イナズマイレブンで一番面白いのは第8話だと思う

イナズマイレブン
全国の少年少女、いや老若男女を虜にしてきた素晴らしいサッカーアニメ・ゲーム。

今回はそのアニメで自分が一番好きな、一番面白いベストバウトだと思っている御影専農中との試合、第8話「恐怖のサッカーサイボーグ!」について語る。

1期はYouTubeで全話公式配信されてます。太っ腹!

※第7話のあらすじ
主人公チームである雷門中のフットボールフロンティア予選2回戦の相手は御影専農中
偵察に来た御影専農中のゴールキーパー杉森、ストライカー下鶴とのPK決闘でゴールキーパー円堂とエースストライカー豪炎寺完敗してしまう。
円堂たちは秘密特訓施設「イナビカリ修練場」で不思議な特訓を積み、試合当日を迎える。

第8話がその後編でまるまる雷門中vs御影専農中の試合になるのだが、これが本当に完成度が高くて面白い。

何がこの回を面白くしているのかを考えてみたら7つ思い浮かんだので、今日はそれらを語る。

・起承転結のしっかりした試合展開

データと命令に従うチームだった御影専農中が!

データを超える雷門の力に押され始め!

円堂の行動をきっかけに熱さを取り戻し!

全力でぶつかり合う!

という、驚くほど起承転結がしっかりして綺麗にまとまっている試合展開がこの話の魅力の1つ。

キーパー自らシュートを撃つ円堂に感化された御影のキーパー、杉森も自らシュートを撃ち円堂は全力のゴッドハンドでそれに応えるという最後まで熱いぶつかり合いが見られる。


・必殺技連打

キーパー杉森は事前のデータに基づいて必殺技「シュートポケット」で「ファイアトルネード」を止める…が、豪炎寺のパワーはデータ以上でキャッチし切れずボールを弾いてしまう。
その隙をついて「ドラゴントルネード」→「イナズマ落とし」と、矢継ぎ早に連続でシュートを繋いでいくのが非常にかっこいい。
杉森はもう1つの必殺技「ロケットこぶし」でゴールを守り切るが、シュートポケットで対応可能だった事前のデータとの違いに困惑するのだった。
この一連の流れは、ただ今まで編み出した必殺技を惜しみなく見せるだけのものではない。
データ以上の力を発揮する雷門と防ぎ切る御影専農、どちらの格も落ちない理想的な攻防をしているのだ。


・努力の結実

前回のイナビカリ修練場での特訓は厳しい割に意味不明のものだったが、今回その結果が発揮される。
全員の基礎能力が底上げされていたので、データに拘った御影専農の上を行くことができたのだ。

やはり、特訓の努力が身を結ぶのは王道で熱い。
強敵を倒すために必要なのは、やはり特訓なのだ。

泥臭い熱さもイナズマイレブンの魅力の一つ。それが遺憾無く発揮されているのがこの回。


・杉森の熱い心変わり

「負けたくない!俺は負けたくない!」

「キャプテン!」「キャプテン!」

「みんなも同じだろう!?最後まで、戦うんだ!最後の1秒まで、諦めるな!!」

「おう!!!」

これ、相手チームのセリフなんです。
相手チームのキャプテン、杉森の。


円堂の「サッカーは楽しいものだろ!」「勝利の女神は勝利を強く信じる方に微笑むんだ!」という言葉が響き、勝ちたいという気持ちを持つようになった杉森。

その杉森の姿は、監督に見捨てられ諦めかけていたチームメイトの心にも響き、全員一丸となって諦めない全力のサッカーのぶつかり合いになる。

この話で一番熱いシーンはここだろう。
杉森が自分のサッカーに疑問を持ち、変わるまでの心情描写が丁寧だからこのシーンも熱く受け入れられる。
ここでデータ受信装置を自ら引きちぎるところ、大好きなんだ…。


・誰も不調じゃない

この話はチーム内の不和やメンバーの不調がないから安心して見られると、個人的に感じた。

イナズマイレブンは試合の中で成長していく少年たちをよく描いている。
野生中戦の壁山、帝国戦の円堂、戦国伊賀島戦前の風丸などが例だ。

悩みを乗り越える姿には胸を打たれるが、それゆえの不調期間はモヤモヤしながら見てしまう。

だが、この試合は全員のメンタルが安定しており、不調に悩まされる描写がないから安心して見ることができる。
イナイレで数話だけ見返したい時にこの話が思い浮かぶのもそういうことなのだろう。
逆に2期は暗い話が多いからなかなかそういう時に見ようと思わないし。(でも2期も大好きだよ)


・BGMの使い所が良い

ピンチからの3連必殺技の時の、緊迫した「サッカーバトル」

円堂が上がる時の、流れが変わる「発動!バーニングフェーズ」

円堂と豪炎寺がイナズマ1号でシュートを撃ち返す時の、必殺技用BGM「バーニングフェーズ スペシャル」

そして何より、杉森たちが熱い気持ちを取り戻すシーンで流れる熱い「公式戦」
イナズマイレブンを象徴する名BGMが、非常に効果的に使われている。

この試合があったから自分は、「発動!バーニングフェーズ」「公式戦」がトップクラスで好きなBGMだ。
BGMを聞くとこの話の場面を思い出す。

・爽やかな結末

勝ち進むことができた雷門。
サッカーを楽しむ気持ちを知ることができた御影専農。
両チームを称える観衆。
観戦して、円堂のことを見直す鬼道。
誰にとっても爽やかな結末を迎えたのだ。
とはいえ、豪炎寺が怪我で準決勝欠場のピンチというオチでこの話は終わるのだが。
今回は特に、雷門が勝って終わるだけでなく相手チームとも良好な関係を築いて終わることができたのも大きいだろう。
全力をぶつけ合い相手が心から負けを認められたなら、スッキリするに決まっている。

・まとめ

以上、7つの要素を挙げてみた。
これらの要素が30分に無理なく詰め込まれた激アツの試合、それがイナズマイレブン第8話なのだ。

イナズマイレブンの心情描写は本当に緻密で丁寧だから凄い。今回は杉森の心情描写が最高だった。この試合を経て明るくなった2期の杉森も好きだ…。(ダークエンペラーズから目を背けつつ)

試合のある回で一番好きな話は今回ですが、試合のない回で一番好きなのは第17話「鬼道の決意!」です。この話も円堂と鬼道、豪炎寺と鬼道の熱い関係性と鬼道の心情描写が…って話をし始めるとまた長くなるのでこのくらいで。

人によって一番面白いと思う回は違う。神回は人それぞれ違っていい。
でも御影専農戦が一番好きな人は、絶対自分だけじゃないはず。この試合は素晴らしいですよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

おわり



余談
良いところばかり挙げたが、小さな不満が1つだけある。
下鶴改のファイアトルネードはどこへ行ったのだろうか。

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