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なんか長くなってしまいましたが告知です


アメリカから世界に広がっている反人種差別運動「Black Lives Matter(BLM)」や女性へのセクハラ・虐待への批判運動「#Me Too」の関連本がたくさん出版されて、個人的に仕入れたい本がありすぎて経営バランスを失いがちな石引パブリックです。(そんなのもともとないけど…)

#Me Too関連本というかそこから派生したジェンダー関連本はオシャレな装丁が多く、これまでのフェミニズムとは違って、なんていうか「ラディカル」ではなく「クール」とか「ヒップ」な感じ?になった気がする。#Me Tooの始まりを追ったノンフィクション『その名を暴けー#Me Tooに火をつけたジャーナリストたちの闘いー』では、アメリカ映画界の権力者ハーヴェイ・ワインスタイン(ミラマックス、ワインスタインカンパニーの創始者)の性的犯罪とその隠蔽を、シスターフッドな連携で暴いていくプロセスが描かれていて胸がすくのですが、その真っ当さがカッコ良い。

BLMについては、個人的なことで言えば音楽嗜好がソウルなどのブラックミュージックなので、詳しいわけでは全くないけど長く聞いていればそれなりに歌詞の意味や歴史社会を知っていき、アレサフランクリンやサムクックのあの曲も実はプロテストソングだったことに気づけばつい鼻歌で涙腺がゆるみそうになったりもして、BLM関連本はそんな曲の背景をちゃんと学べる教科書だったりするのです。(『歌と映像で読み解くブラック・ライヴズ・マター』おすすめです)。いまはビヨンセのような黒人アーティストだけでなくレディー・ガガみたいな白人のスーパースターももうアメリカ音楽業界まるっとBLMな気がするんだけど、そんなことはないかー。


という感じで、フェミニズムも反人種差別運動も、当事者に限らずスターも人種も女性もLGBTQも若者もいろんな人が連携して抗議していて、時代はたしかに進んでいるんだなーと思っていた。

思っていたところで、イギリス文化研究をされている金沢美大の稲垣健志先生が、今から40年ほど前にイギリスで起きた反人種差別の大きなムーブメント「ロック・アゲインスト・レイシズム(RAR)」の活動を追ったドキュメンタリー映画『白い暴動』(2019年)をテーマにオンライントークイベントをされるということで参加してみたら、これがどっこい、いろんな意味でいまと同じ状況で驚くことに。(『白い暴動』はシネモンドでも上映してたのに行かなかったことを悔やみながら…)

RARが開催した「反ナチ・カーニバル」の野外コンサートでは当時若者にホットだったパンク、レゲエ、女性バンドなどが出演し、差別への抗議の行進では白人のスキンヘッドも黒人のドレッドも女性もLGBTも一緒に歩いたという。のは全く知らなかった…。
そもそもパンクロックは全く聞かないけど、映画タイトルにもなっている「白い暴動(White Riot)」という曲が流れた瞬間、こ、これは...!!となった。パンクに目覚めたわけではなく、「ザ・クラッシュ」を崇めていたヘタくそな兄のギターで何度も聞かされためちゃ知ってる曲(けど曲名は知らなかった)だったのだ、というのはどうでもいい話で、稲垣先生がこの抵抗の音楽ムーブメントを、当時の人種差別や女性差別、文化的・政治的背景を詳細に解説しながら「クール」に講義してくれるものだから面白くないはずがなく、BLM関連本を読むようにあの曲やあの映画にはこんな背景があったのかとか、エリッククラプトンやデビッドボウイが白人至上主義的な発言をしていたのか...といろいろ勉強に?なったし、いまのようなムーブメントが40年前に起きていてもまだ分断や差別は同じようにあって、時代は進んでいるのか繰り返すのかわからなくなるような考えさせられるトークでした。

この「白い暴動」トークが面白かったのでぜひ石引パブリックでもやってほしいと稲垣先生にお願いしたところ快諾してくださって、急遽「反ナチ・カーニバル」の前日記念日(?)の4月29日木・祝にオンラインでやることになりました!
が、まだ時間も詳細もちゃんと決まってなく決まり次第ここにまた追記させてもらいますので、とりあえず日程だけ決まったのでご興味ある方はぜひスケジューリングを〜(って時間も決まってないのにすみません)。これを伝えたかったのですが...長々駄文を失礼しました!

追記(詳細決まりました)↓↓↓↓↓↓

オンライントークイベント
『白い暴動』を色づける―レイシズムに対抗するロックは可能か?―
ゲスト:稲垣健志(金沢美術工芸大学准教授/イギリス文化研究)

◎日時:2021年4月29日(木・祝) 16:00〜 

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70年代イギリスで、音楽に突き動かされ人種差別反対を叫んだ若者たちの文化・政治背景を紐解く。

2019年、『白い暴動』という映画が公開されました。1978年4月30日の「反ナチ・カーニバル」を頂点とした英国のロック・アゲインスト・レイシズム(RAR)の活動を、当時の映像と当事者たちのインタビューを交えて編集したドキュメンタリー作品です。こうした「反ナチ・カーニバル」やRARの活動は、実は、文化的・政治的な意味において様々に「色づいた」ものでした。そのような「色」に着目し、「反ナチ・カーニバル」の文化・政治空間にせまってみたいと思います。(稲垣健志)

稲垣先生

稲垣健志(いながき・けんじ)(金沢美術工芸大学准教授/イギリス文化研究)1978年愛知県生まれ。金沢美術工芸大学美術工芸学部准教授。金沢大学文学部卒業、ウォリック大学(イギリス)大学院修了、大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得退学、博士(言語文化学)。専門はイギリス現代史、イギリス文化研究。主な論文に「A.シヴァナンダン『新時代のたわごと』にみる新自由主義時代の社会運動」『金沢美術工芸大学紀要』第60号(2016年)、「英語圏の中心でパトワを叫ぶ―リントン・クウェシ・ジョンソンのダブ・ポエトリーをめぐって―」『金沢美術工芸大学紀要』第61号(2017年)、共著に『教養のための現代史入門』(ミネルヴァ書房、2015年)がある。


◎日時:2021年4月29日(木・祝) 16:00〜

◎ゲスト:稲垣健志(金沢美術工芸大学准教授/イギリス文化研究)

◎参加費:500円(税込)★ズーム配信(見逃し配信あり)

◎主催:石引パブリック(076-256-5692)


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