住んでいる)
僕はホームシックなどにはならなかったのですが、じいちゃんばあちゃんは寂しかったようです。
そんなこんなでじいちゃんばあちゃんと網走駅で落ち合うことになりました。
ですが、僕はじいちゃんばあちゃんと北海道で会うのにあまり乗り気になれませんでした。なぜなら、この北海道への出稼ぎは田舎で遊ぶ為だけでは無くて自立の旅、一人暮らしの練習をする側面もある。
なのに、じいちゃんばあちゃんが北海道に来て、一緒に観光してしまっては意味がないではないかと僕は不機嫌になりました。
網走駅で再開した時も本当は2泊3日一緒にいる予定のつもりだったのですが、明日には帰ろうかなとかじいちゃんばあちゃんに言ったりして、、
まあ、目に見えて不機嫌だったと思います。
そんなこんなで、ムスッとしたまま昼飯を食べて網走監獄を観光しました。
ゴールデンカムイを全巻揃えるくらいに好きな僕はテンションが上がりました。
独房や建物が漫画で見たまんまで改めてゴールデンカムイの凄さを思い知りました。
まあ、僕はちょろいオタクなので網走監獄を見れた事で上機嫌に。
2泊3日くらい一緒にいてもいっか!と思ってしまいました。
お金ないと美味しいものも食べれないしね。温泉いっぱい入ろ!とか考えが1時間前とはガラリと変わった気がします。
じいちゃんばあちゃんもやっぱり僕と一緒に旅行出来て嬉しかったのか、ホテルの晩飯の時は嬉しそうでした。
もし、網走監獄に行かなかったら僕の機嫌は直らず1日目で寮に帰っていたかもしれません。
今思い返すと、一緒に旅行出来てばあちゃん孝行して良かったかなと思います。
ありがとう、ゴールデンカムイ、網走監獄。
じいちゃんばあちゃんとの旅行が終わり、寮に帰った次の日の朝、農場のおじいちゃんがベトナム人の女性を連れて僕の寮に訪ねてきました。
「明日から仕事だ、寮移れ」
僕は、は?と思いました。あと隔離の期間は5日ほど残ってるしせっかく頑張って掃除した寮を移れとその日にいきなり言われたからです。
居心地が良くなっていただけに、結構イラつきました。
なんやねん、このミイラジジイ!と思いました。
しかも、自転車で車に寮までついてこいみたいな感じでした。ベトナム人女性は助手席に乗っているのに。
朝、寝起きで頭が働かなかったのでなんとも思わなかったですが今思い返すと謎です。
どうやら、人間関係のトラブルで今までいた男の働き手が全員辞めてしまい人手が足りなくなり隔離を終えていない僕が駆り出されたという感じでした。
僕が寮を移る時、4月からいた人と3時間ほど一緒になって色々話を聞いたのですが人間関係がすごいドロドロしている。
それに、あのミイラジジイ、セクハラするらしいです。車も一人で降りられないのに、、男の性欲ってやっぱり凄まじい。
その人は本当は10月の末までいる予定だったらしいですが8月の中旬に帰ることに。
いったい何があったんだ、、
農場はどこもそうだと思いますが、家族経営なので農場主の家族、地元の人達、出稼ぎに来た外国人と日本人で三種類くらい派閥があって外国人労働者と農場を経営している家系が仲が悪いです。
そんなこんなでちょっと早めに働くことに。あと一日、じいちゃんばあちゃんと旅行してたら危なかったです。
隔離するために働いてないのに、網走やら知床やら行ってるのがバレたら怒られる所でした。
ブロッコリーの仕事内容は、植え付け、収穫、積み込み、予冷庫で箱詰め、出荷という感じです。
植え付けはもう終わっていて、僕のした仕事は収穫と積み込みだけ。結局、予冷庫では仕事はしませんでした。
ただ、収穫も積み込みもすごくキツい。8時間延々とブロッコリーを収穫したり、積み込みしたりものすごい肉体労働です。
農業は力仕事なのです。昔の百姓達はマッチョだった理由が身に染みて分かりました。
勤務時間は8時から5時の8時間、朝と午後に15分の休憩と1時間の昼休憩があります。
休憩時間以外はしゃがんだだけでも嫌味を言われるので中々厳しい職場です。
正直舐めてました。慣れるまでの4日間は倒れ込むように寝ていましたし、動きが悪いので怒られたりもしました。
働いてるおばちゃん、おじちゃん達は身体が農業に適応してるのですごいタフ。僕はスポーツをやってなかったら途中リタイアしていたと思います。
仕事内容はどれも大変なものですが、一番驚いたのはみんな水を全然飲まないし、おしっこを全然しない事です。
僕なんか水をいっぱい飲んですぐおしっこするのですぐトイレに行きたくなるんですが、なんとトイレ休憩がない。
職場の女性は出来ませんが、僕は男なので隙を見て立ちションするのですが、最初はそのタイミングが分からず、ちびると表現するにはいささか多い量のおしっこを漏らしてしまいました。
防水のズボン、長靴を着用してるので外には出でいかず、長靴におしっこが溜まって、、
これ以上は書かないでおく。
農業にトイレ休憩はないのである。
あと一つ書きたい事は、働いてる人はアジア系の外国人女性がすごく多い事。14人くらいいるかな?男の外国人労働者はいません。
分かってるだけでも、ベトナム人、ミャンマー人、フィリピン人、インドネシア人、モンゴル人がいます。
地元の主婦のおばさん達5人くらい、アジア系の外国人女性10数名、社長(50歳くらいのおじさん)、社長の妹、地元の釣り好きのおじさん、オレ、22歳ルーメイト(八月中旬辺りから来た)が平日の農場で働いているメンツです。
女性がすごく多いです。
僕は遊びに行く手段として北海道に働きに来てるのですが外国人女性達の多くは母国の家族のために子供を残して働きに来ている。
だから、全く休まないし、日々節制して暮らしています。3年契約のベトナム人女性の方達は最後に休んだのが4月の中旬の一日だけだそうです。(今は9月)
労基ガン無視です。
これは農場側が圧力をかけて休ませないようにしているのでは無くて、こんなクソ田舎で休んでも何もする事がないのでみんな休まず働いてるんです。
僕は釣りしたり山歩きしたりするので休んでもすることがありますが、外国人の方達はそういうわけではありません。
それに、外国人労働者は遊んではいけないみたいな規約があるらしく、札幌とかに遊びに行ったら罰則があるとかないとか。
僕は詳しくないので分かりませんが、可哀想だなと思ってしまいます。
日本人は僕みたいな変人か、地元の人しか農場にはいないので第一次産業の大変さがわかると思います。
同じ時給千円なら他のバイトした方が絶対楽です。日本人でわざわざ農業をやりたいと思う人は少ないでしょう。
話を聞いたところ、他の農場でも働いているのは外国人労働者だそう。
僕らが食べている野菜のほとんどはメイド イン ジャパンかもしれませんが、メイド バイ 外国人なのかもしれませんね。
今年は100年に一度の異常気象でブロッコリーが10何年に一度の不作。
なので8月の下旬辺りから仕事がなくなり午後3時とかひどい日は午前中で仕事が終わるとかもありました。
働きはじめが一番忙しかったです。
仕事がないので余った時間は草刈りをするのですがこれがまたキツい。
14人くらいで広大な農場の雑草を一つ残らず刈っていくのですが、その量が膨大で眩暈がします。
それでも3日か、4日で全ての草がなくなるので人間ってすごいなとか思ってしまいます。
ミイラみたいなおじいちゃんは偶にトラクターとか重機を運転するのですが、ソファに座ってる時はミイラみたいなのに農作業をしている時は顔に生気があるので、あと数年は死なねえなと思いました。
だけども死にかけであることには変わりないので、おじいちゃんは軽トラをぶつけて破壊していました。マジで田舎だからいいけど街中で車を運転しないでほしい。
僕が働き始めて4日目に来た、22才ルームメイトについても。
彼には本当にお世話になりっぱなしで毎日、農場まで送り迎えしてもらったり、彼が休みの日でさえ車に自転車を乗っけて僕を農場に送ってくれました。
温泉にも連れて行ってくれたし、釣りで使うタモ網も買って来てくれたし、僕が帰る前日には北海道の回転寿司チェーンのトリトンにも連れて行ってくれました。
彼は大学四年生で来年の就職はもう決まっているそう。中々、彼は高学歴なんですよ。
彼と車で農場に向かっている最中、牧場の丘の上から鹿が軽やかなステップで跳ねるように駆け降りて来るところを見ました。
朝の露で湿った牧草の上を暖かいオレンジ色の朝日の中、走り去ってくシカを見て心底美しいと思いました。
ただ、道内の人は鹿を見慣れているので僕が「シカだ!」と言っても、ああ、そうだねと反応が薄いのが寂しいです。
彼にこれからの人生でまた会う確率はほとんどゼロに近いです。だから、僕が北海道の1ヶ月間で受けた恩を彼に返すことは出来ないと思います。
ただ、北海道で働きに行った時に2週間ほど一緒に生活した大学生がいたなぁと思い出すだけでしょう。
それは彼にとっても同じで、ただ僕をたまに思い出すだけだと思います。
僕の今までの人生でお世話になった人であるけれど、もう二度と会うことはないだろうという人間関係を構築した事は初めてでした。
トリトンでの帰り道、それを自覚して彼が運転している車の助手席で寂しくなりました。
一期一会とはこういう事を言うのかと、心底身に染みました。
もし、僕が車の免許持っていない年下の人間と生活する事になったら車で色々連れ回してあげようと思います。
僕と入れ違いでやめて行った人からは、人間関係気をつけろと忠告を受けていましたが、僕は1ヶ月しか農場の人たちと関わらなかったので、人間関係のトラブルの片鱗は垣間見ましたが、僕がそのトラブルに巻き込まれた、またトラブルを起こしてしまったなどはなかったです。
愛想良く振る舞うように意識したので、仕事のミスで怒られはしましたが嫌われはしなかったと思います。
僕は今まで労働というものを食わず嫌いしていて、アルバイトなんかやらない!と意地を張っていたのですが、今回の北海道ブロッコリーでその意識は改まりました。
朝早く起きて、身体を使って働いて、ご飯食べて、風呂に入って、夜の8時には寝る。
そんな生活サイクルは単調ではありますが、人間のあるべき姿、百万年前から進化していない人間が求めている生活習慣なんだと思います。
だから、体の調子はすごく良いし毎日、日光を浴びてする肉体労働は適切な休日を取れば鬱とは無縁の労働だと思います。
毎日、同じ仕事内容を繰り返すので飽きとの戦いはありますが。
肉体労働は体が強靭な人にとっては結構良い職場な気がします。
大型特殊免許を取れば、農業の就職は引くて数多ですよ。運転する人がいなくてトラクターとかが余っているので。
初めて、8時間労働をして、自分でご飯を作って、自分の稼いだお金で銭湯に行ったり外食したりお土産を買ったりするのは中々気持ちが良かったです。
18日ほど働いて14万円くらい稼いだのかな?農場主のおじいちゃんから給料をもらう時、「家賃二万五千円な、給料から引いといたから」と言われました。家賃の話とか初耳でした。
今まで、労働というのは人間をつまらなくするもんだと思い込んでいたのですが、自分に合った職種と休日があればそうでもないなと思いました。
働くのもそう悪いものでもないです。
次は畜産か漁業をやってみたいです。日本の各地で働いたら次は海外で働いてみるのもいいかもしれないですね。
北海道は食べ物も美味しいし、すごい良いところなので是非、行った事ない人は観光してみてください。
冬は過酷ですが、、
僕は車の免許取ったらまた北海道に行こうと思います。
それでは、また。
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