消費者の態度形成と4つの機能
一度作られた態度はなかなか変わらない
消費者の態度とは、対象となる商品・ブランド・店舗・会社・人などに対する評価そして感情です。態度を感情で表せば、好き嫌い、好きならそのレベルを示すのが態度というわけです。
評価であれば、正ー誤、有害ー無害などのスペクトラムが考えられます。行動であれば接近ー回避、積極的ー消極的などの線上で表します。
態度はゆっくり時間をかけて作られるだけあって、一度作られた態度は安定してなかなか変わりません。しかし、それは不変ではありません。韓国製品なんかがいい例ですね。
態度は学習によって作られます。それは使用経験であったり、オピニオンリーダーや準拠集団の影響も大きいです。さらに新聞・雑誌記事・マスコミで流される情報も大きくかかわります。
態度は、その強さによって大きく3つのタイプに分けられます。最初に、功利的機能が働いて形成される(1)応諾です。便利・早い・安いなどの機能が基礎となります。賞罰の結果で選択をする応諾は、最も態度レベルが低く、感情的な結びつきをなし得なければ顧客を忠実にできません。
次に(2)同一化。これは他人と適合するために選択するような場合に起こります。人には同一化欲求があります。口コミの影響やタピオカの流行を見れば分かりやすいでしょうか。
最後に(3)内在化です。この態度形成では、ブランド(対象)は顧客の価値観に組み込まれ、代用を考えることはよほどの理由がない限りあり得ないとされています。この態度を変えることは困難を極めます。
誰にでもこだわりの○○みたいな内在化されたブランドがあります。関与が深まれば深まるほど内在化も深まります。
態度には4つの機能がある
1.適応機能
この機能は賞罰原則に基づいています。商品が客の役に立ち、満足をもたらせば正の態度を持ちます。逆に粗悪ならば負の態度を持ちます。
付け加えると、消費者は直接的な利益を求め損失を避けようとします。例えば……税金なんかが分かりやすいですかね。
2.価値表出機能
好き嫌いはそれが自分自身の価値観を表出するか、あるいはそれに反するかによるといいます。現実と理想のセルフイメージに商品のイメージがそぐわなければ購買は起きません。顧客の信念、価値観、ライフスタイルを研究する必要があるということです。
3.自我防衛機能
これは、好き嫌いが不安・社会的リスクからの自己防衛だというコンセプトです。これは社会的認知は安心を生み、態度形成に寄与するからです。
これを逆手に取った手法として、デオドラントやブレスケア製品が有名です。恐怖を煽って自我防衛機能を逆から刺激するというわけです。
4.知識機能
人は自己を取り巻く環境がシンプルで一貫性があり、予測可能であることを望みます。態度にはこの欲求を満たす機能があります。
つまり、好き嫌いの態度がはっきりしていれば、それに関する情報検索が必要でなくなるということです。
しかし、態度がはっきりしない場合には情報検索を余儀なくされます。そして、得られた知識によって態度が形成され、購買意思決定がなされるわけです。
顧客は異なった理由で選択しているかもしれないし、いくつかの機能が複合的に作用している場合もあります。企業はどの機能を強調すべきか、研究する必要があるということです。例えば、あるシャンプーを好んで使うのは、髪への効能なのか(功利的機能)。有名人が使っているからなのか(自我防衛機能)。他社シャンプーとの違いが明確に記載されているからなのか(知識機能)。どの機能を刺激すべきかを道筋に、戦略を練る必要があります。
と、いつか要約したレジュメを載せてみました。他にもこれの続きや、「個人的影響要因」、「情報収集」、「社会的要因(グループの影響)」、「選択肢の分類」とかあるんで読みたい人いたら出版元に訴えられない程度に要約し直して載せます。
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