永い言い訳

監督・脚本・原作　西川美和

出演　本木雅弘　竹原ピストル　堀内敬子　深津絵里

久しぶりに2回連続で観た映画だった。

妻（役・深津絵里）が友人と旅行中、夫、幸夫は（役・本木雅弘）は不倫をしていた。不倫相手と自宅でくつろいでいた時、偶然流れたテレビのニュースで妻が乗ったバスが崖から転落し、死亡したことを知る。まもなく警察から連絡がある。

幸夫は売れっこの作家で周りは同情をよせたが、妻との関係はすでに冷め切ったものであった。これは良いネタになるぞ!とばかりに妻の悲劇的な出来事を題材に小説を書こうと試みるがどういうわけか筆はなかなか進まなかった。

そんな折、同じくバスの転落事故で妻に先立たれた夫、陽一（役・竹原ピストル）から「会わないか」と連絡をもらい会うことになった。陽一は2人の子供を連れて来た。陽一は裏表のないまっすぐな性格でトラックの運転手をしている。

ここから、物語はあらぬ？方向へと進んでいく。幸夫はどことない寂しさからか、陽一の子どもの面倒をよく見るようになる。そのことで、実は妻も子どもを望んでいたかもしれなかったことの記憶がよみがえってくる。陽一の子どもたちとの触れ合いを通して幸夫はこれまでの人生と妻との思い出を見つめ直し、『永い言い訳』という小説を描く。

ところで、永い言い訳とは何に対してなんだろう？と2回観たにも関わらず未だに思っている。不倫をしたことに対して？向き合わなかったことに対して？妻の携帯の下書きに残された「もう愛してない。これっぽっちも。」という文が、真であったかはわからないが、妻は夫の不倫にはとっくに気がついていた。

『永い言い訳』が妻に届くことはないけれど、、この映画の見所は陽一の子どもとの触れ合いで幸夫に人間らしさが戻ってくるところにあるかなと思います。