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仙人系男子でもイラッとしたこと

僕は基本的に穏やかな人間だ。怒ることもないし,声を荒げることもない。ある人は僕のことを仙人系男子という。どこか達観しているように見えるらしい。

本当は煩悩の塊だが,周りからそう見えているならわざわざ訂正する必要もない。

そんな僕でも腹が立つ出来事があった。というのも三年ほど前の話なのだが…。

僕は大学受験に失敗し,予備校で浪人生活を送っていた。一年間の勉強の末,センター試験では目標の点数を取り,第一志望の大学の二次試験に臨むこととなった。

二次試験当日には,大学の最寄りの駅から送迎のバスが出ていた。バス停には,多くの受験生が順番待ちで並んでいた。僕も列の最後尾に並んだ。

何台かのバスが代わる代わるバス停に入ってきては,受験生を大学まで乗せて行く。通勤時間ということもあり,バスの送迎は予定よりも時間がかかっていた。

数十分待って,バス停の様子もはっきり見えるようになり,ようやく次のバスに乗れそうなところまできた。しかし結局僕はもう一つあとから来るバスに乗ることとなる。

バス停には受験生とともに,その親の姿もある。なかには両親に付き添われている受験生もいる。

てっきりバス停に見送りに来ていると思っていた彼らが,迷うことなくバスに乗り込む姿は衝撃だった。

受験生を試験会場まで送迎するはずのバスに,親まで乗り込むのは想定していなかった。試験開始30分前にやっと僕は試験会場に着いた。

無事試験を終え,会場から駅に帰るバスの中で,朝の出来事に対してようやく怒りがこみ上げてきた。

もし彼らのせいで会場に着く時間がもっと遅れ,自分の力が出せなかったらどうしてくれたのか。自分の子供がよければそれでいいのか。自分たちの後ろに並んでいる他の受験生のことはどうでもいいのか。

人のことを考えず,さも当たり前のようにバスに乗り込む親たちの姿が今になって許しがたい行為に思えてきたのだ。

幼稚園受験,小学校受験ならまだわかる。ただ大学受験という場にまで親が介入するのは異常だと思うのは私だけだろうか。

たしかに親の気持ちもわかる。受験生にとって親のサポートほど心強いものはない。だが,試験会場についてくる,ましてや受験生用のバスに我が物顔で乗るというのは間違っている。

と,思っていたが最近では親が就職活動にまでついてくる例もあるらしい。どうかしている。

もうすぐ国公立の二次試験がはじまる。受験生たちの勉強の成果を馬鹿な親に潰して欲しくない。






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