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[大学生必見]国民年金の学生納付特例制度について卒業後の最適な追納計画を立ててみる

本記事は、特に3月で大学を卒業する方に向けての記事です。

学生であれば、ほとんどの人が国民年金を払っていないでしょう。
というか、ふつう払えませんよね。

もしかすると、親に払ってもらっている人もいるかもですが、そうでない場合、学生納付特例制度を利用して納付を延期して貰う必要があります。

この制度を利用した学生は、卒業時点で学部卒なら50万程度、修士卒なら100万程度の負債を抱えることになります。

あくまで学生だから納付を待っていてもらっているだけで、追納しなければ将来受給できる年金が相応の額が減り、また、障害年金がもらえなくなる等の話もあります。まぁ、他の人が収めているものを支払っていないので、当然そのペナルティがあるわけです。

ただ、この学生納付特例は、支払い月以降、10年を限度に追納を延期することもできます。つまり、20歳になった月の10年後の30歳時点でお金を払うこともできるのです。

ということはつまり、学生納付特例を利用した学生は、20歳から卒業までの間に、国から10年満期の貸付を得ていることになります。さらに調べてみたところ、満期ギリギリまで追納しなかったとしても、利息分は2%程度らしいのです。

10年で2%ということは、単利0.2%です。驚愕の利息の低さですよね。住宅ローンの変動金利でさえ実質0.5%程度なので、民間でここまで低い利息でお金を借りることは不可能です。

したがって、このお得ポジションを利用して返済計画を立てる必要があります。卒業後すぐの一括返済や毎月の返済を考えていた学生は、少し立ち止まってこの記事を読んでください。

では、ここから返済シミュレーションを行っていきます。今回の想定は2024年3月で修士を卒業する学生です。つまり、2018年4月入学です。簡単のため、2019年4月に20歳を迎えることとします。

国民年金の納付は、2019年4月分から発生し、卒業後に就職するまで、つまり2024年3月まで負債が増えていきます。このことを考慮して、卒業後の2024年4月に返済計画を立てます。

まず、卒業後に一括返済した場合です。
利子がかかっていないとすると、だいたい98万円くらい必要です。

そして、卒業の2024年4月から毎月返済した場合です。だいたい毎月4年くらい滞納したことになるので、毎月0.1%利子分を加算して払ったとしても、98万1000円くらいでしょうか。

いずれにせよ、100万弱のお金が家計からただ吹っ飛ぶことになります。これでは国に納付を待ってもらった意味がありません。

私は、卒業後の2024年4月から毎月追納分をNISAに積立して、最初の追納満期である2029年4月からNISAを順次切り崩しつつ全額追納できるまで(2034年3月まで)毎月返済を行う手法がよいとおもいます。

学生は、国から単利0.2%でお金を借りているので、年利0.2%以上の投資を行えば、単純に得をすることになるのです。

年利3%(再投資)

上図は、国民年金の請求日から10年後の追納額を累積で表した値を「青」で、2024年4月からNISA積立した金額を年利3%(再投資)で満期まで運用した場合の累積額を「オレンジ」で表した面グラフです。

2024年3月の追納分をその10年後に返済し終わった時点での負担額が一番右端の青色「102万円」に対して、この時点での投資評価額は「133万円」となっています。つまり、約30万円分の利益が出たということです。

ただ卒業後に返済するだけであれば98万円の損失であったのに対し、投資を行った場合、実質的な負担は72万円ほどになります。つまり、26万円は得したということです。

これはかなり控えめな利益額です。すべて株式に投資したとすれば、例えばオルカンな5%程度を見込んでいいでしょう。

年利5%(再投資)

この場合、60万円の利益があり、実質的な負担は42万円まで下がります。

どうしてもリスク資産が嫌な人は、日本国債でも買えばいいのです。日本国債でも、単利0.2%を超えれば得をすることになります。

そもそも、日本はインフレ下にあるので、経済学的にはお金は借りれば借りるほど得をします。なぜならば、インフレは貨幣の価値を下げるので、時間が経てば経つほど、負債の価値は目減りするからです。

親に負担してもらうならまだしも、自分の財布から卒業後一括返済なんて愚の骨頂だと思いますよ。まぁ、あくまで筆者の考えなので、そこらへんはご承知おきください。投資は自己責任のもと行うものです。当記事で書いたことを参考に、自分で計算するなり、グラフを書くなり、いろいろやってみてください。厳しいようですが、それができない人はこの手法を扱うべきではありません。大事なお金は、自分で守る必要があります。この記事を見て、「そんな考えがあったんだ!」なんて思ってもらえれば最高です。

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※本記事の数値はあくまで筆者のシミュレーションであり、その整合性に関して筆者は責任を負いません。あくまで参考値ですので、ご利用の際はご自身で調査してください。

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