ジャンプ離れ出来ない爺が選ぶ、名勝負ベスト5!!

外出できないから部屋にある漫画を読み返していたんだけど、名作少年漫画は何歳になってもおもろいものだ。読み返した際に、特にこれは名勝負だと感じたものを雑に記す。多分にネタバレも含むから、注意!

第5位:ハンター×ハンターより、クラピカvsウヴォーギン
 説明不要の名作から説明不要の名勝負がランクイン。にわかだとか思われようがどうでもいい。俺はこの一戦が大好きなのだ。天空闘技場編で丁寧に説明した念の設定を一気に実戦でお披露目し、工夫や相性次第では格上を食えるという、本作の魅力をこれでもかと詰め込んだ名勝負と断言できる。
 念での戦いにおいて基本である「凝」をウヴォーが怠っている、具現化した鎖がなぜか巨大化する等、物語初期ゆえに突っ込みどころが結構あるが、俺には関係ない。俺は細かいところをニチャニチャ突いて、悦に浸るような陰湿な趣味は持ち合わせていないのだ。少年漫画のバトルなんぞ熱くて面白ければどうでもいいのだ。

第4位:ジョジョ7部より、ジョニィvsディオ
 射程内であれば必中かつ即死の弾丸を撃つスタンドvs時を止めるスタンドという、カタログスペック的にはジョジョシリーズでも相当ヤバいヤツ同士の勝負である。ディオが3部の時よりも、スタンド能力をフル活用して襲ってくるのがまた良いのだ。そして、事前にスタンド能力がバレていたとはいえ、負けてしまうのがなんともジョニィらしい。

第3位:ジョジョ7部より、ジョニィ&ジャイロvsバレンタイン大統領
 またまたジョジョからランクインだが、仕方ない。俺はジョジョシリーズが大好きなのだ。とにかくこの戦いは、「どうやってこいつ倒せばいいんだよ、、、」感がマックスであった。ぶっちゃけジョジョシリーズでは良くあること(作者曰く、ラスボスの能力を思いついたは良いが、どうやったら倒せるのか分からなくなっちゃうことが多々あるそうだ)なのだが、この戦いはそれが顕著である。大統領の能力を簡単に説明すると、「自分に不幸や危害が及ぶとき、地球上のどこかの誰かさんがすべて肩代わりしてくれる&平行世界を行き来できる」という2つだ。だから、1つ目の能力でまず傷一つ負わないし、特別な理由があって傷を負っても、平行世界の別の大統領を連れてくれば無傷で復活なのだ。

 こんなヤツどう倒せちゅうねん、って思うだろうが、色々あって倒せたのだ。ぶっちゃけ論理的に頭で納得できるような倒し方では全くないのだが、無茶苦茶熱い展開の末、ぶっ倒したのだ。細かいこといちいち気にする人はジョジョ向いてないと思う。ノリで楽しめればいいのだ。

第2位:ジョジョ4部より、東方仗助vs吉良吉影
 最早何も言うまい。俺はジョジョシリーズが大好きなのだ。そして4部は特に好きなのだ。この戦いは紛うことなき下衆を、明朗快活な主人公が仲間の力を借り、倒すという正に王道テンコ盛りの勧善懲悪カタルシスマシマシな戦いなのだ。ジャンプ生まれジャンプ育ちの俺は、こういう王道展開が大好きなのだ。

第1位:喧嘩商売より、佐藤十兵衛vs金田保
 オチをつけるためにワザとジョジョから外したのではないかと邪推する方がいるかもしれないが、そうではない。この勝負は筆舌に尽くしがたい名勝負だ。漫画史に残ると言っても何ら過言ではない。
まず、喧嘩商売という漫画は、タイトルから陳腐なヤンキー漫画と勘違されてしまいがちだが、全く違う。いじめられっ子だった主人公が血の滲むような努力で強くなり、持ち前の頭脳を活かして強敵と戦っていく、どちらかというと理論先行型の漫画なのだ。作者の格闘技知識と発想力には本当に脱帽ものである。

 そして、この勝負の駆け引きは特に素晴らしい。頭脳派キャラが戦うとき、その頭脳を引き立たせるために、対戦相手がバカ化するというチンケな展開が少なくないが、この勝負はそうではない。知恵に長ける主人公だからこそ嵌る罠を仕掛ける敵と、見積もりの甘さを早期に認め、戦いの中でそれを修正し、常に勝ちを追う主人公との攻防がページを繰る手を止めさせないのだ。
 じゃあ理論ばっかで熱いドラマは薄いのかよ、と思われそうだがそれも大きな間違いだ。ドーピングやメリケンサック持ち込み等の不正ばかりを行い、私生活でも相当な悪事を働いている下衆を、元いじめられっ子だったが死に物狂いで強くなった主人公が倒すという、これまた俺好みの勧善懲悪王道展開をしっかり抑えているのだ。やっぱ単純に、悪い奴が懲らしめられるのはスカッとするのだ。高度な駆け引きと熱さを兼ね備えたこの勝負こそ、ランキング1位にふさわしい。


 

 俺は本当に王道展開の少年漫画が大好きなんだけど、こういった形で言語化するのは初めてだ。言語化してみて、好みとかがより一層、整理された気がするが、まあ「好み」なんてものは後発的に自覚した結果でしかないのだ。漫画に限らず、本当に心を動かすものに触れたとき、「ここが好みだわ」という冷静な感想はリアルタイムでは湧いてこない。これからも冷静な感想をすっ飛ばして心を動かすような体験や作品に、一つでも多く巡り会いたいものである。

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