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#122「【みぞおち】腹痛のおじさんを診察して診断つけてみた!!」の裏話

ご視聴、ありがとうございました。
今回の動画はいかがだったでしょうか?

みなさんも一度は病院にかかったことがあるとは思いますが、
問診している医者や看護師の考えていることって何だかよくわからなくないですか?

最後に食べたごはんについてなんて今は聞かなくてもよくない?

その質問って何の意味があるの?

お腹を押したときと離したときのどっちが痛いなんて言われても。。

などなど、病院にかかった時に何らかの疑問を抱く方は多いんじゃないのかなと思います。
医療者もいちいち質問の意図を喋ったりはしないですしね。

という風に考えまして、こんな動画をあげてみています。
医療者が問診しながら考えていることを話してみて、それを一般の方もみているYouTubeにあげたらどうなるのかなーと思いまして。

中でも、今回の主訴は腹痛でしたね。
 ※主訴:患者さんが一番困っている症状。鑑別を考える上で重要。
     英語ではchief complaint(よく"CC"と略記されます)。


腹痛はねー。


難しいのです。


特に女性だと。


今回の症例は男性であったため、動画内でも話したように子宮や卵巣などの婦人科系臓器に関する疾患は考えずに済みました。

しかしお腹にはすごくたくさんの臓器が詰まっています
基本的に痛みを主訴に来院した患者さんの診療に臨むときは、痛みのある場所にある臓器の異常を主体に考えていくことになるので、お腹の症状の時は鑑別にあげるべき疾患の数・種類がたくさんあるのです。

まずは消化器系の臓器がありますね。
一言に消化器系といっても、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸などの腸管に加え、肝臓・胆嚢/胆管・膵臓・脾臓といったように臓器の数がすごく多いです。

上記に加え、やや背中の側になりますが腎臓があり、膀胱にかけて尿管という管が通っています。尿路結石ができた時に痛むところですね。
尿路結石は背部痛や腰痛という主訴で来院することが多いですが、側腹部痛という感じで来院する人もそこそこいらっしゃいます。

他にも、心臓から出た大動脈はお腹の真ん中をまっすぐ下行しながら上記の臓器たちに枝を出して酸素や栄養を運んでいます。

そして女性には子宮卵巣があり、男性には精巣があります。
「精巣があるのはお腹の外じゃん」と思う方もいるかもしれませんが、実は精巣の病気(精巣捻転・精巣上体炎など)で下腹部痛を主訴に来院される患者さんがいらっしゃいます。

上記のようにたくさんの臓器があり、それぞれの臓器において、
管が詰まったり、膜が裂けたり、ねじれたり、炎症が起きたり、感染が発生したり、といった原因で痛みが生じうるのです。


なんだか果てしないですよね。笑


だから腹痛は少し大変なのです。

だからなかじーは冒頭で「長くなります, 動画が。」といったのです。

だから「女性じゃなくてよかった」と弱音がこぼれたのです。


まあ、そんな難しい症状だからこそ医療者の腕の見せ所なのかもしれませんが。

まずは「痛みがどんどん悪くなってないか」「人生初めての感じか」などを聞いて急がなきゃいけない腹痛かどうかを何となく判断し、
吐き気・便通の異常・食事との関連・他の症状の合併がないかを聞きながら、そもそもどの辺の臓器に異常が起きていそうなのかを推察し、
元々その人が飲んでいる薬や嗜好品、過去の病気なども聞きつつ更に考える病気を絞っていく、といったことを動画内ではやっていました。

そして必要そうな検査を考え、コスパを意識しながらオーダーを入力し、
患者さんにその必要性を説明し、採血などをさせていただきます。

ということで、問診というのはすごく大事なのです!
#そりゃそうだ

ということで、病院にかかった時に一見意味の分からない質問をされても、
どうか優しく答えてくれると助かります!

よろしくお願いします!!

僕らも、優しく、かつスピーディに問診をするよう心がけます!!


編集担当:なかじー
総編集時間:14時間

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