すぐ読める 基礎からわかる 灰谷魚 解体新書 ~4:怪物見物~
偉い先生教えてください。
人間らしい思想を持った怪物と、怪物らしく衝動で突っ走る人間と、どちらがより「怪物」なのでしょうか?
おはようございます!!
灰谷魚ご紹介特使の松本いおりです!!
休日の朝にお届けする灰谷魚作品は、こちらです!!
『怪物見物』
「私」はうわさを聞きつけた。いわく。ドイツのとある動物園にフランケンシュタインがいるらしい。
フランケン見物に出かけようとスイスの国境付近に住んでいた「私」は風邪で寝込む恋人をひとり残し、彼女の黄色いビートルで2時間ほどのドライブに出かけた。そう。怪物見物に。
目的の動物園はひどく寂れ、チケット売り場の女性は清水ミチコにどことなく似た顔立ちのロボットのような口調でしゃべった。
「私」はフランケンシュタインを見ることができるのか。
そもそもフランケンシュタインは本当に動物園にいるのか。
清水ミチコ似のロボットっぽい受付の女性は「菊川玲です!」って物まねをやってくれるのかどうか。
――大問題です!!
えーっと。唐突ですが「JAF」っていうロードサービスその他、自動車に関する諸業務をやってくれる団体がありまして、うちは夫婦で加入しています。
そこの機関誌みたいなのが定期的に届くんですが。その雑誌に車にまつわる読者からのエピソードの投稿や、著名人の方たちのインタビュー記事なんかが載ってるんですよ。そういうののうちの一つにこの物語があっても違和感ないなーっていうか、わたし最初に読ませていただい時にそのあたりを狙って書かれたのかなーって思ったんです。あるいは灰谷さんの実体験か(『怪物見物』コメント欄を参照ください)
黄色いビートルの象徴的なイメージや恋人への思いが自動車と共に語られたりしていて、特にそう感じました。
いや…この小説のメインの訴えたいことは、自動車がどうこうということではないと思うのですけど。黄色いビートルがどこかシンボリックなんです。
あらら。語ってしまった。すみません(>_<)
次回のご紹介は、9999回目が合うと…という、例のあれです。
日曜日を灰谷魚作品と共に和やかにお過ごしください。
でわっ!
表紙は当トリビュートを主催してくださっております、ならさきむつろさんからお借りしました。ありがとうございます。