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短編物語(フィクション)& 詩

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作った短編と詩を集めています
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#創作大賞2024

[詩] 一瞬のもの

こなゆき ちらりちらり 車のライトに てらされて とんでいく 道路のうえで 一秒光り きえていく あるいは、 地上へは たどりつかずに 闇のなかへと すいこまれる 私は 財布のなかの 二十ドルで カリビアンチキンと グリーンプランテーンの フライをかって 教会のかどを 曲がり、家へと いそぐ  教会のなかでは 仕事帰りの人たちが スペイン語で 金曜日の 祈りを ささげているだろう このさきの 地下鉄の駅では 前歯の一本欠けた 巻き毛の若者が 小銭を めぐんでくれと う

[詩] 見慣れた光景

朝の地下鉄、通勤の人々、学校に向かうリュックの子供、 電車の中で、 夜を明かした浮浪者たち。 何も、持たず、ただ、横たわる者。 もろもろの 所持品、 黒のゴミ袋につめて、 大きなカートで運ぶ者。 色々持ってる人には、 ゴミにしか、見えずとも、 所持品の価値は、 持ち主が決定する。 他人がはかるものでもない。 かくいう 私も、穴があいたヨレヨレのTシャツや、 コインランドリーで一方をなくしたソックスを、 後生大事に、かかえて生きている。 そういえば 描いてる絵や