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島から考える日本の未来。宅配社会編

宅配社会の未来というお題でうけた取材の記事が、今日の朝日新聞にのりました。

日頃から島×〇〇で幅広なテーマの取材依頼が届くところ、今回は宅配。

取材依頼をみて、宅配?? と思ったものの、島の暮らしと社会のありかたを照らし合わせる日々の思考のなか、感じてきた違和感があったので、リトケイというよりは個人として意見しました。

本文は一言一句、本人(=私)確認済みでしたが、チェックできない見出しの「離島の挑戦」は少ししっくりこない。

離島の挑戦というよりは、島の在り方が今後の日本社会を描くヒントになるんじゃないか?というトーンで話したので、私が見出しをつけるなら「島から考える日本の未来」としたい。

考えてみれば、私が受けている取材のうち、それがマスメディアである場合はほとんど、いただいたテーマを、島から考える日本の未来に変換してしゃべっていたかもしれません。

今回の記事では、たとえば、宅配の荷物が港までしか届かないある島のように、便利すぎない暮らしやサービスの在り方が、むしろ、孤独や高齢化が進む日本社会の未来にとってヒントになるんじゃないか、という点。

もちろん、それを大変不便に感じている島の人もいらっしゃると思いますが、小さな不便をみつけてはお金で買えるサービスや商品が生まれる社会のなか、その一部が、人と人の温もりあるつながりを断ち切り、結果として社会に孤独を生んでいるじゃないか? と思うわけです。

だから、人の生死や地域の存続にかかわる課題ではない不便については、どんどん解消するよりも、不便だなぁと文句をいいながらでも許容しておき、便利だといわれる新たな何かを導入するときには、慎重に検討したほうがいいと思っています。

これは、シューマッハーが『スモールイズビューティフル』で指摘している「新しい技術が新しい課題を生む」とも同じ。

宅配に限らず、世の中にあふれる無いなら無いでも暮らしていけるものや、人と人の温かなつながりや支え合いを、意図せずとも邪魔してるかもしれないものごとには注意したい。と、島の暮らしと社会を照らし合わせながら、あくまで個人的に、常に、思っています。

そんなことやあんなことをぶつぶつ話した内容を、記者さんがコンパクトにまとめてくれたのがこの記事。島から考える宅配社会の未来、として読んでもらえるととうれしいです。

あと、宅配については、島にとっても、日本社会にとっても、ネットと同じく大事なインフラだと感じているので、どうか良いかたちで、持続可能に発展することを願います。

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