2021年夏アニメ 勝手に本命予想


春アニメも終わりを迎え、始まりました2021年夏アニメ。相変わらず異世界なろう系が溢れており、辟易としている今日この頃です。

そんな夏アニメ視聴予定の29作品から、面白くなりそうだと予想したタイトルを5作品ピックアップします。今期どのアニメを見ようかと迷っている方は参考にしていただければ幸いでございます。


1.ぶらどらぶ

まずは簡単にあらすじから。

絆播貢(ばんばみつぐ)という高校2年生の少女は献血が趣味ですが、「キメラ型」という特殊な血液型のため需要がありません。そんな貢の前に突如現れたルーマニアの吸血鬼・マイは気が弱く、人を噛んで血を吸うことができません。そんな貢が自分の血液を差し出し、ついにはマイの食料を確保したいが為に献血部を立ち上げる…というぶっ飛んだ設定のアニメでございます。ジャンルとしては、コメディになるんでしょうか。

業界大御所である押井監督と西村監督が好き放題やっているようなアニメであり、他のタイトルとはあらゆる意味で一線を画するものに仕上がっていたと思います。今期最も個性的であり、独創的な作品は間違いなく『ぶらどらぶ』でしょう。両監督の癖が凝縮しています。

好き嫌いが分かれる類の作品だと思いますが、ハマる人にはガッチリとハマる作品ではないでしょうか。


2.RE-MAIN

MAPPA制作による水球アニメです。前クールで『灼熱カバディ』がありましたが、近年マイナースポーツの作品が流行っているのでしょうか。

記憶喪失をきっかけに水球を辞めてしまった主人公が、再度水球部に入る動機が不純で笑えるんですよね。その一方で、親のためとか、家族のためという動機よりもよっぽど腑に落ちるものでした。その他のギャグも狙いすぎておらず、学生感のある爽やかなタッチが良かったと思います。

そして、高校生ならではの葛藤や劣等感を熱く描いており、感情面の描写に長けた作品だと思いました。キャラクターのバックボーンの描き方が上手で、何より説得力があるんですよね。『灼熱カバディ』でもの足りなかった部分をクリアした作品であり、作画自体もMAPPAなので申し分ないでしょう。あとは今後のシナリオ次第だと思います。男女問わず楽しめる作風に仕上がっていたのも好印象です。


3.ぼくたちのリメイク

『東京リベンジャーズ』は『ドロップ』に『シュタインズゲート』のタイムリープ要素をを足した作品だと思っているのですが、『はじめてのリメイク』は『冴えない彼女の育てかた』や『SHIROBAKO』にタイムスリップ要素を足した作品といったところでしょうか。タイムリープやタイムスリップが近年また流行り始めているように思います。

大阪芸術大学を舞台に10年後からタイムスリップした主人公の恭也視点で芸大ライフを描いた作品です。他の4作品と比べると男性向けと言えるでしょう。

クリエイターの葛藤や衝突が描かれる中で、ヒロインや教授が発する説得力のある台詞が見所の1つだと思います。このあたりは『映画大好きポンポさん』にも共通する点ですね。クリエイターを描く作品には、クリエイターならではの信念を感じる脚本があると作品としての魅力が一段と増すように思います。

feel.制作ということもあり、志野亜貴を始めとするキャラクターが魅力的なのは言うまでもありません。そして何より本作は、恭也の発言や行動次第で作品の面白さが大きく左右されるとも言えるでしょう。いずれにせよ、タイムスリップ要素を上手く扱った脚本を見たいですね。



4.小林さんちのメイドラゴンS

2019年7月に起きた「京都アニメーション放火事件」でお亡くなりになった武本監督から、『涼宮ハルヒシリーズ』で共作していた石原監督がメガホンを引き継ぐことになったのが、この第2期『小林さんちのメイドラゴンS』です。

OLの小林さんが、酒に酔った勢いでドラゴンのトールを助け、そこから人間のメイドに姿を変えたトールと同棲を始めるコメディ作品です。

京アニが『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』で劇場に復帰し、こうして深夜アニメを制作するに至り、本当に感無量でございます。

『小林さんちのメイドラゴン』は日常系コメディに位置する作品なのですが、ほのぼのとした日常の中から突如戦闘シーンに切り替わった途端、作画枚数を一体何枚使っているんだと思わずツッコミたくなるようなバトルシーンが待ち受けており、そこが京都アニメーションでしか成しえない技だったと思います。それに加えて、思わず胸に刺さるような小林さんやトールのセリフがあったりと、ハートフルストーリーに仕上がっているのもこの作品の特徴でしょう。

第2期でもそれは健在で、料理のシーンでの作画の力の入りようはやはり素晴らしかったし、小林さんがポッと呟く一言が良いんですよね。第1期との違いを挙げるとすれば、ギャグに寄せた構成というよりもシリアスに寄せた構成となっていました。石原監督のもと、『メイドラゴン』の新たな展開を第2期で見ることができるのではないかと期待しています。

石立監督の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』や山田監督の『リズと青い鳥』は現在の京都アニメーションを象徴する作品ですが、『らき☆すた』や本作のような漫画原作タイトルこそが元来の京都アニメーションだと言えるでしょう。


5.かげきしょうじょ!!

今期の中で最も伸びしろを感じるアニメであり、今期の主役最有力候補が『かげきしょうじょ!!』でしょう。宝塚歌劇団及び宝塚音楽学校を舞台とした作品です。

「ベルサイユのばらのオスカル様」を演じることを夢見て入学した渡辺さらさや、元アイドルの奈良田愛といった新入生視点から宝塚音楽学校(本作での表記は「紅華歌劇音楽学校」)の内情を描いています

やはりこの作品の持ち味は、歌劇団の華やかさの裏にある女性社会ならではの厳しさでしょうか。トップスターに焦がれる新入生たちを象徴するようなキラキラした側面もあれば、体育会系さながらのスポ根的な部分や先輩後輩関係にありがちなギスギスした部分もあり、今後先輩や同期たちの衝突もあるんだろうなと勝手に予想しています。

華やかな描写だけでなく、その裏にあるドロっとした陰の部分も臆さずに描いてほしいなと期待しています。あとは、ダンスシーンさえクリアできれば言うことなしですね。



この他に注目しているタイトルとしては『Sonny Boy』というオリジナルアニメが挙げられます。放送開始が7月15日以降となっていますので、現在未視聴です。前期も『Vivy-Fluorite Eye's Song』や『オッドタクシー』といったオリジナルアニメが頭一つ抜けていたことを考えると、制作がマッドハウスということもあり期待したくなる作品です。


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