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旧赤星鉄馬邸、現ナミュール・ノートルダム修道女会の見学会に参加しました 2019.11.22.

見学会開催

吉祥寺にある、旧赤星鉄馬邸、現在ナミュール・ノートルダム修道女会の見学会に行ってきました。
こちら、実は武蔵野市にある、アントニン・レーモンド設計で実業家である赤星鉄馬氏の元私邸。

戦後に一度GHQ管轄となり、その後現在の修道女会の所有になっています。
2011年以降修道女の志願者がいなくなってしまったために、大きな敷地に3名で暮らされているとのこと。
今回手放されることとなり、次の活用方法を検討されているということでの今回の見学会でした。

本館はアントニン・レーモンドが設計、御御堂や離れの建物は、1956年に修道女会の所有になってからの増設です。

修道女会や建物の歴史について、ナミュール・ノートルダム修道女会よりお話しを伺いました。

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その後、建物の見学へ。

玄関。線型や四角など縦横の線が特徴的です。

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玄関から続く螺旋階段。緩やかなカーブが優雅さを感じます。

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大広間。ガラス戸が真南に向いており、角が繋がり270度に連なっています。ガラス戸は線型のジャバラ、その先には、藤棚と素晴らしい庭園の眺望が広がります。

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外からの眺め。自然と調和しています。

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大広間の隣には食堂。窓は大広間から繋がっています。作り付けの家具は機能的でデザインも味わいがある。

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現在の応接室。図面を見ると、当時は隣の部屋と連なって1つの長い部屋だったようです。奥の造作収納もまたユニークで工夫されています。左奥の収納は扇型に開閉する仕組み。

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柱に組み込み式の木製収納。

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増築された御御堂には、4つの個室と集会室、お風呂などがあります。

こちら集会室。シスターたちの学習室だそう。

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個室。窓から緑が見えます。

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増築された離れにある和室。瞑想の場となっています。

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執事室、運転手待機室の玄関。今見てもモダンな印象。



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270度の窓からは、門柱からの出入りや中庭の壁に開けられた穴を通して、大広間の様子を図ることができます。使われ方に合った設計の心遣いを感じます。

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蹲(つくばい)と灯籠のある玄関脇にある庭。奥の壁は四角の切り取りがあり、待機室から大広間を見守ることができます。

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屋上からの眺め。

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敷地内のお庭。庭には33本の保存樹林があり、ここが吉祥寺の真ん中であることを忘れされられます。

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保存への想い

修道女会としては、更地にするよりも、せっかくの建物なので保存しつつうまく活用してもらえればと望まれています。

署名活動も行っておられるようですので、またご案内ができるようであれば発信します。

日本の建築は、家の柱に木を使い漆喰で湿気を取るなど、自然と寄り添い、建物全体で自然を感じられるようになっています。

歴史を尊重し、オリジナルを残しつつ、地元に残る資産をうまく活用できるよう、何かお手伝いできればと思います。


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