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【VAXEE ZYGEN NP-01 レビュー】とんでもないゲーミングマウスは誰をも満足させうる。

★個人的総合点数 82/100

 ■減点理由
  ・表面塗装(-10)
  ・標準マウスソールの薄さ(-3)
  ・ホイールクリックの重さ(-3)
  ・親指部分の配置範囲の狭さ(-2)
 ■特に優れている点
  ・明確なクリック感、レイテンシ変更機能
  ・唯一無二な、万人受けする形状
  ・ソール品質自体は高く、安価

0.製品情報等

 製品情報リンク 形状比較リンク

1.はじめに

 ■プレイタイトル
  ・Apex Legends
  ・Valorant
 ■比較対象マウス(使用直近より)
  ・Logicool PRO X SUPERLIGHT
  ・Razer Viper Ultimate 
  ・Razer DeathAdder V2
  ・Finalmouse Ultralight 2  CAPE TOWN
 ■使用マウスパッド等
  ・ARTISAN 疾風 甲 SOFT L
  ・Xtrfy GP2
  ・Xtrfy B1

2.外観(形状・塗装等)について

 雑に表現すると「Zowie S2 + Zowie EC系の右側面」です。
 (VAXEE Webページ ZYGEN NP-01 マウス比較リストから引用

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 持ち方。IE3.0クローンでなければならない人以外は全く問題ありません。

 右側面部の曲率は「薬指・小指のスペースを広げる」ためとのこと。
 確かに配置する自由なスペースが十分に設けられており、VAXEEが意図した通り機能している感覚です。ほとんどの人は違和感や窮屈さを感じないのではないでしょうか。但し、そもそもマウス本体が大きいサイズではないため、指が極端に太いや手の大きい人は、従来のZowieマウス通りの窮屈さかと想像します。


 左側面ですが、自分の場合マウスを握った際「常にサイドボタンに親指上部が当たっている」状態となります。
 現在持っている同等形状のマウスは大抵、親指部分がサイドボタンに「当たってしまっている」ためそこまで違和感はありませんが、他マウスでApex Legendsをプレイしている際に誤ってサイドボタンを押下してしまった経験はそれなりにあるため、このマウスでも起こるのだろうな、と覚悟しています。

 個人的には、もう少しサイドボタンの位置を上にズラして、親指を完全にフリーとして欲しいです。しかし、サイドボタンの上部に整形跡(?)が存在するため、製造方法等を変更しないと上部への移動は無理でしょう。

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 さらに上記画像の通り、Logicool G PRO Wirelessでもほぼ同様の位置にサイドボタンが配置されているため、恐らく世界のゲーマー(メーカー)は親指の配置範囲を「無視できる問題」、もしくは手(指)の大きさにもよりますが「常に親指とサイドボタンが当たることが良きこと」と判断していると想像します。
<20201227追記>
 Logicool G PRO X SUPERLIGHTを使用し、サイドボタン周りを確認したところ、GPROはサイドボタンが出っ張っておらず、親指を置く範囲は同じながらサイドボタンに親指が当たらないよう配慮されていました。この辺の設計はGPROの方が上手いと言っていいと思います。


 塗装について。「手汗を多少でもかく人は確実にヌメった感触になるが、性能としては問題ない」と表現しておきます。
 (クリック部を除く)
 Zowieマウス、つまり従来のマットUVコーティングは店頭でしか触ったことが無いので詳細なフィーリングは曖昧ですが、このマウスの塗装は商品紹介動画の中から引用すると「マットUVコーティングとツヤ出しコーティングの中間」です。
 確かに、箱から出した時やウエットティッシュ等で拭き掃除を行った後には、ドライな感触を若干感じつつも、ツルっぽさ(?)も感じます。この時点では100点に近い程、非常に感触が良いです。しかし自分の場合は、Valorantで前半ラウンドが終わる頃には確実に手汗でヌメっています。さらに書けば、ヌメっていないフレッシュな感覚でいられるのは恐らく5分以下です。
 自分の場合、親指部分のヌメリが体質により酷いです。ただマウスにしっかりと力を入れて握り操作するタイプのプレイスタイルではないため、また優れた形状のため、実際に滑ってプレイに支障が出るような事はありません。あくまで感触性能の話です。
 単純にZowieのマットUVコーティングのままでも良かったのではないかと想像するのですが、会社も違いますし難しかったのかなと。
<20201227追記>
 ヌメり感に慣れたこともあり点数を変更しました。あとは冬になり気温が下がったことも、もしかすると関係があるかもしれません。

3.各スイッチについて

 左右クリック感は「慣れれば」素晴らしいです。5億点。
 検品を確実に行い、その上で出荷されているため信頼出来るのではないでしょうか。左右クリックの差はそれなりにあるものの、自分の個体では少ないです。LogicoolやRazerの最近製品等、クリック感が軽いマウスからの切り替えの場合は、確実に違和感を感じるでしょう。とはいえ数日もすれば十二分に慣れますが。スイッチはHUANO 60Gですので耐久性は十分かと。

 サイドボタンのクリック感も素晴らしいです。特筆することは無し。

 ホイールスクロールについて。性能部分以外の課題があります。
 大抵のレビューに記載されているのは「音がうるさい」です。
 確かに他ゲーミングマウスでこのような音が発生するマウスは聞いたことがありません。
 「音」という観点のみで考えた場合、マウス自体の性能に何ら影響を与えませんので、個人的には全く問題ないと思っています。例えばスクロール時に擦れる音がするだとか、ある一定の間隔で変な音がする、実際に擦れた感触があるのなら明らかな異常で問題ですが、このマウスに関して言えば「個性」です。うるさかろうと正常に動作するからです。感覚的には、キーボードの青軸と同量の音が出ています。
 音の種類こそ違えど、そこまで大して騒ぎ立てる事ではないと考えます。とはいえ、Webサーフィン等のとき気になる人もいるので「改善したほうがいい」レベルなのかなと。

 ホイールクリックについて。多少重いので注意が必要です。
 勿論、ゲームで使用できない程重いわけではありません。自分はValorantでピンを差すキーとして使用しているのですが、その際に普通に持っているより意識的に強く保持しないと、AIMが多少ブレます。
 最近のゲーミングマウスは、スクロールやホイールが軽くなっている印象があるので、少し注意が必要です。

4.コードについて

 「硬めのパラコード」です。
 finalmouseやRazerのものよりも硬く、形状若干が残ります。厳密にマウスを動かしてみると、コードの硬さをごくごく微妙に感じます。

画像5

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 大変汚い机で恐縮ですがコードだけを見てもらえると幸いです。画像の通り、コードの硬さがある程度存在するためマウスパッドに接地しません。5億点です。
 コードが柔らかすぎると、マウスパッド端までマウスバンジーの反発力を感じない程度の長さまで余裕を持たせた場合、ほぼ確実にマウスパッドと接地します。マウスコードが接地し引きずられる感覚よりも、ある程度の硬さをもって空中で形状を保持する方が明らかに良いはず。このコードは素晴らしく出来が良いと言い切ります。

5.ソールについて

 0.45mmの場合、最大のウィークポイントになりえます。
 
というよりなる方が多いのではないかと。

 何のゲームタイトルでも、何ならWebサーフィンでもいいのですが、マウスを静止させる際に力を入れる方は、NP-01購入後ソールを貼り替える事をそれなりにおすすめします。
 理由は単純で、マウスソールが薄すぎるため、マウスパッドが沈み込むものの(0.45mm以上)場合、マウス本体とスレます。自分の環境では、ARTISANのSOFTで「簡単に」スレます。そのスレた感覚は恐らく、沈み込ませるタイプのゲーマーにとって致命的ではないでしょうか。
 自分は力を入れて静止させる人間ではないので、あくまで想像ですが、恐らく大半の「力を入れて静止させる」タイプのゲーマーは、ソールのみを沈み込ませ、摩擦力を強くし静止する力に変えているのではないか?と想像します。本体をマウスパッドと摩擦させて止める力に変えるゲーマーというのは、聞いたことがないです。

 問題にならない人は、プラスチック等、変形しないマウスパッドを使用している人に限るはずです。大抵の布パッドはいくら硬いとはいえスポンジですので凹みます。

6.機能について

 レイテンシ切り替えについて。面白い機能だと思います。
 VAXEE創設者であるVincent Tang氏と親しい、Yossy氏の動画によると、Zowieは8ms、Logicoolは4msとのことです。

 自分は直近でRazer DeathAdder V2を使用していました。NP-01に切り替えた際、ValorantのBOT撃ちにて各レイテンシを試してみたところ、8msは明らかにクリックしてから射撃までの間隔が遅く感じ、これは無理だなと思いました。4msは普通程度か少し遅い?プラシーボ?みたいな感覚。2msでは普通の感覚でBOT撃ちが出来ました。
 どのレイテンシが良いか?というのは「人それぞれ」だと山よりも高く海よりも深く思います。理論的には2msでは自身の動きと射撃に差が少なくなるため良い、と考えるのですが、例えばnoppo氏は4msを選択しています。さらに言えば世のZowieマウスを使用している人は8msで頑張っているわけです。
 この機能を多用して感覚を台無しにする人がいないかと危惧一方、M4 AKでは2ms、AWPでは4msみたいなトリッキーな使い方をする香具師もいるだろうな、と変な想像をしてしまう自分もいます。

7.その他

 ・マウス本体を強く握るとサイドボタンが反応するとのことですが、どんだけ強く握ってるのかと。力抜けよ。一応再現はしました。
 ・マウス本体を持ち上げマウスパッド上に置いた際にクリックが反応するとのことですが、どんだけ勢い良く置いてるのかと。力抜けよ。再現不可。
 ・センサー性能はまぁ問題ないよねと。
 (ARITSAN 疾風 甲 SOFT、標準ソール(0.45mm))

画像7

8.結論

 とんでもないゲーミングマウスことNP-01は、「様々な人が性能上、違和感なく快適にゲームをプレイできるマウス」という位置付けなのかなと思います。

 正直なところ「不公平なまでのアドバンテージ」を実現する、特筆すべき機能や飛び道具は無いです。ただ、質実剛健に、一つ一つの機能や感触を組み合わせて作った良いモノというのが、このマウスの正体だと思います。

 ソールの問題に関しては、購入時に0.6mmソールを購入すれば解決するのではと思いますし、何なら他ソールでも構わないわけです。問題は大きいですが、解決することはごく簡単です。

 ファーストロット買えなかった、という人も結構見かけますが衝動買いをするようなマウスではないです。機能、形状をしっかり吟味して買うべきです。自分はファーストロットを購入しましたが、レビュー等が出るセカンドロットで買う方が良いマウスなのかもしれません。

 以上、とんでもないゲーミングマウス NP-01のレビューでした。

20201110 誤字脱字、表現について編集
20201227 追記

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