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【総合評価△】競馬場探訪:英 ウスター競馬場/Worcester Racecourse

数年に一度水没する競馬場。
競馬場自体の魅力は平凡だが、その特異な周辺環境を確かめにネタとして訪問するのはあり。Worcesterの街も観光地としてのポテンシャルは高い。

イギリスの競馬場を独自の視点で評価しています。総合評価は◎〇▲△の四段階。各評価ポイントは★×3が最高点。全ての競馬場の評価一覧は以下の記事をご覧ください(随時更新中)。訪問を検討されている方の参考になれば幸いです。
https://note.com/ippei_genuine/n/ne3ab24c12e85

ウスター競馬場  / Worcester Racecourse 概要

所在地:イギリス Worcestershire County
創設:1718年
開催競馬:障害
馬場:芝(左回り)
主要なGIレース:GIレース開催はない

・ 総合評価 △

世界各地の競馬場を特集した書籍で、「浸水により開催が度々中止になる珍しい競馬場」として紹介されており、現地を見てみたいと興味をそそられ訪問。競馬場の直線と並行するようにセヴァ―ン川が流れており、ここが氾濫したら確かに競馬場は水浸しになるだろうなと納得できたのは収穫(ただし、それを分かっていてなぜここに競馬場を作ったのだろうと新たな疑問が発生…)。Worcester競馬場自体は、レースの臨場感はあるものの、小規模で地味な競馬場なため、かなりのマニア向け。Worcesterや周辺都市の観光のついでに訪問するのが良いのではないか。

↑ 2021年1月に水没した際のWorcester競馬場の様子(同競馬場のInstagramより)。

・ ロンドンからのアクセスの良さ  ★☆☆

- London Paddington駅→Worcester Foregate Street駅 
(Great Western Railwayの直通電車で約2時間)
- Worcester Foregate Street駅→Worcester 競馬場 
(徒歩で約10分)

・ 公共交通機関のみでのアクセスの良さ ★★☆

【電車+徒歩】
Worcester Foregate Street駅からWorcester競馬場までの道順はやや分かりづらいが、Google map等を使えば徒歩で十分アクセス可能。

・ 場内の雰囲気 ★☆☆

一周2,400m程度の周回コースに小さなスタンドが一つのごく小規模な競馬場。パドック等周辺設備にもこれといった特徴はない。フードスタンドやバーも少なく選択肢が限られる。しかしながら、小規模競馬場ならではの馬や人との距離感の近さ故に、例えば、内馬場の駐車場から私服姿の騎手が大きなバックを肩に控室に向かってくる姿が見られたり、隣でレースを見ていた普段着のおじさんが実は馬主で数分後にはウイナーズサークルにいたりと、面白い体験ができる。

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・ レースの臨場感 ★★★

芝コース一本のみで、観戦エリアとコースの外埒の間のスペースも狭いことから、かなり近い距離でレースを観戦可能。また、ゴール前200m付近に設置されている直線の最終障害付近まで観戦エリアが広がっており、馬が障害を跳ぶ姿を近くで見ることができる。内馬場も一部観戦エリアとなっており、スタンドを背景にレースを楽しむことも可能。

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・ 競馬場周辺の観光 ★★☆

Worcesterの街は、日本の観光ガイドで取り上げられることは少ないが、ポテンシャルは高い。日本の家庭でも用いられているウスターソース発祥の都市で、ウスター市の博物館でその歴史に触れられるほか、チューダー様式の街並みやウスター大聖堂、陶器で有名なRoyal Worcesterの博物館等もあり、なかなか魅力的。時間に余裕があれば、往復どちらかでロンドンからの電車の途中駅であるオックスフォードに途中下車するのも良い。

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・ 参考情報(競馬場のHP、写真等)

ウスター競馬場のHP:https://www.worcester-racecourse.co.uk/

関連写真:以下のとおり。なお、これらの写真はいずれも平日の平場開催日に撮影。大きなレースが開催される際は、観客数や競馬場の雰囲気、入場可能なエリアに違いがあると思われるため、ご留意いただきたい。

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↑ Worcester Foregate Street駅。Worcesterの名のつく駅はウスター市内に三つあるが、Worcester競馬場の最寄り駅かつWorcester市街地に最も近いのは、このWorcester Foregate Street駅。

↑ Worcester競馬場全景(同競馬場のInstagramより)。最後の直線と並行して、イギリス最長の河川であるセヴァ―ン川が流れている。川と競馬場の間に高い堤防はなく、競馬場の土地も平たんであるため、川が氾濫するとたちまち競馬場全体が水没する。

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↑ 手前がセヴァ―ン川、木々の奥の駐車場の周辺が競馬場。

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↑ 競馬場入り口からスタンド方向。

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↑ スタンド全景。立席中心のごく小さなスタンド。

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↑ スタンドからレースを望む。内馬場も一部観客に開放されている。

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↑ スタンド横の来賓席入口。老朽化が否めない。

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↑ 観戦エリア最前列からレースを観戦するとこの距離感。

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↑ 直線残り200m付近に設置されたゴール前最後の障害。ジャンプを身近に見ることができる。

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↑ パドック。ごく普通の楕円形。芝コースと平行する形で位置している。

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↑ パドックから振り返ると、すぐに返し馬を観察できる。

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↑ レースを終えた馬たち。ゴール周辺に厩舎地区がないため、芝コースを逆走して駐車場までゆっくり歩いて戻っていく。

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↑ 内馬場の観戦エリア。埒沿いにプラスチックのイスとテーブルが配置されただけの簡素なスタイル。

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↑ 内馬場から見たレース。やや遠いが、スタンド側とは違った迫力でレースを楽しめる。

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↑ スタンド前から内馬場へはコースを横切って移動する。蹄鉄の跡と芝生の塊がレースの直後であることを物語る。

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↑ 芝コースを横切って駐車場へ向かう騎手。開催後半ともなると自分の騎乗機会を終えた騎手が次々と颯爽と帰っていく。

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↑ 障害競走専門の競馬場ではあるが、一部障害を用いないレースも実施される。レース合間に障害を移動するスタッフの息のあった作業は見ていて飽きない。

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↑ 第一コーナーの入り口付近は、競馬場の入場口の前にあたり、チケットなしでも競馬を観戦可能。ただし、当然ながら競馬場外にブックメーカーはいないので馬券は買えない

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↑ Worcesterの街の様子。レンガ造りの橋や倉庫が点在し、他のイギリスの都市とは少し違う雰囲気も。

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