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#023 片道切符を握りしめて【古性のちの頭の中】

暇さえあれば仕事の合間にNetflixを開き、つい今期の注目アニメを片っ端から観漁ってしまうアニメフリーク気味なわたしが、これまで何度も繰り返し観てきた作品の中で特段お気に入りのものがある。
それが2018年に放送された「宇宙よりも遠い場所」というアニメだ。

宇宙よりも遠い場所


高校2年生の女の子たち4人がとあることをキッカケに南極を目指し、冒険にでかける全13話のお話。そこは、宇宙よりも遠い場所。
(「南極」というなかなかに無謀そうな場所をゴールにしながら、実はこの4人中、3人が掲げている夢や想いは、そんな場所に行かずとも叶うものなのに、彼女たちは一生懸命に手を取り合って南極を目指す。その理由や心の機微を読み解くのもまた面白い。いかにしてこの子たちが南極にたどり着くのか。気になる人はぜひ観てほしい)

その中のひとり、高校を中退しコンビニで働く女の子「三宅日向」のこのセリフがすっと心に染み入って、ずっとそのまま住み着いている。

「引き返せるうちは旅ではない。引き返せなくなった時に初めてそれは旅になるのだ」


2016年の夏、わたしは無期限の旅にでた。日向に言わせれば旅らしい旅なんて、人生でこれきりだったかもしれない。

はじめての海外。はじめての長期旅。
世界を回る。それに大してこれといった大きな目標もなくてただなんとなく物心ついた頃からわたしが持ち続けた唯一の夢だったので、叶えてあげたかった。

ただそれだけで、不恰好な真っピンクのバックパックとパスポートを握りしめて、無期限の旅にでた。

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