見出し画像

お互いの尊重と私の健康に繋げる「包括的性教育」

みなさん、こんにちは。
久しぶりのGenderTech Latterをお届します。みなさんは「包括的性教育」​​という言葉を耳にしたことはありますか?

「性教育」という言葉は聞いたことがあっても「包括的性教育」は初めて聞く方も多いのではないでしょうか。

「包括的性教育」とは?
人権をベースとした教育
互いを尊重し、よりよい人間関係を築くことを目指す教育
健康とウェルビーイング、尊厳を実現し、子どもや若者たちにエンパワー  
 メントしうる知識、スキル、態度、価値観を身につけさせる教育

包括的性教育の推進に関する提言書

包括的性教育は、ユネスコから提唱された「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に沿った教育と学習のプロセスです。この教育は、日本でも義務教育段階に取り入れる必要があると言われています。

包括的性教育はなぜ必要?

日本の義務教育では一般的に妊娠の過程を扱わず、高校教育の保健であっても、「性」に関する教育が十分に行われているとは言い難い状況です。
このため、青年期「性」に関わる知識を学ぶ環境が十分ではないため、情報が溢れる現代ですが、正しい知識がないために正しい情報を選ぶことが出来きません。
そして、誤解したまま行動に移すことで、結果、恋人や家族、周りを傷つけることにつながってしまうことも多くあります。

日本性教育協会「現代性教育研究ジャーナル」
https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_201806.pdf

ピルコンによる調査では、高校生の性知識の正答率は平均3割となっています。また、正しくリスクを認知していたとしても、実際にリスクに対処することができると思う人は少ないことが報告されています。

そのため、十分な「性」の知識を持っていたとしても、お互いを尊重し、自分自身の健康とウェルビーイングを考えた行動をするために「包括的性教育」が必要なのです。

PILCON「高校生の性知識・性意識・性の悩みに関する調査」
https://pilcon.org/wp-content/uploads/2015/04/6a90f1cd42dd5ae984e065c5fa6675ca-2.pdf

けれども、なかなか大人であっても正しい「性」の知識があると自信を持って言えない人も少なくないかと思いますし、「性」について話すことはまだまだ恥ずかしいこととされています。
また、正しく学べる環境が少ない中で、「性」について「学びたい!」「知りたい!」と思った時、すぐに正しい情報へアクセスすることも困難です。そこで、今回は自身のタイミングで「学びたい!」「知りたい!」をサポートする性教育サイトをいくつか紹介します。

モヤモヤ解決「学ぶ!知る!」性教育サイト

性教育サイトの「命育」や「セイシル」では、「性」について学んだり、悩みを相談する場に、自身のタイミングで気軽にアクセスすることができます。

命育(めいいく)

子供と大人の性のコミュニケーション
「命育(めいいく)」とは、子どもたちが、からだや妊娠・出産他、性の知識=「命」に関する知識を身につけ「性や命と向き合う力」を育む教育です(命育HPより)。幼児から中高生の子どもを持つ保護者に向けて、子供へ伝えやすい性教育情報を発信し、大人と子どもが性のコミュニケーションを測る機会を作ることを目的としています。

詳細
こどもの年齢に合った性教育(子どものからだ・性・防犯のこと)を行うためのコラムやセミナー、情報を交換するためのコミュニティが設置され、実際に性教育を行うためのアイテムも販売しているので、情報収集し実践するまでをサポートに繋げます。また、こどもへの性教育の疑問や悩みに対して、専門家が「対応方法」「問題の背景」の視点から回答してくれます。

命育
https://meiiku.com/

セイシル

10代の「性のモヤモヤ」を考える場
セイシルは「知ろう、話そう、性のモヤモヤ」をコンセプトに、性について多くの悩みを抱える10代の若者へ、大人たちが耳を傾け、寄り添い、助言をしたり、ともに考えたりする場を提供しています。

詳細
身近な「性」に関するユーザーからの投稿に、専門家が科学的な視点から丁寧に答えてくれるので、正しい知識を得ることができます。また、投稿された質問は、個人が特定されない形で専門家からの回答と一緒に掲載され、誰でも見ることができます。さらに、質問に関連する基礎知識の記事なども一緒に掲載しているので、身近な疑問から多様な視点から基本的な知識を学ぶことができます。

セイシル
https://seicil.com/

まとめ

いかがだったでしょうか?まだまだ、日本では「性」について学ぶ機会が少ないように思います。正しい知識を身につけることができる機会が、教育現場やインターネット上で増えるといいですね。正しい知識を身につけ、自分や相手のことをよく知り、お互いを尊重する。そんな、よりよい人間関係を築くことができる社会になってほしいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?