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山、の先にある島

離島経済新聞社の6月度理事会を終えてふぅーっと深呼吸する。
起きている時間、子どもたちが家にいない時間、ざざーっと集中してパソコンとにらめっこしながら、ややこしい数字やらむずかしい会計用語と戦い、ふと、思った。

私は一体、何と向き合っているのだろうか。

パソコンか? 数字か? むずかしい会計用語か? 数字は苦手だぞ。おおざっぱだから細かいチェックも得意ではない。

得手不得手に照らせば、罰ゲーム登山。脳が酸欠になりそうだ。

その時、LINE通知がぴろーんと鳴り、自宅にいる母から「なんか届いた」と写メが送られてきた。そして、こんがらがった心がほどける。

今日は奄美大島から野菜が届くんだった。島の有機野菜が10種類も。

昨日は佐渡からハチミツも届けてもらった。明日の朝ごはんは佐渡ハチミツパン? なんて幸せなんだろう。佐渡ですよ。美食の島ですよー! と、島野菜とハチミツが生まれた島と、そこで生きる人の顔を想像して、にやける。

毎日の仕事は取材したり、原稿かいたり、編集してばっかりではなく、地味な仕事も苦手な作業も重責もどっさりある。

だから、瞬間的には山だわ、ああ、今日も山だわとぼやくけど、嫌いか? と問われれば、ぜんぜん嫌いではない。

けれど、好きか? と問われると、苦手なこともたくさんあるから、首を縦にはふれない。

じゃあなんだ? と問われたら。やっぱ、愛しいから。

私は、山に登りたくて登っているわけじゃないけど、その山とつながる世界がとにかく愛しいんだろう。

仕事を介してつながる世界がこれだけ愛しいのは幸せである。だから、大変だ、大変だといいながら、だいたい、まあいいやと思っている。

いくらでも続けばいい。愛しき世界につながる山なら。いくらでも登ろう。時々ぼやくけど。

そんなわけで、奄美の島野菜で晩御飯をつくって、明日の朝食べる佐渡ハチミツのパンにわくわくする。コロナがもうちょいしずまれば、会いに行きたい島と人が、山のようにいる。

さあ、明日もがんばろう。

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