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MCI(軽度認知障害)ってなに?

インターリハ開発部です。

今日も私たちの記事を読んでくださいまして、ありがとうございます。

みなさんは、MCIという言葉はご存知でしょうか。

MCI(Mild Cognitive Impairment)は、軽度認知障害です。

MCIは年齢相当より認知機能が低下しているが、
日常生活は自分で行うことができる状況です。

その後、認知症になる危険性が高い状態を指します。
ただし、MCIから回復する方も多く、平均すると約25%の高齢者がMCIから正常の認知機能へと戻ります。

認知症予防はできるだけ早くから取り組んでいただきたいですが、
とくにMCIの状態の方には、より積極的な予防対策を講じていただきたいです。

地域の中にMCIの方がどれくらい含まれるかを全国調査した結果では、
約20%の高齢者がMCIと判定されました。

地域で元気そうに暮らしていても、
5人に一人はすぐにでも認知症予防の取り組みを始めるべき状態にあるということです。


<記憶障害>

アルツハイマー病の中核的な症状が記憶障害です。

初期の段階から、数日前のエピソード記憶が衰えてくるのが特徴です。
エピソード記憶とは、自分の体験した出来事の記憶で、数日経てば忘れてしまうことが多い記憶情報です。

例えば、3日前の昼ごはんの内容は忘れてしまうことが多いでしょうが、
昨日の昼ごはんの内容はすぐに思い出せるはずです。

昨日のこともよく思い出せないようであれば、
エピソード記憶が衰えてきていると考えましょう。


<注意障害>

注意は、何か一点に集中してそれを保持する機能とともに、
色々なところに注意を配っておく機能とがあります。

たとえば、料理をするときには火加減に注意をしながら、
野菜を切るなど他の行動も同時に行うと思います。
注意機能が衰えてくると、注意を色々なところに配ることが苦手になりますので、火加減に対する注意が薄れてしまい、気づいたときには魚を焦がしてしまったということになります。

この数か月間で、
そのような失敗が増えてきたという場合には注意が必要です。


<実行機能障害>

実行機能障害とは、何か物事を成し遂げるときに計画して手順よく行うことが苦手になる状態です。

例えば、明日の10時に映画を観に行くとしましょう。
10時に映画が始まるので、20分前には映画館に到着したいとしたら、
何時に家を出るかが決まります。
仮に9時に家を出るとしたら、それまでに身支度を整え、食事をし、
その他の用事を済ませるために何時間かかるという計算から、
何時に起きるかが決定されます。

前の晩に起床時間に合わせて目覚ましをセットするといった行動が取られるので、円滑に物事が成し遂げられることになります。

もしこれが、逆算の読みが甘ければ映画の時間に間に合わなくなってしまうことでしょう。そのような失敗が実行機能障害によって生じます。


<MCIから回復>

MCIは認知症になりやすい認知機能が低下した状態ですが、
正常の認知機能に回復することがあります。

とくにMCIの中でも認知機能が低下した項目が少ない人ほど、
正常の機能に戻りやすいことがわかっています。

認知機能は徐々に低下してくることを考えると、低下した項目が少ないことは、低下が始まった初期の段階であるといえるかもしれません。

認知症の予防についても、
他の疾病と同様に早期発見・早期対処が必要だということでしょう。


<MCIから回復する人の特徴>

MCIから正常の認知機能に回復する人の特徴として、
認知機能低下の程度が軽い、海馬(脳の記憶を司る領域)の大きさが保たれている、知的好奇心が高い、関節疾患がない、知的な活動をしている、
嗅覚や視力がよいことがわかっています。

また、車の運転をしている、本や新聞を読む、稽古事をする、地域の会合に参加する、趣味やスポーツを行っている、庭や畑仕事をしている人もMCIから正常の機能へと回復しやすいことがわかってきました。

色々なことに興味を持って、
活動的な生活を送っている方の認知機能が回復してくるようです。


<MCIの人はどれくらいいるのか>

MCIの有病率を調べた研究を見ると、5%という報告もあれば40%という報告もあり、調査によって幅が広いです。

これは、対象となった集団の特性や検査方法の違いによるもので、決定的な結論は出しにくい状況にありますが、2000名以上の大規模集団を対象とした研究をみると、約20%が平均的な結果となっています。

地域の中にはかなり多くの高齢者が、認知機能が低下した状態で過ごされており、これらの人は認知症予防のための取り組みを始めていただきたいと思います。

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